完全なる覚醒。今季最高の試合。第8節。VSプラテンセ。ホーム。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

完全なる覚醒。今季最高の試合。第8節。VSプラテンセ。ホーム。

分岐点。第7節。VSヴィクトリア。アウェーの続きです。



「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -VSプラテンセ。2013年9月21日(土)



 自身が推すGKサンティ二が要望通りスタメンで起用され、サブGKに至るまで自身が「決定権」をもって迎えた初めての試合「VSヴィクトリア。アウェー」で、そのサンティ二が好プレーを連発する活躍で「1-1」引き分け。アウェーで貴重な「勝ち点1」を獲得すると同時に、「これでサンティ二のプレーが悪くて負けていたらGKコーチとして終わっていた」という「分岐点」を乗り越える事ができ、自身もGKサンティ二もチームからの信頼を獲得する事ができました。

 しかし、本当の意味で「真価」が問われるのは、次の試合…。1試合だけの活躍で終わってしまったら、せっかく築いた信頼をまた失ってしまいます。この日のホームでのプラテンセ戦が非常に重要な試合になる事は、試合前から分かっていました。

 ところがこのプラテンセ…。自身にとっては、嫌なデータが…。
実はプラテンセ、準優勝したレアル・ソシエダ時代の昨季でも、唯一「2戦2敗」して勝てなかった因縁の相手。GKコーチとしてプラテンセに、まだ一度も勝った事がないのです…。

 そしてチームとしても嫌なデータが…。今季はここまで2試合ホームで戦いましたが、無念の2戦2敗…。まだホームで1勝もできていないのです。本来なら勝ち点を稼がなければならないホーム戦が、逆に苦手な「鬼門」となってしまっている…。

 一難去ってまた一難。またしても目の前に現れた大きな。この壁をGKコーチとして、チームとして、再び乗り越える事ができるか?前節で1つ壁を乗り越えたGKサンティ二は、その真価を発揮する事ができるか…?



 果たして、結果は…?



※黄色がパリーヤス・オネです。「2:40」からは「オリンピアVSビダ」のハイライトも…。






 パリーヤス・オネ、プラテンセに3-0大勝!!


 念願の今季ホーム初勝利完封で飾る!!




※今季初めて1部リーグに昇格したパリーヤス・オネにとって、これが記念すべきクラブ創設以来史上初の1部リーグ・ホーム勝利となりました!!





 ついに「ホーム」で勝ったぞぉおお!!ついに「プラテンセ」に勝ったぞぉおおお!!しかも今季2度目の「完封勝利」じゃああああああ!!

 今季最多の「3得点」を挙げ、やっと「ホームで勝てない」という長い長いトンネルを抜ける!!サポーターのみんな、本当にお待たせ!!試合後は初めて見るホームのサポーターの歓喜する姿に、思わず感動して涙が出そうになりました…。やっぱホームで勝つと、気持ちがエエ!!街全体が、幸せな気持ちに包まれます!!これからも、もっともっとサポーターに「幸せ」を届けられるよう、ホームで勝利を積み重ねていきます!!


※試合後にパリーヤス・オネのサポーターと!「ホーム初勝利」できたのも、みんなのおかげじゃ!ありがとう!Muchas gracias!!(治安が悪いホンジュラスでは、外で写真を撮るのは危険なので怖かったですが…この日ばかりは特別じゃぁあああ!!)

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -パリーヤスサポーターと共に!



 この日の試合は「3-0」という点差ほど、決して楽な試合ではありませんでした。立ち上がりからピンチの連続で、もしそこで失点を喫していれば、逆のスコアになっていてもおかしくなかった…。しかし、そのピンチに立ち塞がったのが、GKサンティ二!!ファインセーブを連発して、ただの1点も失点を許しません!!特に、終了10分前に訪れた絶体絶命のピンチ…至近距離からのヘディングシュートを止めたプレーは、GKコーチである自分も打たれた瞬間「入った…」と思ったシュートを、超人的な反射神経でスーパーセーブ!!この試合の活躍でGKサンティ二は、ホンジュラス唯一のスポーツ紙「diez」選定の今節のベストイレブンに選ばれました!!パリーヤス・オネのGKがベストイレブンに選ばれたのはの快挙!!GKコーチとしてずっとサンティ二を推してきた者としては、正に感無量…。まるで自分の事のように嬉しかったです。やっと彼の実力を、本当の意味でホンジュラス全土に証明する事ができました…。そして、彼のプレーが悪ければ自身の立場も崖っぷちに追い込まれていただけに、こうして活躍してくれたサンティ二には本当に救われましたし、試合後はサンティ二に対する「感謝の気持ち」が込み上げてきました…(上記の「サンティ二のヘディングシュートを止めたスーパーセーブ」は、上の試合動画の「2:31」にあります。このヘディングの直前にもシュートストップしており、「短時間での連続セーブ」という、動画で見るよりも実際の難易度は非常に高いプレーでした)。


