南アフリカW杯 北中米カリブ海地区 最終予選 第3戦 <ホンジュラスVSメキシコ> | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

南アフリカW杯 北中米カリブ海地区 最終予選 第3戦 <ホンジュラスVSメキシコ>


 負けると「南アフリカW杯出場」が極めて難しくなる、超重要な一戦…。

 相手は「永遠のライバル」、メキシコ…。

 しかし、僕はホンジュラスの事を信じていました…。





 ホンジュラス「3-1」でメキシコを撃破!!!!!


 
 最終予選、最初のホームゲーム。観客の凄まじいまでのパワーに選手は勇気付けられ、攻撃陣が大爆発!!

 今年からバーミンガムに移籍したカルロス・コストリーの2ゴール、そして、前回記事
書いた、「W杯出場」に熱き想いを捧げる大ベテラン、カルロス・パボンが、「日韓W杯」最終予選のメキシコ戦の再現…胸トラップからのボレーシュートを叩き込み、ホンジュラスを勝利に導きます!!


※上は「日韓W杯 最終予選」のメキシコ戦、下は今回のメキシコ戦…。スコアも同じなら、
カルロス・パボンのゴールも瓜二つ!正に8年前の再現!不思議な現象が起きました…。

<動画><ホンジュラスVSメキシコ(2002年日韓W杯 北中米カリブ海地区 最終予選)>

 (青&白がホンジュラス、緑がメキシコ





<動画><ホンジュラスVSメキシコ(2010年南アW杯 北中米カリブ海地区 最終予選)>

 (白がホンジュラス、緑がメキシコ







 日本ではまだ、ホンジュラスがメキシコを破ると「番狂わせ」「波乱」と表現されますが、今回の勝利は決して「番狂わせ」でも「波乱」でもありません。

 その証拠に、2007~2009年の間に行われた<ホンジュラスVSメキシコ>の結果は、「3勝1敗」でホンジュラスが勝ち越しています。ホンジュラスにとってメキシコは、格上でも
なんでもなく、ただ「勝つべき相手」なのです!!

 カルロス・コストリーの先制点に関して、「その前にハンドがあった!」とメキシコ側は怒ってるかもしれませんが、逆にメキシコは第2戦のコスタリカ戦で、微妙な判定でPKを獲得してるし、ホンジュラスも過去、何度となく判定には泣かされており、トータル的に考えると、状況は平等と言われています(しかし実は、メキシコやアメリカなどの大国は、ホンジュラスなどより判定で得する回数が多いのですから、不平等なのですが…)。

 第2戦のトリニダード・トバゴ戦の終了間際に致命的ミスを犯して、まさかの同点ゴールを許したGKノエル・バヤダレスは、この日の試合でファインセーブを連発し、一躍ホンジュラス国民のヒーローとなりました。彼は試合後、涙したそうです。サッカーに関しては超辛口で、批判的なホンジュラス国民ですが、トリニダード・トバゴ戦後のネットの書き込みでは、

 「引き分けは君の責任ではない」

 「君は中米No.1GKだ!落ち込む必要はない」

 「俺たちは君を応援している」

 …などと、ノエルを励ますコメントが相次ぎました。ホンジュラス人の国民性を考えたら、
これは異例の事態と言えます。今のホンジュラスは、選手や監督、コーチのみならず、国民全員が一丸となって代表チームを支え、「南アW杯出場」に向けて邁進しているのです!!

 「絶対エース」ダビド・スアソを欠きながらも、強豪メキシコを一蹴したホンジュラス…。逆に敗れたメキシコは、エリクソン監督を解任…。就任から1年も経たない内に、名将はメキシコを去る事となってしまいました。


 そして、この日の他会場の試合結果は…。

 <アメリカ 3-0 トリニダード・トバゴ

 <コスタリカ 1-0 エルサルバドル


 この結果、最終予選、3試合を終了しての順位はこうなりました!!



 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓



1位:アメリカ(2勝1分)「勝ち点」<得失点差+5

2位:コスタリカ(2勝1敗)「勝ち点」<得失点差+1

3位:ホンジュラス(1勝1敗1分)「勝ち点」<得失点差 

4位:メキシコ(1勝2敗)「勝ち点」<得失点差-2

5位:エルサルバドル(1敗2分)「勝ち点」<得失点差-1

6位:トリニダード・トバゴ(1敗2分)「勝ち点」<得失点差-3



 ホンジュラス、W杯出場圏内の「3位」に浮上!!


 次の試合は2ヵ月後…「6月6日(土)」…

 対戦相手は…

 北中米カリブ海地区「最強」で、現在「1位」の…

 「アメリカ」!!!!!
 
 しかも、「アウェー」での一戦…。

 しかし、僕は引き続きホンジュラスを信じています。

 今回こそは、必ずW杯に出場するんじゃ!!

 世界のどこに居ても、僕の心は常にホンジュラスと共にあります。

 行くぞ、南アフリカ!!(もう去年、お先に行ってきましたが…)