アベノミクス(死語)ってなんだったっけ? | くらえもんの気ままに独り言

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アベノミクスとはいったい何なのか???

 いよいよ解散総選挙が始まりましたね。


今回の解散は「アベノミクス解散」、消費増税判断も争点=安倍首相

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0TB3JH20141121


 どうやら、今回の解散は安倍総理自身は「アベノミクス解散」と呼んでいるらしいですね。


 そもそもアベノミクスって何でしょうか?

 簡単に言うと「安倍政権の経済政策」のことです。


 「3本の矢」なるものが盛んに叫ばれておりましたが、この3本の矢がアベノミクスの大きなテーマになっておりました。ちなみにこの3本の矢は具体的には以下の内容になっております。


1.大胆な金融緩和

2.機動的な財政出動

3.民間投資を喚起する成長戦略


 では、これらが実際にどのように行われ、あるいはこれから行われようとしていて、それがどのような結果をもたらしたのか、あるいはこれからもたらすのかについて見ていきたい思います。


1.大胆な金融緩和

 金融緩和っていうのは日銀が政策金利を下げたり、通貨を発行したりしてお金を借りやすくすることで景気を刺激することです。


 と言いましてもずっとゼロ金利政策がとられてきていたので金利はこれ以上下げようがありません。そこで、日銀は通貨をガンガン発行していったというわけですね。


 で、日銀が通貨をガンガン発行して市中の銀行にお金を積み上げれば、きっとみんなお金を借りてくれて投資が増えて景気がよくなるぞ・・・って安倍政権は考えたわけですね。


 この考え方を支持する方々がリフレ派と呼ばれる方々なんですが、彼らの言い分によれば日銀が通貨をガンガン発行するとなぜかインフレになるので、実質的な金利が下がり借金するのがお得になるから、みんな借金を増やすのだと・・・。


 安倍政権が発足して以降、年間の物価上昇率が+2~3%となっていますが、これって円安や消費税増税etc.の影響なんですよねぇ・・・( ̄ー ̄;


 実は安倍政権発足前から銀行には大量のお金が余っていて、あまり借りられておりませんでした。なぜなら、長引くデフレ不況のため儲け話(投資先)がないからです。あなたは銀行に現金が積み上がっていくのを見て、「あ、借りたいなぁ」って思いますか?借りる理由がなければ、たとえお得だろうが借りません。


 しかし、そんな当たり前のことも分からず盲目的に通貨を発行し続けているのが安倍政権&日銀というわけです。

 

 ちなみに金融緩和によって期待されていた個人消費の拡大や円安による輸出拡大は現在のところ政府のGDP統計上は現れておりません。むしろ輸入額が増加し貿易赤字が拡大してしまっている現状です。


 リフレ派の信奉者は金融緩和の効果を絶対視しており、景気が良くなれば金融緩和の効果、景気が良くならなければタイムラグと使い分けしているようです。(通称リフレカルト)


 リフレカルトフルボッコシリーズについてはコチラ↓


政治経済初心者必見!!

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11932947967.html  


 効果がほとんどないにもかかわらず通貨発行をガンガン続けた結果、市中の銀行にどれだけお金が積まれたかというのを計算したのが上記リンク内の


ブタ積みは1京円突破 

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11879096540.html


 というエントリーなのですが、現在どうなっているかというのを再計算してみますとブタ積みはなんと


 1京4608兆6791億円!!!!!!!!(H26年9月時点推計)


 なんというか・・・


 アホかヽ(`Д´)ノ


 そう言えば追加緩和とかもこの後やってたので現時点では1京7000兆円くらいになっていそうですね(;^_^A


 ちなみにこんだけ通貨を発行して何も問題はないのでしょうか?あるに決まっています。


 一つはこれだけ銀行にお金があれば、みんながいくらお金を借りてもなかなか金利は上がりません。このことは借金による投機を醸成しやすいことを意味しますので、バブル発生の危険が高まります。


 二つ目は出口戦略を考えなければならなくなったという点です。もし、何かのきっかけで借金・投資が盛んになると、過剰な金融緩和でなく適切な規模の金融緩和をしていれば金利が上昇して、バブルの拡大やインフレの亢進を防ぐことができるのですが、過剰な金融緩和下では金融の引き締めを行わない限りバブルの拡大やインフレの亢進を防ぐことは困難です。でも、そんな環境下で金融引き締めなんぞ行おうとするならば、かなりの確率で経済は大クラッシュを起こしてしまうでしょう。


(参考)量的緩和の出口戦略について

https://www.facebook.com/Prof.Satoshi.FUJII/posts/479622158805399  


 というわけでアベノミクス1本目の矢である「大胆な金融緩和」は思想そのものが間違っており、今のところは大した経済効果もなく、さらには潜在的な爆弾と化しているといったところでしょうか。


アベノミクス 第1の矢

大胆な過剰な金融緩和」 ×

くらえもノミクス 第1の矢

「適切な金融緩和」 


2.機動的な財政出動

財政出動とは政府がお金を使うことですが、機動的とはどういう意味でしょうか?

