Jリーグ王者・名古屋を相手に1ゴール1アシスト!これがホンジュラスの…アミーゴの実力じゃ! | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

Jリーグ王者・名古屋を相手に1ゴール1アシスト!これがホンジュラスの…アミーゴの実力じゃ!


※2008年・中国広州。ルイス・ラミレス&その家族と食事するYojiワイン

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -ラミレスと乾杯!


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -ラミレスと食事!



 いや~…。昨日は感動と興奮で夜も眠れ………ました、普通に(笑)。ぐぅぐぅ

 とは言え、この「感動」と「興奮」は紛れもなく本物。とにかく本当、自分の事のように嬉しいです。この感動と興奮を1人でも多くの人に伝えたいのですが、これが言っても伝わる人が周りにいないのが辛い…(涙)。汗

 以前、ブログに書いたのを覚えていらっしゃる方がどれだけいるでしょうか??

 昨日、僕のホンジュラス時代のアミーゴ…ルイス・ラミレスが所属する中国の杭州緑城が、ACLの初戦でJリーグ王者の名古屋と対戦!実は杭州緑城には他にも3人のホンジュラス人選手が居て、その内2人は自分のアミーゴ(エミル・マルティネスマウリシオ・サビオン)だったのですが、共に今年から古巣であるホンジュラスの強豪マラトンに復帰。残ったのはルイス・ラミレスただ1人となってしまいました。

 しかし、その「たった1人残ったホンジュラス人」である、ルイス・ラミレスがやってくれた!!

 現在「Jリーグ最強」である名古屋を相手に…現在「Jリーグ最高のGK」である楢崎選手を相手に…ホンジュラス人の実力を証明する、衝撃の「1ゴール1アシスト」!!見事に名古屋を「2-0」で粉砕しました!!凄いぞ、アミーゴ!!合格


※得点シーンのハイライトじゃ!!





※ちょっと長めのハイライト!(得点シーン以外も!)これを見てもラミレスが攻撃の基点になっとるのが分かる。さすがの闘莉王でも抑えられなったか…!?





 僕はこれまでも何度となく、ルイス・ラミレスの事やホンジュラスサッカーについてブログに書き続けてきました。ルイス・ラミレスは2006年にホンジュラスのマラトンから中国の強豪・上海申花に移籍して以降、昨年までの5年間で中国リーグ通算「138試合出場75ゴール」を挙げています。叫び毎年、得点王争いを繰り広げ、毎年、二桁得点!2007年に一度だけ2部リーグでプレーしましたが、その時は19ゴールを挙げて断トツで得点王!!しかもこの「19ゴール」というのが中国2部リーグの歴史上、最多得点記録!!しまいには2009年に1部リーグでも17得点を挙げ、念願の「中国スーパーリーグ得点王」に輝く!王冠1正に現在「中国リーグ最強」と言っても過言ではないストライカーなのです!!サッカーボール

 しかしですね…これだけの大活躍をしても、おそらく日本では「どうせ中国リーグってレベルが低いんでしょ」とかしか思われないんです。確かにJリーグのレベルはアジア屈指ですが、ACLでは過去も鹿島などの強豪が中国リーグのチームに敗れている。昨年は、広島が中国王者の山東にホーム・ビッグアーチで敗戦…。決して中国リーグのレベルがJリーグと比べて劣ってるって事はないんです。それに「ホンジュラスサッカー」のレベルも決して日本と比べて劣ってる訳じゃない。イングランドプレミアリーグでレギュラーとして活躍してる日本人選手が現在いますか?ホンジュラスには3人もいますよ。(トットナムのMFウィルソン・パラシオス。ウィガンのDFマイノル・フィゲロアとMFヘンドリー・トーマス) セリエAにもインテルのダビド・スアソ(最近は怪我で全くプレーしてないが…)、「世界最速のサッカー選手」と噂のエドガル・アルバレス(バリ所属)がいます。過去にも活躍した選手も含めると、数え切れない…。

 それでも…これだけ僕が熱く説明しても、なかなか「ホンジュラスサッカー」の凄さが伝わらない。2005年にキリンカップで日本と対戦した時は「4-5」で大逆転負けを喫し、「やっぱ日本の方が強いじゃん」と思われてしまった。しかしあの時のホンジュラスはヨーロッパ組が1人もいなかったし、時差ボケや長距離移動、過密スケジュールで5割以下のコンディションだった。けどこれも、僕がいくら熱く説明しても、やはり、なかなか伝わらない…。


※超過密日程で、ほとんど練習すらできずに来日したホンジュラス代表。後半途中から時差ボケや長旅の疲れで動けなくなり大逆転負けを喫する…。今度、中立国でお互いにベストな状態で再戦しましょう!!




