やっちゃんのmy Pick
もしビジネスパーソンや学生さんのあなたが、後輩からこう質問されたらどう答えますか。
「先輩、名目(めいもく)GDPと実質GDPってどう違うんですか。」
「まぁ、カンタンにいうと名目上のガンダムパイロット(Gundam Pilot)と実質的なガンダムパイロットの違いだよ。『ポケットの中の戦争』に登場したアレックスは、名目上はアムロが乗る予定だったけど、実質的にはクリスが乗っただろ。」
「はぁ・・・。(一応感心したふり)」
そんなムリヤリな。なんでもガンダムで説明しようとしても、限界があります。
世界各国に名目・実質の2人のガンダムパイロットがいると、ややこしいです(「機動武闘伝Gガンダム」でも、各国の代表は1人)。いや、それ以前に、そもそもGDPとは「数字」で、「パイロット」のことじゃないし。
『・・・なんでもガンダムで説明する人、とりあえず今週も説明をお願いします。』
結論からざっくり言うと、いずれもGDP(国内総生産)の数値を表したものですが、
「名目GDP」とは「物価の変動を考慮しない数値」
「実質GDP」とは「物価の変動を考慮に入れた数値」
を表しています。
具体的に説明しましょう。
ここに、架空の国、サエグサ(仮名)があります。
サエグサは米生産のみで成り立っていると仮定します。
2009年は、生産量が100トン。1トン当たりの米価格(時価)は30万円
でした。
総生産は生産量×時価で計算されるので、
100トン×30万円=3,000万円となります。
2010年は、生産量が105トン。1トン当たりの時価は33万円でした。
総生産は105トン×33万円=3,465万円となります。
上の3,000万円と3,465万円をそれぞれ、
2009年、2010年の名目GDPと言います。
名目成長率は3,465万円÷3,000万円=1.155
となり、15.5%の成長です。
ただし上の式は生産量の変動と価格の変動をこみにして考えているため、
見せかけ上の成長ともいえます。
それに対して、実質GDPの計算にあたっては、
「価格の変動がなかったとすれば生産額はどうなったか」を考えます。
2010年も、2009年と同じく米価格が1トン当り30万円だとすれば
生産額は、105トン×30万円=3,150万円となります。
これを2009年基準の実質GDPといいます。
実質の成長率は3,150万円÷3,000万円=1.05
となり、5%の成長ということになります。
最後に、日本の現状についても少し紹介します。
先週、内閣府が発表した2011年1~3月期の実質GDPの成長率は年率換算で3.7%のマイナス。
名目GDPの成長率は年率換算で5.7%のマイナスとなりました。
これは東日本大震災の影響で企業の設備投資や消費行動が縮小したことを表していて、今後の景気回復が待たれるところです。
ちなみに、「機動戦士Zガンダム」・「機動戦士ガンダムZZ」でアーガマのブリッジ要員として登場したサエグサは、「ZZ」第2話でヤザン・ゲーブルの襲撃によって重傷を負い、アーガマを降りました。
しかしその後、傷は回復したようで、「ZZ」最終話でジュドー・アーシタが木星に行くときの見送りに来ていました。
(参考:中野明/著,『ポケット図解 ケインズの経済学がよくわかる本』,秀和システム,2009)
紹介記事へのリンク↓
http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10900106792.html
国際会計基準における「包括利益」を説明した記事へのリンク↓
http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10892365681.html
基本財務3表(PL・BS・CS)を説明した記事へのリンク↓
http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10850380962.html
ガンダムでビジネス知識を説明した記事へのリンク集Ⅹ↓
http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10909780156.html