大和証券:ラヴィン・スプーンフル「デイ・ドリーム」 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

大和証券:ラヴィン・スプーンフル「デイ・ドリーム」


The Lovin' Spoonful
Daydream



熊本 一規
公共事業はどこが間違っているのか?―コモンズ行動学入門 早わかり「入会権・漁業権・水利権」


多田 洋介
行動経済学入門



ジョン セバスチャン
ジョン・セバスチャンのブルース・ハーモニカ奏法

 一昨日採り上げた アメリカン・フォーク・ロックの偉大なグループ、ラヴィン・スプーンフル(Lovin' Spoonful)。彼らの曲は現在、大和證券のTVCM「カメレール博士 マーケット篇」(コチラで視聴 )で聴くこともできる。これもロック史に残る重要なナンバー、「デイ・ドリーム(Day Dream)」だ。


【A】

What a day for a day- dream. What a day for a daydreamin' boy.
|4/4 C |A7 |D7 |G7|
And I'm lost in a day -dream. Dreamin' 'bout my bundle of joy.
|C |A7 |D7 |G7|


 妄想ばかりの毎日

 妄想だけなら幸せだ

  楽しいことばかり

 妄想することに夢中。


 コード進行はⅠ-Ⅵ7-Ⅱ7-Ⅴ7の循環コード(参照 )繰り返し。



【B】

And even if time ain't really on my side It's one of those days for taking a walk outside.
|F-G7 |C-A7 |F-G7 |C-A7|
I'm blowing the day to take a walk in the sun. And fall on my face on somebody's new-mown lawn.
|F-G7 |C-A7 |G7 |G7|


 同じく循環コードで、ⅡがⅣに代理されたパターン、Ⅳ-Ⅴ7-Ⅰ-Ⅵ7。循環コードの組み合わせだけで、こんな曲をサラリと作っちゃうなんて、本当にジョン・セバスチャンは天才だと思う。


 時代が自分の敵であっても、

 散歩するにはいい日和。

 太陽の下で日々をやり過ごして、

 誰かさんの刈り立ての芝生の上で惨めな思いをする。


 ある意味ニート君(参照 )みたいに、あまり「前向き」じゃない歌詞。ジョン・セバスチャンは1944年3月17日、ニューヨーク生まれ。まだちゃんと調べていないが、民族的に彼も流浪の民のような気がする(ラヴィン・スプーンフルの相棒はロシア系だし)。日本におけるニート君との大きな違いは、人種の坩堝アメリカには、民族的に入っていけない他人の「刈り立ての芝生」が存在し、資本制労働での雇用とは「刈り立ての芝生に anyone を入れる」ことだと思うから。

 さて、CMに登場するカメレール教授、本物の経済学教授らしく、専門は「行動経済学」。市場経済において人間は概ね合理的な行動を自然ととる(=効率的市場仮説)という法則が従来の経済学の根底にあったが、「群集的行動」(=必要ないのに他の人と同じモノを買う)、「勢いの投資」(=情報、流行に流される)といった人間の行動は「合理的」とは言いがたい。


 そこで、心理学と経済学を結びつけて人間の消費行動を研究するのが「行動経済学」。妄想しがちなニート君の不可解で非合理的な経済要素のひとつなわけで、「ヒッピー文化とアメリカという舞台」(=ラヴィン・スプーンフル)を加味することで、このCMはなかなか含蓄の深いものになってる。


■関連リンク:大和證券CM情報 ジョン・セバスチャン公式サイト
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