 だから僕の中で今回の「杭州緑城VS名古屋」の試合は、メチャクチャ重要な意味を持ってました。ここでアミーゴのルイス・ラミレスが大活躍し、「ホンジュラスサッカー」の実力を日本のファンにも知らしめて欲しいと…。日本人の皆さんに「ホンジュラスサッカー」の凄さを証明する最大のチャンスだと…。

 そして彼は…ルイス・ラミレスは、やってくれたのです!!!!!!クラッカー

 さすがに「名古屋」相手のこの大活躍は効いたのか、大学時代の先輩であるアラケンさんからも「お前の友達だっけ、ラミレスって?凄いの決めたね!」ってSMSが届きました。ラブレターアラケンさん、ありがとうございます!!…しかし実力が認められると、アラケンさん以外の人からは「本当に山野はラミレスの友達なの?」と言われる…(笑)。最初はホンジュラス人の「実力」が疑われ、「Jリーグ王者」相手に活躍すると、今度は自分の「友達」である事自体が疑われる…。あせる

 でもまあエエんです。べーっだ!僕とラミレスが本当に友達かどうかが疑われても、だからと言って自分らの関係が変わる訳じゃないし、それに一番、重要なのは、アミーゴが活躍して「豊かで幸せな人生」を送ってくれる事、そしてそれにより、「ホンジュラスサッカー」の実力が少しでも多くの人に認められる事…なのですから!!

 ルイス・ラミレスとは、かつてマラトンで共に汗を流しましたが、こんなにもゴールを量産するので「どんだけ能力が高いんだ!?」…って思うじゃないですかはてなマークしかし、ところがドッコイ。シュート練習では意外と下手で、あんまり入らない(笑)。しかもリフティングも超下手で、全然できない。なおかつあんなゴツイガタイをしとるのに、ベンチプレスも30kgがやっと上がるか上がらないかってほど…。信じられないですよね。えっ

 ところが…試合になると豹変するんですよ。とんでもない嗅覚を発揮し、誰よりも点を取る。リフティングは下手だけど、ポストプレーは半端なく上手い。そしてベンチプレスでは30kgのバーベルにすら苦戦するのに、試合中の競り合いにはトテツモナク強い。凄まじいパワーでキープされたら、誰も彼からボールを奪えません。「ベンチプレス30kg」は一体、何じゃったんか!?(笑) 全く参考になっとらんし…。ショック!

 彼らホンジュラス人選手を見てると、「サッカー」の価値観を根本から覆されます。ダッシュの練習をしたら遅いのに、試合になるとメチャ速いとか、あきらかに腹が出て太ってるのに、試合になったら運動量が半端ないとか…。居残り練習は一切やらないし…。

 けど、ルイス・ラミレスは言ってましたよ。「やはり中国リーグはホンジュラスリーグに比べるとレベルが落ちるので、たくさんゴールを決めれる。GKの能力も高くないし…」って。実際、中国リーグでは毎年、あれだけゴールを量産しているラミレスですが、ホンジュラスリーグで1シーズン2桁以上ゴールしたのは1回しかない(試合数の違いもありますが)。それに中国では公式戦の前夜にチームメイトの外国人選手と一緒にビール飲んでパーティーしてましたからね(笑)。「それで明日の試合、大丈夫なのか?」と聞くと、「中国なら大丈夫だ」と言って酒を大量に飲む。だから「同じ事がホンジュラスでもできるのか?」と聞くと、「できるわけないだろ!」と言ってました。つまり中国なら、能力的に余裕があるからできるんですよね。…で、実際、酒を飲んで迎えた翌日の試合で首位の山東を相手にしっかりゴールを決め、「1-0」の勝利に貢献してましたからね。これにはビックリですよ(笑)。ガーン名古屋戦の前夜がどうじゃったかは分かりませんが…。

 それにしても楢崎選手は、「ホンジュラス」との相性が悪い。2002年にキリンカップで対戦した時は「3失点」、2005年に対戦した時は「4失点」、そして今回はルイス・ラミレス相手に「1失点」(1アシストまでされる)…ホンジュラス人に「3試合で8点」も取られていますからね。ひょっとしたら日本人で最も「ホンジュラスサッカー」の実力と怖さを分かっているのは、楢崎選手かもしれません。


※1回目のキリンカップでホンジュラス代表GKが致命的なミスを2回も犯して「3-3」で引き分けてしまいますが、このGKは当時18歳!突然の代表デビューでガチガチじゃったとか。前半のみで交代させられました。彼のミスさえ無ければ普通に勝っとったんじゃが…。





 何か前にラミレスと中国で会った時は、「俺は2部リーグでプレーしたい。だって2部リーグの方が体に負担なく簡単にゴールできるので、長く活躍して稼げるから」とか、「俺はもう年だ(今年34歳)。そろそろ引退だな…」なんて言ってましたが、何が何が…まだまだ全然やれるじゃん!!ここにきて、さらに進化しとるし…。アップまあ、これからもそんな感じの「自然体」で活躍してくれや!!(笑) 世界のどこに居ても応援しとるぞ!!

 アミーゴの活躍から、「夢」と「希望」と「感動」と「勇気」と「パワー」をもらいました!!!キラキラ

 戦ってる舞台は全く違うけど、また世界中で活躍するアミーゴたちと同じピッチの上で再会できるよう、これからも全力で仕事に励んでいきます!!メラメラ



※2008年。中国広州にて、ルイス・ラミレスと!!!グッド!…てか、「広州」(こうしゅう)から「杭州」(こうしゅう)に移籍って…。

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -2008年8月。断髪後ルイス・ラミレスと!


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -Bomberoと共にブラジル料理屋にて!



※2005年。マラトンでの練習風景。どこに僕とルイス・ラミレスが居るか分かります!?

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -2005年マラトンでトレーニング!!