シネポン! vol.1 「映画の作り方教えます」 | 映画バー「銀幕酒場」オフィシャルブログ[バーの紹介とか、映画やDVDやドラマやアニメや演劇のハナシ]

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※某映画サイトで発行していた携帯メルマガ「 シネポン!」を再編集して登録しています。

今週のお題 2000/11/27
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映画の作り方教えます
Movers and Shakers(1985・米)
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記念すべきメルマガ創刊タイトルってことで、ずいぶん悩みましたが、映画に関する“映画”がいいだろうということでコレに決めました。

実は「王様の映画」や、フランソワ・トリュフォー監督「映画に愛をこめて~アメリカの夜」も候補でしたが、最近レンタルビデオ店で見なくなったので「映画の作り方教えます」でキマリ。

まだ借りられると思います。

ほんでは、どんな映画かというと、これがハリウッド映画製作の裏側がのぞける一本なんです。

ハッキリ言っちゃうと、さすがに日本未公開映画。映画館という魔術のかかってないビデオでは、かなりツライものもありますが、見どころは満載。

物語は、ふとしたことから「性愛(Love & Sex)」というタイトルの映画を作ることになったプロデューサーの苦悩から始まります。

なにしろ企画スタッフは、タイトルの「性愛(Love & Sex)」から想像して、もぉー、エッチな映画作りしか頭に浮かびません。

そんななか、脚本担当に抜擢された、ある脚本家の視点で物語が展開していきます。

ところが、その脚本家自身の夫婦仲が完全に冷めていて、とても“性愛”どころじゃない。もう“性愛”なんて忘れちゃってる……。

だから、なかなかシナリオも書けないわけですな。

それでも、監督が決まり、少しずつ企画を進めていくスタッフたち。

傑作を作りたいというプロデューサーの気持ちが痛いほど分かりつつも“愛”について書けなくなってしまった脚本家……。

ほんで、プロデューサーにあることが起き、脚本家はある行動を起こすことになります。

失った夫婦愛を取り戻すために……。

とまぁ、ひとつの映画に向き合うことで、夫婦愛と向き合うことになった脚本家の物語です。

あうー、ラストは泣かせる展開やね。

でも、期待はしないで下さい(日本未公開映画)。

ただし、どこかで見た顔がいっぱい登場しているので、そこそこ楽しめます。

例えば、コメディ「花嫁のパパ」「サボテンブラザース」でおなじみのスティーブ・マーチンがちょい役で登場。ノリとしては「愛しのロクサーヌ」のときのスティーブ・マーチンなんだと思うけど、他にも「ターミネーター」の精神科医なんかも出てます。

ちなみに、脚本家役は「ミッドナイト・ラン」で懸賞金をかけられ、ロバート・デ・ニーロに追いかけられていたチャールズ・グローディン。

チャールズ・グローディンは、大統領モノ「デーヴ」や「キングコング」「ベートベン」「愛が微笑む時」などの出演でおなじみ。

また、ラストの挿入歌は、倦怠期を迎えたカップルや夫婦にグッとくる歌詞で、泣けますよ。

……てなわけで、次回はこの映画に関わりのあるキーワードと“秘密のつながり”のある映画をご紹介します。

ほな。

再編集版@あとがき

ぴあ映画生活によると、チャールズ・グローディンが財産を投げうって製作した映画だとか。「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ビッグ」「レナードの朝」の監督ペニー・マーシャルが出演していることは当時気がつかんかった……。

監督のウィリアム・アッシャーはTVシリーズ「奥様は魔女」の監督でもある。

ちなみに「映画の作り方教えます」「王様の映画」は未DVD化なので、見ようと思ったら中古ビデオを狙うしかないッス。

それにふと感じたけど、いまやレンタル屋の棚のほとんどを占める[日本未公開映画]だけど、当時はまだその割合が少なかった。

だから、借りてきて失敗……そんな確率がいまよりウンと少なかった時代だったのかもしんない、シミジミシジミ。

また、携帯版メルマガ「シネポン!」のコンセプトは「気軽にポーン!と読める映画紹介」で、レンタル屋さんで「ナニかりよう?」とお悩みのユーザーさんに役立てばと思ってました。

■シネポン! 連載
シネポン! vol.2 「雨に唄えば」
シネポン! vol.3 「踊る大捜査線 THE MOVIE」
シネポン! vol.4 「リーサル・ウェポン」
シネポン! vol.5 「フォーエヴァー・ヤング」