とっとと本気出せよ太平洋高気圧TaKaYaMaですこんにちは。

お天気仕事なものですから、天気はとっても気になるのです。
今年は例年に比べて太平洋高気圧の勢力が若干弱い為、日本海側から寒気が流入し、強い日射の影響ともあいまって積乱雲が発生→発達しつつ移動→急な土砂降り→1時間後の空模様も分からない気象庁の皆様という状況になってるみたいです。
30分毎に降水予測が切り替わるとかもうね…

さて、前回の記事 の続きでございます。
「オヤツを使っちゃダメかな?」 と題し、「オヤツ使用の是非」について、色々と書きました。
長々と書いてましたが、結論としてはこう。

「オヤツを使おうが使うまいが、コマンドだけで従おうが従うまいが、
 犬にとってそれらは『ただのきっかけ』『ただの刺激』に過ぎないわけで、
 そんな『ただのきっかけ』にこだわるのは、とってもナンセンスだと思います!」

さてさて今回は、「オヤツに関して新しい視点」を、あなたにお伝えしようかなと。

まずは、イメージしてみて下さい。

あなたは、1頭の犬を飼っています。
そしてあなたは、その犬を連れて、ドッグランとかドッグカフェとかに、とっても行きたいと思っています。
ですが、あなたの犬は、そういった場所では落ち着きがなくなり、周りの人に迷惑をかけてしまうかもしれません。
特に、周りに犬が居るともうダメです。
お家の中では、オスワリも、フセも、マテも出来るのに、周りに犬が居ると全く指示に従いません。

ある日のこと、犬友達から「一緒にランに行かないか?」と誘われました。
断ろうかとも思ったあなたですが、やっぱり一度は行ってみたい。
どうしてもコントロール出来なかったら、リードを付けて持っていればいいやと考え、あなたは行くことにしました。
ランについたところ、やっぱり犬は大興奮。
全く言うことを聞いてくれません。

しかし、犬友達が自分の犬にオヤツを与え始めたところ、あなたの犬もその友達の前で、きちんとオスワリをして目を輝かせながら待っているではありませんか。

「オヤツ、あげてもいい?」あなたは聞かれます。
「いいよ」あなたは答えました。
するとどうでしょう、それからというもの、あなたの犬は友達の側にくっついて離れようとしません。

そして、あなたは友達に言われました。

「ちゃんと大人しく出来るじゃない」


もう、お分かりでしょうか?

前回「オヤツも、コマンドも、結局は同じ『ただのきっかけ』『ただの刺激』でしかない」と書きました。
言い換えれば、「オスワリをさせるという『目的』を果たす為の、『手段』でしかない」ということです。

目的:オスワリをさせる
手段:オヤツを使う オスワリと言う リードを短く持つ お尻を押さえる 等

ここであなたに考えて頂きたいのは、2つあります。

1つ目は、「手段に振り回されていないか?」ということ。

もう一度、あなたの「目的」を思い出して下さい。
あなたの目的は、「大人しくしていてもらいたい」というものでは無かったでしょうか?
その姿勢が、オスワリなのか、フセなのか、ヤスメなのかは分かりません。
でも、元々の目的は「とりあえず、大人しくしていてくれたら」というものだったと思うんです。

もしも仮に、あなたが訓練競技会や、何らかの試験を受ける為に「犬を訓練している人」であれば、話は別です。
色々な規定がありますから、それに従わなくてはいけません。
ですがあなたが、そういった競技会や試験に興味が無く、ただ「犬をしつけている人」なのであれば、何の規定もありません。
あるとすれば、「公共の場で、他人に迷惑をかけない犬にする」というぐらいのものです。

目的はあくまで「大人しい犬」であって、「オヤツがなくても、従う犬」ではなかったと思うんです。
(競技会とかに出るって人は別ですからね念の為繰り返し)

「オヤツを使ってしつけた犬は、オヤツが無いと言うことを聞かない。これでは、犬をしつけたことにならない」という意見を見たり聞いたりしますけれども、これは違うと思うんですよ。
「大人しく出来る」っていう結果が出せるんだったら、別に何を使おうが飼い主の勝手じゃないですか。
いやそりゃね、人道的に問題のある方法はどうかと思いますよ。
不必要に犬を傷つけるとかね。
でも、オヤツを使うぐらい、別にどうってことは無いじゃないですか。

