書き言葉の理解が学力のベース(基礎) | e-子育て.comのスタッフブログ~子育て、教育のヒントをお届け~

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長年小学生に学習指導した経験を皆さんにお伝えしたくて、小学生の勉強の悩みや家庭学習、集中力・やる気スイッチの入れ方等書いています。
ブログの内容を実践して子ども2人が東大卒業しました。

低学年の子どもに勉強を教えていると、とにもかくにも問題文の理解力が学力を決めると思います。例えば算数の問題で考えてみます。

【問題】
花子さんは、りんご1個とみかん2個を買って200円を払いました。太郎君は同じお店でりんごとみかんを1個ずつ買って150円を払いました。りんご1個の値段はいくらでしょうか?

おとなでも少しは考えますね?それがもし、下のような絵が描いてあったらどうでしょう?

リンゴオレンジオレンジ → 200円
リンゴオレンジ → 150円

違う点はみかん1個でその差は50円だからみかんは1個50円、りんごは100円とすぐ分ります。

こどもだって同じです。問題の文を絵のように理解できるかどうかが、問題が解けるかどうかの分かれ目なのです。算数ができないという子どもの大部分は、問題文を整理して理解することができずにつまづいているのだと思います。

算数の文章題が苦手な子も、音読が苦手な子も文字=書き言葉の理解がうまくいかないわけですね。それは実は当然のことなのだと思います。なぜなら文字は発明されてから数千年しか経っておらず、DNAに刻まれるには短過ぎるからです。

一方言葉の方は少なくとも数万年前からあったと思われるので、DNAに言語理解の遺伝子を残していても不思議はありません。その証拠に赤ちゃんの言語の習得の研究で、どこの国の言葉でも身につけられるメタ言語を習得する仕組みがヒトの脳には備わっていることが分っています。

ですから、耳から聞く言葉は理解できても、文字を読んで理解することの方が難しくても仕方がないのです。ポイントは目で見た文字を頭の中で言葉に置き換え、人が話すような抑揚にして脳内に再現できることではないかと思うのです。

話す人と聞く人の両方の役割を一人でこなさなくてはならないので、高度な脳の使い方ですね。もしかしたら同時通訳の訓練法のシャドーイングを日本語でやったら効果的なのではないかという気がしています。聞いた言葉をわずかに遅れて抑揚も含めまねしてく方法です。これで他人の言葉を自分のものにする方法を身につけられないでしょうか。どこかで子どもに実践してみようかな。(羊)
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