「絶対に負けられない戦い」は続く…。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

「絶対に負けられない戦い」は続く…。


※<「日本人」としての誇り。「絶対に負けられない戦い」 >の続きです!!!メラメラ


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS U-17シンガポール代表(TM)2010年9月2日(木)4


 「絶対に負けられない戦い」にも関わらず、前半早々にミスから先制点を奪われてしまったアルビS…。一体、何をやっとるんじゃぁああ!!??

 しかし、この日のアルビSは、全選手が「誇り」を持って戦った…。

 前半の内に同点に追い付くと、後半には一気に2得点し「3-1」と逆転!!!!!

 その後も、さらなる追加点を狙って攻め続けますが…。

 ここで「シンガポール名物」…「ありえない!がある!神ジャッジ」が炸裂!!!!!

 この日の練習試合も含めて「3試合連続ゴール」中の「チーム最年少19歳」のFW和田が、味方のスルーパスに鋭く反応…。相手ペナルティエリア内で、GKと1対1に…。

 GKをスピードで抜き去る和田…。それに対してGKは、何と足の裏を見せて和田の腹部に蹴りを入れる!!!「おおおおいいいいいっ!!!!!


「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→日本→シンガポール→?」 -VS U-17シンガポール代表(TM)2010年9月2日(木)


 うずくまる和田…。そして、自分から危険なタックルを仕掛けておいて、なぜか一応、自分も痛がってうずくまる相手GK…。この悪質極まりない反則プレーに対しアルビSはピッチ内外で猛抗議!!選手を壊すような危険なプレーは絶対に許さん!!

 普段は相手チームの反則プレーはとことん「見て見ぬフリ」を貫くシンガポールの審判 も、このプレーにはさすがに笛を吹きました。PK獲得!!!!!

 …と思いきや。何か様子がおかしい…。FKを蹴る準備をする「相手GK」…。はぁぁあ!?ま、まさか…………うちのファールかい!!!???

 こっちは大切な選手を破壊されそうなほど悪質なファールを受けているのに、PKがもらえないどころか、逆に「アルビSのファール」を取られる!!ただ一方的に蹴られて倒されてるだけだぞ!!それで何で、うちのファールなんじゃ!!??

 あまりにも「理不尽」!!!!!こんなのもう、サッカーじゃない!!!!!

 しかし、<「理不尽」に打ち勝つ、唯一の方法 >でも書いたように、「理不尽」に勝つには、それにも負けないだけの確かなる「実力」を自分達が身に付けるしかない!!

 結局、試合はこのまま「3-1」で勝利…。「絶対に負けられない戦い」を制しました。ただ、相手はU-17シンガポール代表…。「勝って当然」の相手に勝っただけに過ぎません。

 それでも「日本人」として、「絶対に負けられない戦い」「勝って当然」の試合をしっかり違いを見せ付けて勝利していく事が重要。ここで言う「違い」とは、ただ単に「レベルの違い」だけじゃなく、「モラルの違い」も然りです。相手は平気で反則行為を連発してくるし、審判は常にアルビSに不利な判定をしてきますが、我々はそれに応じず、「フェアなプレー」と「紳士的な態度」で臨んだ上で、しっかり勝利を収める…。これが大切なんです。

 次の試合は4日後。今季唯一のタイトル獲得の可能性が残ったカップ戦準々決勝。相手は「Young Lions」。U-23シンガポール代表が全員そのまま所属するチーム です。

 このYoung Lionsは先日、北京国安とのリーグ戦で選手・コーチ入り乱れての大乱闘騒ぎを巻き起こし問題になっています(試合も途中で中止となった)。本来なら活動自粛でもおかしくない状況ですが、我々との試合には、まあ普通に臨んでくるでしょう。

 最近、対戦したリーグ戦では、先制しながらセットプレーで追い付かれ「1-1」の引き分けに終わっています。今度こそ、絶対に勝ってやる!!!!!

 確かに「日本サッカー」はJリーグができてから目覚しい発展を遂げ、W杯にも4大会連続で出場するなど、アジアの中では「強豪」として敬意を持たれる立場にあります。

 しかし、シンガポール人が最も身近に目にする「日本サッカー」は、シンガポールリーグに所属する我々「アルビレックス新潟シンガポール 」。下手したら我々を見て「日本サッカー」の印象が決まるし、不甲斐ない内容で負ければ「日本サッカー」自体がナメられかねない。

 我々は「日本サッカー」を…いや「日本」を背負ってシンガポールの地で戦ってると言っても過言ではないのです。少なくとも我々は、そういう気概を持って戦う「義務」がある。

 だからこそ良いサッカーをして勝ち続け、モラル面でもシンガポール人から敬意を持たれるような姿をピッチの内外で見せていかなければならない…。

 「絶対に負けられない戦い」は、今後も続いていきます。


※「1人の人間としては、日本人。1人のサッカー人としては、ホンジュラス人 」という自身の価値観をこれまでもずっと書いてきましたが、アルビSという「日本のチーム」で戦う場合は、「日本人」としての誇りを胸に戦っています!!