サザンオールスターズ「女呼んでブギ」 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

サザンオールスターズ「女呼んでブギ」


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 サザンオールスターズの超名曲、「女呼んでブギ」のコード進行を研究してみよう。キーはDメジャー。


 作詞:桑田佳祐

 作曲:桑田佳祐

【I】

|4/4 D7 |D7 |E7 |E7|
|GM7 |GM7 |D7 |A7|


 イントロ。コード進行的には、

 Ⅰ7-Ⅱ7-ⅣM7-Ⅰ7-Ⅴ7

トニック(Ⅰ7)とサブドミナント(ⅣM7、Ⅱ7)だけの進行だが、Ⅱ7は省略されたⅤ7のドッペルドミナントでメジャー化(参照 )している。ロックに多いパターンなので覚えておこう。


 曲名どおり、リズムは4/4拍子のブギ。1拍が3連符で、「ズッチャ、ズッチャ、ズッチャ、ズッチャ」と跳ねながら(シャッフルしながら)進む。


【A】

*** ***。

***

***
|D |D-B7 |E7-A7 |D-B7|
***。
|E7-A7 |D|


 Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱ7-Ⅴ7

の繰り返し。 全てドッペルドミナントとしてメジャー化された循環コードだ。それにしても「こんなんありか?」という強烈な歌詞。



【B】

*** *** *** ***
|D7 |D7 |E7 |E7|
*** *** *** ***。
|GM7 |F#m7 |B7 |B7|
*** *** *** ***、
|E7 |A7 |F#dim/C-F#dim |B7|
***, *** *** ***
|E7-D7/F#-GM7 |GM7-G#dim |A7 |A7|


 イントロ【I】のコード進行を踏襲したパターンが1~5小節。その後、5~10小節は、

 ⅣM7-Ⅲm7-Ⅵ7-Ⅱ7-Ⅴ7

と、短二度下降の後、完全四度上昇進行を繰り返す王道パターン(参照 )。10~12小節

 Ⅴ7-Ⅲdim-Ⅵ7

だが、Ⅲdim=Ⅴdim(構成音が同じ)なので、Ⅴ7から補助コードⅤdimに進みつつ、Ⅴdim=Ⅲdimから完全四度上昇してⅥ7に至るという滑らかな進行。補助コードとは、特定のコードに付属し、果たすコード進行に関係しないアクセント的役割のもののこと。同一ルートのディミニッシュはそういうものである。Ⅵ7から完全四度上昇して13~16小節は、

 Ⅱ7-Ⅰ7-ⅣM7-#Ⅳdim-Ⅴ7


***


の歌詞で【B】を繰り返す。


【C-1】

*** *** *** ***
|D |F#m7/C# |Em7-F#7 |Bm7|
*** *** ******* *******
|E7 |E7 |A7 |A7|


 Ⅰ-Ⅲm7-Ⅱm7-Ⅲ7-Ⅵm7-Ⅱ7-Ⅴ7

ドッペルドミナントとしてメジャー化していたものを部分的にマイナーに戻して、ちょっと寂しげな表情をつけている。


【C-2】

*** *** *** ***
|D |F#m7/C# |Em7-F#7 |Bm7|
*** *** *** ***
|E7 |E7 |A7 |A7|
|D7 |A7|


 【C】の繰り返し、最後Ⅰ7で解決し、Ⅴ7を経て、【I】をギターソロ、【B】×2→【C】×2→【A】×2(原ボーの「もういっちょ」が笑える)、その後Dのブルースを2回繰り返して終了。


 「女性蔑視」ということで放送禁止になったこともある(もしかして現在も?)らしいが、ラジオで聴いたこともある気がする。「女呼んでブギ 女性蔑視」「女呼んでブギ 女性差別」でググってみると、色んな話が聞けるのだが、「女呼んでもんで抱いていい気持ち」である男性をバカにしている曲とも取れる。何はともあれ、多義性を含んだ名曲だ。


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