サザンオールスターズ「女呼んでブギ」
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作曲:桑田佳祐
Ⅰ7-Ⅱ7-ⅣM7-Ⅰ7-Ⅴ7 トニック(Ⅰ7)とサブドミナント(ⅣM7、Ⅱ7)だけの進行だが、Ⅱ7は省略されたⅤ7のドッペルドミナントでメジャー化(参照 )している。ロックに多いパターンなので覚えておこう。 曲名どおり、リズムは4/4拍子のブギ。1拍が3連符で、「ズッチャ、ズッチャ、ズッチャ、ズッチャ」と跳ねながら(シャッフルしながら)進む。
の繰り返し。 全てドッペルドミナントとしてメジャー化された循環コードだ。それにしても「こんなんありか?」という強烈な歌詞。
ⅣM7-Ⅲm7-Ⅵ7-Ⅱ7-Ⅴ7 と、短二度下降の後、完全四度上昇進行を繰り返す王道パターン(参照 )。10~12小節 Ⅴ7-Ⅲdim-Ⅵ7 だが、Ⅲdim=Ⅴdim(構成音が同じ)なので、Ⅴ7から補助コードⅤdimに進みつつ、Ⅴdim=Ⅲdimから完全四度上昇してⅥ7に至るという滑らかな進行。補助コードとは、特定のコードに付属し、果たすコード進行に関係しないアクセント的役割のもののこと。同一ルートのディミニッシュはそういうものである。Ⅵ7から完全四度上昇して13~16小節は、 Ⅱ7-Ⅰ7-ⅣM7-#Ⅳdim-Ⅴ7 ***
の歌詞で【B】を繰り返す。
Ⅰ-Ⅲm7-Ⅱm7-Ⅲ7-Ⅵm7-Ⅱ7-Ⅴ7 ドッペルドミナントとしてメジャー化していたものを部分的にマイナーに戻して、ちょっと寂しげな表情をつけている。
「女性蔑視」ということで放送禁止になったこともある(もしかして現在も?)らしいが、ラジオで聴いたこともある気がする。「女呼んでブギ 女性蔑視」「女呼んでブギ 女性差別」でググってみると、色んな話が聞けるのだが、「女呼んでもんで抱いていい気持ち」である男性をバカにしている曲とも取れる。何はともあれ、多義性を含んだ名曲だ。 |