 一つはお金をちんたら使うのではなくさっさと使うって意味。あるいはお金をさっと使ってさっと引っ込めるという意味である可能性もあります。


 ちなみに日本政府は日本円を発行できるので国の借金など問題ありません。デフレ不況時には景気を刺激するために政府はいくらでもお金を使っても構いませんし、お金を使う量こそが大事なのです。


(参考)財政健全化などクソくらえだ

基礎編http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929713823.html

応用編http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929714957.html

実践編http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929717034.html


 安倍政権発足当初、政府は10兆円の補正予算を決めて、それを使いました。昨年は景気がどんどんよくなるような感じの報道が盛んでしたが、GDP統計を見てみると住宅投資や公共投資による経済成長がほとんどを占めておりましたので、この財政出動の効果がテキメンに表れていたと言えそうです。(リフレカルトに言わせると、これは金融緩和の効果らしいですが(苦笑))


 しかし、まともな財政出動はそこまででした。


 政府は昨年の夏には財政健全化の方針を打ち出し、2015年までに基礎的財政収支の赤字を半減、2020年までに黒字化するということを閣議決定してしまいました。


 さらには、公共投資も削減し、消費税増税も実行。


 結果は、東日本大震災をも上回る統計史上最大の景気の落ち込みが日本列島を直撃し、現在進行形でダメージが続いているのです。


 しかも、政府は財政健全化の方針をなおも続けると宣言し、さらには2017年の消費税再増税の確約までしようとしています。


 なんというか・・・


 ドアホかヽ(`Д´)ノ


 どうやら機動的な財政出動とは、さっとお金を出してさっと引っ込めるという意味だったようですね。一番最初の補正10兆円を決めた時点で第2の矢は打ち終わった的なことを総理自ら言ってましたしね。


 というか、安倍総理は金融緩和でデフレ脱却できるし、財政健全化とデフレ脱却は両立できると考えていたようですが、そんなことは不可能です。まぁ、そもそも、財政健全化など目指す必要はないわけですが・・・。


 さらに言えば、日本は災害大国であるにもかかわらずインフラの整備や震災対策が大幅に遅れており、他にも医療・福祉・研究・技術開発・教育・防衛etc.で政府がお金をたくさん使わなければいけない事項が山のようにあるので、ケチケチせずに政府はお金をガンガン使うべきです。


(参考)『国土と日本人』 

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11836213962.html


 というわけで、アベノミクス2本目の矢である「機動的な財政出動」もトンチンカンな発想なうえ、しかも財政出動どころか財政健全化などというトチ狂ったことをやっているようです。


 それから財政出動の額が足りないという意味でアベノミクスの第2の矢が足りなかったと評する声もございますが、「第2の矢が足りない=機動性が足りない」ということになりますし、政府はもともと政府支出の拡大をする気はなかったようなので、そもそもの第2の矢の思想がおかしかったと考えた方がよさそうです。


アベノミクス 第2の矢

「機動的な財政出動緊縮財政」 ×

くらえもノミクス 第2の矢

「大胆な財政出動&国土強靭化」 


3.民間投資を喚起する成長戦略

 さて、これだけでは具体的に何をしたいのかよく分かりません。


 というわけで政府のHPを見てみましょう。


「成長戦略」の基本的な考え方

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seichosenryaku/kihon.html


 どうやら成長戦略とは規制緩和やグローバル化のことを指すようですね。


 それをやるとなぜ成長するのかについては説明がありませんが・・・。


 具体的な内容はこんな感じです。


・法人税減税(原資は消費税増税)

・各種規制緩和(競争を激化させてコストダウン)

・ベンチャー支援(職がないなら起業しろ)

・英語での各種手続き(外国人様は神様です)

・外国人による家事支援サービス(移民バンザイ、主婦は働け)

・民間業者による公立学校etc.運営(公的サービスは不要、民間のビジネスにしちゃえ)

・混合診療(金持ちのみに高度医療を施します。保険のきく医療行為は削減しよう。)

・イノベーション(意味不明)

・女性の登用強化(女性は働け)

・留学の推進(外国でビジネススキルを学べ)

・外国人が住みやすい国に(日本人には住みにくく)

・移民推進(日本は中国人にあげちゃおうかな)

・成果主義導入(結果が出せない奴は死ね)

・非正規の雇用をしやすく(安く働け)

・電力自由化(金儲けだウヒヒ。あ、停電だらけ)

・クスリのネット販売(楽天ヤッホー)