※これが「diez」選定の「ベストイレブン」。GK「Alvaro Juanes」と表記されているのが「サンティ二」です。パリーヤス・オネのGKが「ベストイレブン」に選ばれたのは「初」の快挙です!!

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -diez。サンティ、ベストイレブン!①


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -diez。サンティ、ベストイレブン!②



 サンティ二はこれで今季3試合にスタメン出場し僅か1失点。しかも無失点2試合2勝1分で負けなしという、文句の付けようがないほぼ完璧な結果を出しました。最初のサンティ二が出場しなかった3試合の失点数が「7失点」で「リーグワースト2位」だった事を考えても、いかにこのサンティ二の力が大きいか窺い知る事ができます。

 サンティ二が出場し始めて失点数が激減したパリーヤス・オネ…当初「リーグワースト2位」だった失点数もいつの間にか最強オリンピア、古巣レアル・ソシエダに次ぐリーグで3番目に失点が少ないチームとなりました(下の順位表のGCが失点数です)。昨季のレアル・ソシエダ時代に続く、2季連続の「リーグ最少失点達成も、射程距離に入ってきたぞ!!

 そして順位も、「8位」から一気に「6位」にまで浮上しました!!


【第8節を終えてのホンジュラスリーグ順位表】

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -第8節ホンジュラスリーグ順位表



 この日の試合には、ホンジュラス代表監督であるルイス・スアレスが視察に訪れていました(上の動画の「0:15」に映っている人物)。スアレス監督が遠い首都からパリーヤス・オネのホームタウンであるテラにまで試合の視察に訪れたのは「初めて」の事です(スアレス監督が住んでいる首都からテラまでは「約6時間」かかる)。スアレス監督は丁度、我々がGKアップをしている場所の目の前の席に座っていたのですが、「ホンジュラス代表GKコーチ」就任を本気で狙っている僕は、「GKアップで高精度のキックを蹴って、スアレス監督にアピールしてやろう」、「最高のGKアップを行なって、試合でGKに最高のプレーをさせ、代表入りに向けて最高のアピールをしてやろう」と燃えていました。また僕は、自身だけが代表入りするのでなく「パリーヤス・オネのGKを代表に送り込む」という「夢」もあります。スアレス監督がどれだけ見ていたかは分かりませんが、僕のこの「想い」が必ず成就する日がくると信じて、これからも全力を尽くしていきます!!


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -Parrillas One!!2013!!



 GKサンティ二が完全なる「覚醒」を果たし、チームとしても「今季最多得点」「今季2度目の無失点」で「クラブ創設以来史上初1部リーグ・ホーム勝利」を飾り、正に「今季最高の試合」となった1日…。

 普通ならここから「一気にハッピーエンドに向けて爆進」…といきたいところですが、やはりホンジュラスは…人生は…そう甘くはなかった…。

 ここから信じられないいばらの道が始まる事になろうとは、この時の僕はまだ知る由もありませんでした…。


※恒例の「無失点だった時のみに試合後にGKたちと撮る写真」です!!今回はプロのカメラマンに撮ってもらいました!!向かって左のサブGKロニー・ガルシアも試合中にベンチから誰よりも声を出してチームとスタメンGKサンティ二を鼓舞し、勝利に大きく貢献してくれました!!みんな嬉しさと太陽の光をモロに顔面に受けた影響で顔がクシャクシャです!!(笑)正に、幸せの絶頂…。まさかこの後に、「いばらの道」が待っていようとは…。

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -Con Santi y Rony VS Platense.



つづく



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