まるでキャプテン翼のようなありえない超絶スーパーオーバーヘッドゴールは歴史を変えた。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

まるでキャプテン翼のようなありえない超絶スーパーオーバーヘッドゴールは歴史を変えた。


 ついに始まった、「ブラジルW杯 北中米カリブ海地区 最終予選」…。

 最終予選に勝ち進んだ「6チーム」は我らがホンジュラス、そして強豪メキシコ、アメリカ、コスタリカ、難敵パナマ、ジャマイカ。この内「上位3チーム」が自動的にブラジルW杯出場の切符を手にし、「4位」はオセアニア地区とのプレーオフに回ります。

 その大事な大事な最終予選「初戦」は、おととい行われました。


 相手は、アメリカ


 この「1994年、2010年W杯ベスト16」、「2002年W杯ベスト8」、「シドニー五輪ベスト4」の実績を誇る、北中米カリブ海地区「最強」チームを相手に、果たしてホンジュラスは勝利をおさめる事ができるのか…?(日本ではメキシコが有名ですが、むしろこの地区ではアメリカの方が強い)


 ホンジュラスは3次予選でまさかの大苦戦を強いられ予選敗退危機に瀕していましたが、最終戦のカナダとの生き残りを懸けた直接対決に「8-1」と歴史的な大勝をおさめて何とか首位通過を果たし、最終予選に駒を進めました。


 「ホンジュラスVSアメリカ」


 ホンジュラスのホーム「サン・ペドロ・スーラ」にて、いざ、キックオフ!!!!!


 立ち上がりからボールを支配し、試合を優位に進めるホンジュラス…。しかしアメリカは堅い守備からカウンターを仕掛け、前半35分…2列目からの鋭い飛び出しでDFラインの裏に抜けたデンプシーが浮き球をダイレクトで突き刺し、アメリカが先制…。「0-1」…

 英プレミアリーグのフルハムで6シーズン通算0ゴールを挙げ、トットナムに移籍した今季もすでにゴールを挙げ好調を維持するデンプシーのファインゴールで、アメリカにリードを許したホンジュラス…。「ボールウォッチャーになり、マークを外してしまう」というホンジュラスの欠点を突かれての失点、しかも憎いまの「試合巧者」であるアメリカを相手に許した手痛い先制点に、「負けてしまうのか…?」と重苦しい空気が流れます。


 しかし、そんな重苦しい空気を、失点の僅か3分後に払拭する、まるでキャプテン翼のような、ありえない超絶のスーパーオーバーヘッドゴールが飛び出すのです!!!!!


↓      ↓      ↓      ↓      ↓      ↓    








 コース、タイミング、シュートの強さ…どれをとっても完璧な、正にスーパーゴール!!ここまで完璧なオーバーヘッドキックは世界的にも珍しい。マイノル・フィゲロア(ウィガン所属)の胸での落としも素晴らしい。クロスを上げたのはCBのヴィクトル・ベルナルデス、アシストは同じくCBのマイノル・フィゲロア、そしてゴールを決めたのはSBのフアン・カルロス・ガルシアと、「DFトリオ」によって生み出されたこのスーパーゴールで、ホンジュラス同点に追い付く!

 普段は超厳格で、どんなに味方がゴールを決めても試合中にはほとんど笑顔を見せないスアレス監督も、このスーパーゴールには「信じられない」といった表情で思わず笑みを浮かべました。


 実はこの超絶スーパーオーバーヘッドゴールを決めたフアン・カルロス・ガルシアは、僕のマラトン時代のアミーゴ。2005年当時マラトンで知り合った彼は、まだ若干16歳でスタメンには定着できず、僕と一緒によくサブ組の練習試合に出場していました。線が細いながらもヘディングの強さを発揮し、GKの僕が出す指示もしっかり聞いて動いてくれるなど、当時から有望な選手だと思っていました。彼と組んでゴールを守るのは、本当に楽しかったです…とは言え、まさかここまで成長して大きくなるとは、当時は全く思ってもみませんでした!!叫びかつて共に汗を流したアミーゴの成長と活躍はまるで自分の事のように嬉しく、このゴールを見た瞬間は、感極まって思わず涙が出そうになりました…。


※2010年にホンジュラスを訪問した際に再会を果たした、フアン・カルロス・ガルシア。この後にマラトンからホンジュラス最強チームの「オリンピア」に移籍し、代表にも定着…。そして今回、スーパーオーバーヘッドゴールを決める!!一気に階段を駆け上がっていきました。

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→日本…」 -con Juan Calros Garcia 2010.



