『分析心理学』・Lecture3 | くらえもんの気ままに独り言

くらえもんの気ままに独り言

政治、経済、ドラえもん、吹奏楽、書評、メタボ対策などなど多彩なテーマでお送りしております。

 先週に引き続き、今週もカール・グスタフ・ユング氏の『分析心理学』を取り上げていきたいと思います。


前回までの内容はコチラ

『分析心理学』

Lecture1 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11944828373.html

Lecture2 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11944889018.html


 それでは第3回目の講義のはじまりです(^-^)/


 前回、無意識の世界へのアクセス方法として言語連想検査について紹介しましたが、この検査において答えにつまった刺激語はいわゆるその人のコンプレックスに関わる言葉なんですね。


 このコンプレックスというものは心拍や呼吸、血圧、胃腸の動き、皮膚の感覚などにも影響を与えますし、その人の言いたいことややりたいことを妨害してきます。


 言うなれば、自分の中の小さい悪魔が自分の意思とは無関係に好き放題に暴れ回っているような感なんでしょうかね。この小悪魔は一匹とは限りませんし、自分の意志の力でコントロールすることはできません。あるときには自分の意識を乗っ取り表へ出てくることもあったり・・・。


 コンプレックス恐るべしです(;^_^A。


 さて、この後も言語連想検査についての詳しい解説が続きます。


 連想パターンが似通った母と娘の(精神的感染が著しい)例であったり、父と娘の連想パターンが似通っている例(年齢も性別も違うのに本来は同じパターンには成り得ない)だったり、妻と夫の連想パターンが似通っていた例(調和しすぎていてかえって反発を招いた例)などが紹介されました。


 連想パターンが同じになるってことは、問題がある、またはこれから問題を起こすということを示唆しているのかもしれませんね。コワイコワイ。


 それでは無意識の世界へのアクセス方法の2つ目、夢分析の話に移っていきます。


 、それは無意識の世界での体験とも言えるかもしれません。


 実は人は24時間夢を見ているのですが、起きている間は意識が強いので気づいていないだけなのだとΣ(゚д゚;)マジデ?


 どんなを見たかで、無意識の世界を知り、その人が抱える問題を明らかにしようという訳なんですね。ちなみに夢を一つだけ提示されても分析は難しく(いろんな解釈が可能なので)、何十にもおよぶ夢のデータを集めることでその人の無意識の世界が見えてくるようです。


 というわけで、夢分析の例を本書より一つ提示します。原因不明の高山病様症状を示す小学校の校長先生がユング氏を訪ねたようですが、その夢より彼が意識ではさらなる出世を目指そうとしているのに、無意識が「そいつぁ、限界だ。やめておけ。」となんとか食い止めようとしているのだということを見抜いたのです。


 すごいですねぇ。自分は日ごろどんな夢を見ているか全然覚えていないですが、起きた直後にメモを取ってためたりしたら、自分の無意識の世界のことが分かるようになるんですかね?(夢分析には経験が必要なようですが(;^_^A)


 どうやら夢の内容の解読はまった知らない言語の解読と似たようなことらしいです。考古学者チックなセンスも必要になるということかorz


 夢は間違いなく無意識の世界を映しだしていると推測されるというのに、それが何を表しているのかを理解するには読み手の高度なスキルが要求されそうです・・・。


 ある夢を見たときに、それがその人にとって何を意味するかは人それぞれで、たとえば、「水」の夢を見たとして「水」がその人にとってどういう意味合いを持つのかはその人によるというわけです。なので、夢の内容だけでなく、その人の心理的背景も夢の内容を解読するためには必要な情報だということです。


 夢は支離滅裂でメチャクチャで意味のあるものではないのではないか?という疑問ももちろんあるでしょうが、自分たちが夢を理解する能力をもっていないという可能性を考慮に入れると、上記の疑問は完全に正しいとは言えなさそうです。夢が無意味なものであると断定するのはよくなさそうですね。


 さて、先ほどの小学校の校長先生の話ですが、彼の夢には続きがありました。彼の夢には母親のような農婦が登場したとのことなのですが、男性が見る夢の中に登場する女性はアニマと呼ばれることがしばしばあり、それは彼の劣等機能(不得意な機能)を人格化したもので、彼を普遍的無意識と結ぶのです。(女性が見る夢の男性の姿をしたものはアニムスと呼ばれます。)


 つまり、彼の夢に登場した農婦は彼の劣等機能(このケースでは感情機能)が人格化したものだったのです。男性が持つ女性の要素がアニマ、女性が持つ男性の要素がアニムスであると言うと分かりやすいかもですね。このアニマ・アニムスについての分析も問題を把握するうえでは重要となってくるようです。


 さらに、その後、彼の夢にはカニトカゲなる怪物が登場します。


 これについては膨大な数の神話や伝承を研究したユング氏だからこそ分かる話なのですが、このカニトカゲは普遍的無意識という人類共通の無意識に属するキャラクターのようです。ちなみにカニとかトカゲとかヘビとかのイメージは実際に体のある組織に障害を与えたりすることが多いようです。ヘビなら脳髄、カニなら交感神経系みたいに対応しているらしいです。


 とまぁ、ユング氏は分析結果より、彼に「あなたの身体があなたに無理をするなと警告しているのだ」と教えるのですが、彼はそれを聞かずに出世を目指そうとしたのです。しかし、その3カ月後には失職して落ちぶれてしまったのでしたとさ。チャンチャン。


 夢のお告げってすごいですね(;^_^A。自分には理解できなさそうですが・・・。


 講義はここで終了ですが、その後の質疑応答のユング氏のある言葉が印象的でした。


「たとえ善意からにせよ、人を欺くべきではないのです。(P149)」


 よかれと思って嘘をついたとしても、結果的にその人にとってよくない影響を与えてしまうということはよくあります。誤った手段で救われて永遠の苦しみを心の奥深いところで背負い続けなくてはならなくなることより、破滅してしまった方が本人にとってよいということもあるということです。


 あと、意識の四つの機能(感覚・思考・感情・直感)を等しく発達させることは可能かとの問いに対し、ユング氏はそれは不可能だしすべきではないと答えます。


 劣等機能は無意識の世界とのアクセスに必要ですし、言い換えると人類とのアクセスに必要と言うことです。すべての機能が完全であると、人類を必要としない独立した状態=神の領域=無関心ということと同様で、人生虚しくなってしまいます( ̄∀ ̄)


 要は「完璧を目指すな、自分なりに善く生きろ!!」ってことですね。


 その人、その人にできることできないことってありますからね。完璧を自分に対しても他人に対しても要求すべきではないのかもしれませんね。客観的に見るとその人がベストを尽くしていないように見えても実はそれがその人にとってのベストパフォーマンスなのかもしれませんし(^ε^)♪。


 その他にも白熱した議論が展開されていましたが、今日はここまで。


夢が何を語っているか知りたいなと思った方はクリックお願いします。(私も知りたいものです。)


人気ブログランキングへ


P.S.

リニューアルした進撃の庶民でも引き続き火曜日に『もう一つの進撃の庶民』を連載中です。


http://ameblo.jp/shingekinosyomin/

(他の曜日も漫画「アイドル新党なでしこ」の配信などキラーコンテンツ満載です。応援よろしくお願いします。) 


P.P.S.

政治や経済についてよく分からない、もっと知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。

政治経済初心者必見!!

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11932947967.html


くらえもんが今まで解説した本について知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。

くらえもんの気ままに読書まとめ

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11944673248.html



くらえもんが至高のギャグマンガ「ドラえもん」を独自の視点でおもしろおかしく解説!興味のある方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。