『4TEEN』  石田衣良 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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4TEEN (新潮文庫)/石田 衣良
¥500
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***この本は2006年7月頃読了しました***
東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない―。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。
(Bookデータベースより)




「次の日にまた会うに決まっている友達にさよならをいうのは、いつだってなかなか楽しいものだ。 」



太って大きなダイ、小柄でメガネのジュン、ウェルナー症のナオト、平凡なぼくはテツロー。
4人の14歳、“4TEEN”の物語。
14歳には14歳ならではの苦悩ってもんがあるもんだ。恋や学校や親や友達、時にはちょっと大人なアダルトな悩みまで・・・。
性格も育ちもまるで違う4人、だけど4人が一緒なら大丈夫。彼らの成長を、爽快なテンポで描く青春ストーリー。



4人の移動手段は、マウンテンバイク。
街中を風を切って颯爽と駆け抜けるマウンテンバイクのように、8つの短編で構成されるこの作品も爽快なテンポでどんどんと読み進められた。


ストーリー的にも入りやすく、ときにおれもまるで4人と一緒にその場にいるように感じられた。
いや、きっとそのときおれもその場にいたのだ、そんな錯覚まで覚えるような。
いつの間にか自分自身が5人目の14歳になっていた、そんな気がした。


読了後の爽快感はすごく良かったし、最近おれに不足しがちな若さを思い出させてくれたかな。
これから無限の可能性を秘めた少年達の成長ストーリーがすごく眩しかった。
だけどこの作品の全ての短編をどっかで、マンガか何かで見た気がするんだよね。
すっごい既視感があったと言うか。
まぁ直木賞受賞作品だし、マンガ化かなんかしてたのかもしれない。


「前の花火の光が目の裏に咲いているうちに、また新しい花火があがる。
東京湾の夜空は、ずっと昼間のような明るさだった。きっとこの世界も同じことなのだろう。
どこかで誰かが消えて、その名残が響いているうちに、新しい人が生まれる。
それでにぎやかで、ちょっとばかばかしいこの世界が続いていくのだ。」



このセリフを思い出し感傷に浸りながら見た、あの日夜空に咲いた色とりどりの光の華。
今年もまた、たくさんの光の華がたくさんの人の笑顔に降り注ぎ、ばかばかしくもにぎやかなこの世界に素敵な花を添えまてくれますように。

花火みてると、色々連想したりしますね。楽しく見えたりときに切なくなったり余韻に浸ったり。
今年の花火はおれの目にどのようにうつるかな。


★★★★


その他の石田衣良作品
『うつくしい子ども』  ◇『娼年』  ◇『波のうえの魔術師』  ◇『4TEEN』


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