 このゴールで勢い付いたホンジュラスは後半に決勝ゴールを挙げ、強敵アメリカに「2-1」で逆転勝利!!実はホンジュラスホームのサン・ペドロ・スーラでアメリカに勝利したのは長い歴史上これが「初めて」!!フアン・カルロス・ガルシアのオーバーヘッドキックは歴史をも変えたのです!!


 さて、気になる他会場の結果は…。


 メキシコ 0-0 ジャマイカ

 パナマ 2-2 コスタリカ



 この結果、最終予選の初戦を終えての順位は、こうなりました!!!!!


↓      ↓      ↓      ↓      ↓      ↓


<2014年ブラジルW杯 北中米カリブ海地区 最終予選「初戦」を終えての順位>

1位:ホンジュラス「勝ち点」()<得失点差 


位:コスタリカ 「勝ち点」(1分)<得失点差

2位:
パナマ 「勝ち点」(1分)<得失点差

位:ジャマイカ 「勝ち点」(1分)<得失点差

位:メキシコ 「勝ち」(1分)<得失点差

位:アメリカ 「勝ち点」(1敗)<得失点差-1



 ホンジュラス、いきなり「首位」に立つ!!


 まだ1試合が終わっただけとは言え、28年ぶりに出場した南アW杯の最終予選ですら初戦は黒星スタート、しかも過去に全くホームのサン・ペドロ・スーラで勝てなかった強豪アメリカに歴史的勝利を挙げての首位…これはもう「最高のスタート」と言っても良いでしょう!!


 さあ、気になる「第2」の相手は…メキシコ

 言わずと知れた強豪中の強豪。昨年のロンドン五輪は金メダル。1994年~2010年まで「W杯5大会連続ベスト16」。過去の実績ではホンジュラスを凌駕していますが、今回の最終予選の初戦では、無類の強さを誇るホーム「アステカ」にて、ジャマイカとまさかのスコアレスドロー…。ホンジュラスとは対照的に「最悪のスタート」を切っています。

 この第2の会場も、ホンジュラスのホーム、サン・ペドロ・スーラ。前回の南アW杯予選では、サン・ペドロ・スーラでメキシコには2戦2勝(「1-0」と「3-1」)。今回もこの永遠のライバル・メキシコを倒し、一気に「ブラジルW杯出場」に向けて爆進します!!

 アメリカ戦はネット生中継で試合観戦しましたが、リトリートして堅い守備を敷くアメリカに対して、高い個人技とパスワークを駆使した遅で強引にこじ開けてチャンスを作り出す「ホンジュラスらしい攻撃」と、スアレス監督が植え付けた献身的かつ組織的な「ホンジュラスらしからぬ守備」は、アメリカを完全に上回っていました。見ていて「ホンジュラス、強ええ」と本気で思いました。3次予選では苦戦しましたが、スアレス監督は2006年ドイツW杯でもエクアドルを史上初のベスト16に導いてますし、ロンドン五輪でもスペインを破ってホンジュラスを世界大会で史上初のベスト8に導くなど、スアレス監督のサッカーは、相手が強い方がむしろより力を発揮できる…。


 3月22日(金)

 ホンジュラスVSメキシコ


 …必ず、勝利します!!!!!!!!!!

 いけ、我らがホンジュラス!!!!!!!!!!


※「ホンジュラスVSアメリカ」の全ゴール含むハイライト動画じゃ!!(デンプシーのゴールも上手い!!必見ですぞ!!)






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