明石家さんま+ビートたけし「アミダばばあの唄」
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【このコンテンツは批評目的による桑田圭祐氏の音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者の権利、音楽の美学を侵害した場合いかなる修正・削除要請にも応じます】 オレたちひょうきん族で御馴染み(1980年代)、桑田圭祐作曲、明石家さんま&ビートたけしがデュエットする超名曲「アミダばばあの唄」を弾き語ろう。キーはEマイナー。4/4拍子。シャッフルの4ビートで、ジャズっぽい、ジャジーだ、などというよりジャズそのものの楽曲。桑田氏の卓越した才能を示している。あって当然ですが(笑)。 【I】
Ⅰm-Ⅳ7-♭Ⅵ-Ⅳ7 の繰り返し。マイナー曲で御馴染みのパターンだが、黄桜酒造「かっぱの歌」 のマイナー版循環コード進行「Ⅰm-♭Ⅶ-♭Ⅵ-Ⅴ7」の♭Ⅶ(サブドミナントマイナー)がⅣ7(サブドミナント)に変わったものと解釈して問題ないと思う。とにかくこのコード進行がこの曲の骨格になる。
Ⅰm7-♭Ⅲの短3度上昇進行は、♭ⅢdimがⅥ7b9の裏コードだから、Ⅰm7-Ⅵ7に同じ(参照 )。この曲で肝となる進行のもうひとつ、 Ⅵm-♭Ⅲ-Ⅱ7-Ⅴ7 仮に「アミダばばあ進行」と命名しておこう。サブドミナント同士(Ⅳm-Ⅱ7)のあいだに経過音としての♭Ⅲを挿入したもの。Ⅳm-♭Ⅲの短7度上昇は、基本的に「サブドミナント→トニック」から発祥し、この曲ではこの後、何度も登場する。♭Ⅲ→Ⅱ7は、短2度下降(参照 )。その後はツーファイヴ(参照 )。7~8小節では、♭Ⅲを省略している。この後【I】を繰り返し、【A-2】へ進む。
1~2小節は、 完全四度上昇を2回行って、長6度上昇。キーをGメジャーと考えると、 Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ-Ⅵm7 定番、循環コード(参照 )。その後Ⅰm7をⅠ7とドッペルドミナント化しつつ3回繰り返したのち、7~8小節目で Ⅳm7-♭Ⅲ-Ⅱ7-Ⅰm アミダババア進行のⅤ7省略形。トニックに戻ってから、9~10小節、ドミナントⅤ7状態に、短二度上昇のフラメンコパターン(参照 )が入る。 【C-1】
Ⅰm-Ⅴm7-Ⅰm-♭Ⅲ を繰り返したのち、循環コード(Ⅳm7-♭Ⅶ711-♭Ⅲ-Ⅰm7)を経て、Ⅳ7→Ⅴ7。「男と女のあいだのばばあ」という歌詞が、男と女の性差を超越した天然ジェンダーフリーな存在としての一般的「ばばあ」を描写しているようで深く、物悲しい。ヒトは「ばばあ」「おっさん」になればなるほど、顕著な性差を失っていくものなのだ(by ぬかるみの世界)。
私は中年だ。中年になってから歌の意味がシミジミわかる曲がある。この曲もその一つ。 「情けない痛みに耐えかねて」 「あたいなんかにゃ、見向く素振もありゃしない」 歳とって初めて、実感する言葉だ。名曲。
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