ギリシャはどう対応するべきか | 秋山のブログ

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ギリシャ国民はEUから突きつけられた緊縮財政策に反対を表明した。私はギリシャ国民の選択を支持する。理由は以前書いたギリシャに関する考察(ちょっと浅い)も参考にしてもらいたいが、経常収支の不均衡というものは、優秀さや勤勉さももちろん関係しないわけでもないだろうがその影響は実は大きくはなく、特化商品の性質、独占性が大きい。それらの問題の解決のためにも為替や関税がよい道具になりうるが、それをユーロという仕組みで放棄してしまっているのだから、上手くいくはずがない。ユーロという形を取るのであれば、ドイツからギリシャへ所得の再分配がおこなわれる仕組みを作るのが当然である。

ギリシャ国民に突きつけられた緊縮財政策もいけていない。ギリシャ国民の給与を下げても得するものは投資家だけである。ギリシャの内需は当然下がるが、ギリシャの輸入も当然さがる。そうするとEU全体としての内需も下がるだろう。そしてギリシャの政府支出の削減も全く同じ効果を生むだろう。不況による財政悪化で、財政均衡もおぼつかず、経常収支改善にもあまり繋がらない。

EU全体での再分配の仕組みの構築が正解であるのだが、家計と国家を混同している上に、自分の国の利益しか考えていないEUの首脳陣にはそんな考えは浮かばないだろう。ギリシャは当然ユーロ離脱をちらつかせて、大いに譲歩を勝ち取るべきだが、仕組み構築という未来に渡る権利まで勝ち取らなくてはいけない(そうしなければ、同じことを繰り返すだけだ)。しかしそれはまず無理なので、ユーロ離脱が現実的だ。

ユーロ離脱には様々な問題があるだろう。新通貨の為替の問題、ユーロ建ての債務の問題、国民生活を守って、破綻につけこむ禿鷹に餌をやらないようにしなくてはいけない。相当な知恵が要求される場になるだろう。一方、経済学的に大きな示唆を与える実験の場にもなるだろう。