同時に、こういう意見もあります。
「いちいちオヤツを出すのが面倒だ」
これはこれで、アリだと思います。
これも、「飼い主の勝手」です。
そういう人は是非、「オヤツを使わなくても、大人しく出来る犬」を、目指して下さい。

別に突き放してるわけじゃないので、誤解しないで下さいね?
最初に言ったように「手段に振り回されていないか?」ってことを、考えて欲しいんです。
「手段と目的が、あべこべになってませんか?」ってことを、聞いてるんです。

出来ることが増える。
行ける場所が増える。
選択肢が増える。

すなわち、あなたとあなたの犬の世界が広がる。

これが、犬をしつける目的です。
その目的が達成出来るんなら、手段は別にどうだっていいと思いませんか?
あなたがどこかに出掛ける時に、「車は絶対使わない!徒歩だ!徒歩しかない!」なんて思わないでしょう?
いや、そういうポリシーのある方は別ですけれども。

手段に振り回されている方が、多いと思うんです。


そして、あなたに考えて欲しいこと2つ目。

それは、「周囲の価値観に振り回されていないか?」というもの。

あなたは、「オヤツを使ってしつけるのは良くない」と、思いますか?
もしそう思うのなら、それは何故ですか?

犬に賄賂を渡して、言うことを聞いてもらってる気がするから?
何となく、オヤツに負けた気がするから?
しつけの本にもそう書いてあって、ネットにもそう書いてあって、トレーナーや訓練士さんもそう言ってたから?

あなたの意見は、どこにありますか?

でもね、これは実はしょうがないんです。
言い方は悪いですが、「普通の飼い主さん」は、ただの素人さんです。
ただの素人さんに、そこまでの責任を押し付けるつもりはありません。
専門家やプロが「オヤツを使うのは良くない」って言ってたら、「ああ、そうなんだ」って思いますもの。
そりゃ当然です。
だから責任は全て、僕を含めたプロにあります。

なので、「新たな視点」をあなたにお伝えしつつ、あなたの価値観、あなたの意見で判断して欲しいんです。

あなたの犬は、あなたの犬です。
あなたが育てたいように、育てればいいんです。

周りの意見や価値観は、この際どうだっていいんです。
やりたいようにやっちゃって下さい。

オヤツを使いたくないなら、使わなくてもいいです。
でも、使った方が楽になるんなら、使っちゃえばいいんです。


僕自身は、オヤツをしつけに使うこと自体は、賛成でも反対でもありません。
実際、僕のお客様の中には、一切オヤツを使わずしつけを続けている人も居ますし、使っている人も居ます。
あるいは、最初のうちは使っていて、途中からは使わないようにしている人も居ます。
そして、その逆も居ます。

その理由は、何度も書いた通り「オヤツも、コマンドも、あるいはリードのショックだって、犬にとっては『ただのきっかけ』に過ぎない」からです。
あなたと、あなたの犬の世界を広げることが、僕の仕事だと思っています。
その為なら、手段なんか選んでられません。

「バリアフリー」って、今じゃごくごく当たり前の言葉になっていますよね?
目の不自由な方の為の点字タイルや音声案内。
耳の不自由な方の為の字幕放送。
足腰が不自由な方の為のスロープや、エスカレーターエレベーター。
お年寄りや、お身体の不自由な方の為の優先座席。

どれもこれも、全ては「何らかの障害を持つ方の世界を広げる為の手段」です。
目的は、「全ての人が、等しく社会に進出出来る世の中」です。
それが、バリアフリー。

飼い主であるあなた自身にも、この「バリアフリー」の視点を持って欲しいんです。



あなたは、オヤツを使っちゃダメだと思いますか?

それは、何故ですか?

あなたの目的は、何ですか?



さてさて次回は、もう一つの新たな視点。

キーワードは、「さあ、願いごとを言え。どんな願いも一つだけ叶えてやろう」です。


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