・外国人観光客の受け入れ拡大(外国人様は消費税免除です。その分日本人から取ります)

・TPP(関税撤廃)

・インフラ輸出(でも、日本のインフラはボロボロ)

・クールジャパン(意味不明)


 こ、これはひどすぎる・・・。


 経済成長にほとんど効果のないものから、日本国民の生活に不便を強いるもの、それから、労働者の賃金をできるだけ低く抑えようとするもの、特定の企業にのみ恩恵を与えるものがほとんどのようですね。


 しかも、今後はこれをさらに推進させていくと・・・。


 ドドドドアホウかヽ(`Д´)ノ


 経済成長させようと思うならば、国民の賃金が増加するような政策をうたなければならないのに、賃金をなるべく低く低く抑えて国際競争力を高めようというのが安倍政権の魂胆だったようですね、これでは、たとえ適切な金融緩和や大胆な財政出動が行われたとしても景気回復は困難です。


 そういえば他にも年功序列の廃止や解雇規制の緩和、残業代ゼロetc.なんかの話も出ていましたね。政府支出の中でも給付金などの効果は薄くて、公共投資などの雇用創出が効果が高いのは将来の所得の見通しが違うからです。将来にわたって半永久的に所得を得ることができ、かつ増え続けていくケースと、いつ失業して所得がゼロになるか分からない、あるいは所得が減っていく、あるいは給付金で一度きりの収入があったというケースがあるとしましょう。同じ金額をもらったとして、思い切りそのお金を使えるのはどちらか一目瞭然ですよね。


 日本においても格差拡大が問題となっている昨今。このような狂った政治経済思想が日本国民の貧困化にかなり貢献しているのではないでしょうか。


 しかも、過剰なグローバル化の推進は日本固有の文化や伝統の破壊につながり、国力がおおいに棄損されてしまいます。


 でも、総理自ら国境や国籍にこだわる時代は過ぎたとか、日本をドリルで破壊しますとか言ってたので、日本国民の生活なんてアウトオブ眼中なんでしょうね、きっと。 


 というわけで、アベノミクス3本目の矢の「民間投資を喚起する成長戦略」の内容はよく見てみると日本国民を安くこきつかって国際競争力を上げようとか、外国人様に媚びていいカッコしようというための政策がほとんどだったようですね。


アベノミクス 第3の矢

民間投資を喚起する日本国民の賃金を切り下げる非成長戦略」  ×

くらえもノミクス 第3の矢

「自国の雇用と産業を保護し、内需を刺激する成長戦略」 


 というわけで、以上アベノミクスのまとめでした。


 一部では「アベノミクスは間違っていない。アベノミクスの実行が足りなかったのだ!」と評する声もありますが、3本の矢はもともとから思想がバラバラなものでしたので、やはりアベノミクスそのものが間違っていたと考えた方がよさそうです。経済政策としてはやはり大規模な財政出動(機動的な財政出動(第2の矢)ではありません)&国土強靭化を思想のベースとして、それをサポートする適切な金融政策なり雇用政策を展開すべきだったでしょう。


 というより


・政府支出の大幅な拡大(財源は国債)

・ネオリベグローバル路線からの脱却

・国土強靭化

(真・くらえもノミクス)


 この3つはどれが欠けても経済成長は不可能ですし、統一された思想に基づいております。こういうのを本当の意味で「3本の矢」と言うのです。


 カツトシ氏のブログで連日、安倍政権の失政や経済理論のおかしさを追求されてますので、そちらもご覧になってみて下さい。


超個人的美学

http://achichiachi.seesaa.net/


 ここで紹介されていたのがアベノミクス2年間の成果ですが、こんな感じになっていたようです。


https://twitter.com/KATSUNAMA/status/536735930980134912

2012年7~9月→2014年7~9月

正規雇用の労働者数 22万人

非正規雇用の労働者数 123万人

非正規雇用の割合 1.6ポイント

実質雇用者報酬 4320億円

実質個人消費 2兆1186億円

年収200万円以下のワープア 29万9千人

貯蓄なし世帯の割合 4.4ポイント

資本金10億円以上の企業の経常利益 4兆696億円

100万ドル以上の富を持つ富裕層 9万1千人


 金持ちがより金持ちになっている一方、貧困層は拡大していっているようですね。そして民主党政権時と比較しても経済はより悪化していたようです。


 こんなポンコツ経済政策をやっておいて実際に景気を悪化させておいて、今後もこの方針をより強化していきますというのが「アベノミクス解散」で、自民党のスローガンが「景気回復、この道しかない」というわけですね。


 「この道」は20年以上通ってきて間違いだったと既に分かっている道なんですがね・・・。


 ア・ホ・カ\(*`∧´)/


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政治経済初心者必見!!

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11932947967.html


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