2007年。アメリカ/フランス/日本。"BROKEN ENGLISH".
ゾエ・カサヴェテス監督・脚本。
パーカー・ポージー、メルヴィル・プポー、その他出演。
カサヴェテス・ファミリーの最終兵器、ゾエ・カサヴェテスの商業映画としてのデビュー作にあたるらしい。
評価の高いらしいインデペンデントでのデビュー作の「MEN MAKE WOMEN CRAZY THEORY」(2000年)というのは日本未公開でおそらく短編映画だと思われるので、この作品がDVD化されるときに特典映像として収録されるかも知れない。
この映画の素晴らしいところは、もしジョン・カサヴェテスの娘が父親の跡をついで映画監督になったとしたら、こういう映画であってほしい、という理想のかたちに限りなく近いような気になるほどに素晴らしい恋愛映画になっているところだった。
ニューヨーク派のジョン・カサヴェテスを連想させるようなところもあり、また娘独自の好みが反映したようなヌーベルヴァーグ、特にエリック・ロメール監督の映画を連想させるような部分もある。
だらだらとたわいもない会話のシーンが続いているように見えて、高い緊張感が保たれているのは、的確なショットが連続している効果だろうと思われた。
幼い頃から映画の脚本みたいなものを書いていたというゾエ・カサヴェテスがくだらないせりふを書いたりするはずもなく、気取っていないから平凡に見えるだけだろう。
先にデビューしている兄のニック・カサヴェテスより父親の影が濃いようなところにも好感を持った。
兄より有望かも知れない。
物語はアラフォー世代よりひと回り下のアラスリー世代の女性が主人公の恋愛ドラマで、すぐに連想したのはエリック・ロメール監督の大傑作、『緑の光線』 にそっくりな雰囲気のドラマになっているところだった。
『緑の光線』もこの『ブロークン・イングリッシュ』も周囲が次々に結婚していくなかで気持ちばかりあせるが、恋人さえできない女性のジタバタと悪戦苦闘する姿を描いた、のん気なものだな、といいたくなるような物語だったが、いまの深刻な時期にこういう映画は貴重なものにも思われた。
実際はそれほど大した映画ではないような気もしたが、『ヘルライド』と『劇場版 カンナさん大成功です!』を前の日に見たばかりなので、長時間砂漠に放置された人がやっとたどり着いたオアシスで水を口にしたときのように、よりいっそう素晴らしい映画に見えた、ということがあったかも知れない。
IMDb 公式サイト(日本)
主役のノラを演じるパーカー・ポージーは30歳くらいの設定だったが、実際は今年40歳になるので、アラフォー世代が30歳を演じていたことになるが、見た目が30歳くらいなので気にならなかった。
エリック・ロメール監督の『夏物語』に主演していたからキャスティングされたと思われるメルヴィル・プポーが恋人でフランス人のジュリアンを演じる。
この映画ではジェラルド・バトラーをスリムにしたような印象の人物だった。
カサヴェテス・ファミリーの映画には必ずといっていいほど応援の意味で参加するジーナ・ローランズ(故ジョン・カサヴェテス夫人)が登場して娘の映画監督としての門出を祝っていた。
交流のあるらしいピーター・ボグダノヴィッチ監督もチョイ役ながら俳優として出演していた。
故ジョン・カサヴェテスの親友ベン・ギャザラも出てくるのではないかと期待したが出ていなかったようだった。
ニューヨークから途中でパリに舞台が移動するのも雰囲気が変わって面白かった。
ゾエ・カサヴェテスは父親の映画で好きな作品は『オープニング・ナイト』らしい。そのうちに『オープニング・ナイト』を見直してみよう、と思った。
ゾエ・カサヴェテス監督・脚本。
パーカー・ポージー、メルヴィル・プポー、その他出演。
カサヴェテス・ファミリーの最終兵器、ゾエ・カサヴェテスの商業映画としてのデビュー作にあたるらしい。
評価の高いらしいインデペンデントでのデビュー作の「MEN MAKE WOMEN CRAZY THEORY」(2000年)というのは日本未公開でおそらく短編映画だと思われるので、この作品がDVD化されるときに特典映像として収録されるかも知れない。
この映画の素晴らしいところは、もしジョン・カサヴェテスの娘が父親の跡をついで映画監督になったとしたら、こういう映画であってほしい、という理想のかたちに限りなく近いような気になるほどに素晴らしい恋愛映画になっているところだった。
ニューヨーク派のジョン・カサヴェテスを連想させるようなところもあり、また娘独自の好みが反映したようなヌーベルヴァーグ、特にエリック・ロメール監督の映画を連想させるような部分もある。
だらだらとたわいもない会話のシーンが続いているように見えて、高い緊張感が保たれているのは、的確なショットが連続している効果だろうと思われた。
幼い頃から映画の脚本みたいなものを書いていたというゾエ・カサヴェテスがくだらないせりふを書いたりするはずもなく、気取っていないから平凡に見えるだけだろう。
先にデビューしている兄のニック・カサヴェテスより父親の影が濃いようなところにも好感を持った。
兄より有望かも知れない。
物語はアラフォー世代よりひと回り下のアラスリー世代の女性が主人公の恋愛ドラマで、すぐに連想したのはエリック・ロメール監督の大傑作、『緑の光線』 にそっくりな雰囲気のドラマになっているところだった。
『緑の光線』もこの『ブロークン・イングリッシュ』も周囲が次々に結婚していくなかで気持ちばかりあせるが、恋人さえできない女性のジタバタと悪戦苦闘する姿を描いた、のん気なものだな、といいたくなるような物語だったが、いまの深刻な時期にこういう映画は貴重なものにも思われた。
実際はそれほど大した映画ではないような気もしたが、『ヘルライド』と『劇場版 カンナさん大成功です!』を前の日に見たばかりなので、長時間砂漠に放置された人がやっとたどり着いたオアシスで水を口にしたときのように、よりいっそう素晴らしい映画に見えた、ということがあったかも知れない。
IMDb 公式サイト(日本)

主役のノラを演じるパーカー・ポージーは30歳くらいの設定だったが、実際は今年40歳になるので、アラフォー世代が30歳を演じていたことになるが、見た目が30歳くらいなので気にならなかった。
エリック・ロメール監督の『夏物語』に主演していたからキャスティングされたと思われるメルヴィル・プポーが恋人でフランス人のジュリアンを演じる。
この映画ではジェラルド・バトラーをスリムにしたような印象の人物だった。

カサヴェテス・ファミリーの映画には必ずといっていいほど応援の意味で参加するジーナ・ローランズ(故ジョン・カサヴェテス夫人)が登場して娘の映画監督としての門出を祝っていた。
交流のあるらしいピーター・ボグダノヴィッチ監督もチョイ役ながら俳優として出演していた。
故ジョン・カサヴェテスの親友ベン・ギャザラも出てくるのではないかと期待したが出ていなかったようだった。

ニューヨークから途中でパリに舞台が移動するのも雰囲気が変わって面白かった。
ゾエ・カサヴェテスは父親の映画で好きな作品は『オープニング・ナイト』らしい。そのうちに『オープニング・ナイト』を見直してみよう、と思った。

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