この「違い」が、後々の大きな「差」を生む。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

この「違い」が、後々の大きな「差」を生む。


 <1ヶ月ぶりに「サッカー人」として…>というブログを書いた翌日…。

 「4連勝」を懸けて、我々より順位が1つ下(6位)のGombakと対戦しました。

 結果は「0-0」引き分け。惜しくも「4連勝」はなりませんでした。

 終始試合を支配し、数多くのチャンスを作りながらのスコアレスドローに、アルビSの選手は一様に悔しさを滲ませました。誰もこの結果には満足してない。勝てた試合なのに、勝てなかった…。悔しい…。歯がゆい…。その落胆ぶりは、まるで「負け試合」のようでした。

 片や対戦相手であるGombakは…。引き分けに喜びを爆発させました。試合後のロッカールームではお祭り騒ぎ。監督も試合後のインタビューで「結果には満足している」という言葉を繰り返しました。その喜びようは、まるで「勝ち試合」のようでした。

 両チームとも同じ「引き分け」という結果に終わったのに、試合後のリアクションは、全くの正反対だったのです。僕はこの光景を見て「絶対にアルビSは強くなる」と確信をもちました。


 アルビSにとっては、「勝てた試合を、引き分けてしまった。しかもホームで」。

 Gombakにとっては、「負けてもおかしくない試合を、アウェーで引き分けに持ち込めた」。


 …だからこその「リアクションの違い」なのでしょうが、果たしてそれだけが理由でしょうか?僕はもっと根本的な部分の両チームの「違い」を感じました。

 ひょっとしてGombakは「優勝」を目指してないのでは?試合後のあの喜びようを見て、僕はそう思いました。

 前述したようにアルビSとGombakの順位は、それぞれ5位と6位。我々より1つ下の順位にいるGombakにとって、もし「優勝」を目指すのであればこの引き分けはあまりにも痛いはず。実際Gombakにも勝つチャンスはあった。しかし彼らの試合後のリアクションは「喜び」であり「満足」だった…。


 一方のアルビS。我々の目標は「優勝」。ハッキリしています。全ての練習、そして試合は「優勝」という目標を達成するために行われている。「上位進出」というだけでは、決して満足しません。「優勝」を前提に物事を考えているからこそ…全員が「一丸」となって、高い意識で「優勝」に向かって全身全霊で取り組んでるからこそ、中位相手の引き分けじゃ喜べないし、悔しいし、歯がゆいのです。


 両チームの試合後のリアクションの違いは、そういった部分の「違い」のように僕の目には映りました。そしてこの「違い」は、必ず後々の大きな「差」を生む…。

 アルビSは、絶対に強くなる。もっともっと強くなる。

 引き分けに終わったGombak戦後のあの「悔しさ」は、このチームの「目標」と「意識」の高さの表れであり、僕はこの「悔しさ」がチームを悲願達成へと導いてくれると信じています。

 今日はSリーグ第10節。現在「9位」のHougangと対戦します。9位とは言え、シーズン前に行った練習試合では「2-3」で敗れてるし、決して侮れません。

 今週は雷雨の影響で練習が中止になったりもしましたが、実は今年、練習試合も含めて「雨で練習中止」になった直後に行われた試合は全勝しています。だから僕はむしろ「流れが良い」と前向きに捉えています。これぞ正に「恵みの雨」ですね!!

 さあ、今日は絶対に勝つぞ!!今後ともアルビSの応援、何卒よろしくお願いします!!


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -2011年4月11日(月)VS Gombak!「0-0」