21世紀の植民地政策 | 秋山のブログ

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ギリシャで国民投票がおこなわれていろいろニュースが流れている。当初からの浅い意見、ギリシャ人は怠惰だからだとか、公務員が多いからだ(日本でも公務 員を減らすべきと主張する素人は多い)とか、年金が大盤振る舞いすぎだから(年金を削りたがる財務省のダメ官僚が喜びそうだ)とかも相変わらず聞かれる が、私が以前からギリシャに関して言っているようなことを解説している番組も出てきた。私が知らなかったことで、象徴的な話がある。EU加入時、ギリシャにも白物家電の製造メーカーの工場が あったそうだが、ドイツ資本が買い取って、ドイツからの輸出品の倉庫にしたらしい。これは21世紀の植民地政策と言ってよいのではなかろうか。植民地をたくさん持って、ドイツは繁栄を謳歌しているのだ。ドイツ人は間違ったことをしているという自覚はないだろう。国際分業はWinWinの関係になるという嘘は、未だに生きている。しかし現実には弱小国の比較優位の産物の価格が上がって均衡に達するなどということは全くおこらないであろうし、片方におこるだろう需要不足も相当深刻だ。ギリシャ人が怠惰だという人間は、若年失業率が5割!を超え、職を得ても特に高給が期待できるわけでもないギリシャに自分がいたとしたら、何がで きるか考えるべきであろう。

ギリシャが借金に対しつなぎ融資を受けたとしても、それは払わなくてはいけない利息が増えるだけでより悪い状況になるだけだろう。また、どれだけ緊縮財政にしたところで、失業者が増えるだけで債務は削減されないだろう(売るものがなければ当たり前だ)。現在の形を変えずに、EUの形を維持しようと思えば、 地方交付税のような形で、ドイツもしくはEU全体から、ギリシャ等の国への毎年莫大な資金をずっと続ける仕組みを作るか、冗談だがドイツ全国民に毎年のギ リシャ旅行を義務付ける法律を作るしかないだろう。
しかしドイツが前述のことを理解しない限り実現されることはないし、ドイツからそのような声があがってこないことを見れば、ドイツ人の大部分は(日本人の大部分同様)、この理を理解できていないということだろう。遅かれ早かれギリシャは独自通貨の発行に移行せざるを得なくなるだろう。

ギリシャの離脱を見て、TPP等がよいとする考えが、いかに幼稚で意味がないか、多くの人が気付くことになればよいと思うのだが。