愁堂れなさんのラヴァーズ文庫新刊。
『新宿退屈男』シリーズのスピンオフです。

今回は、『新宿退屈男』主人公、
竜野友紀の兄・真紀の親友・田崎が主役です。

田崎の裏切りによって
真紀は香港マフィア・王の手に落ちてしまったのですが
それに関して田崎が抱える真実が明らかになってます。

時系列的には
終盤に、『新宿退屈男~愛欲の交叉~』での
真紀の出した結論が出てきますので
~愛欲の交叉~の前後といったところでしょうか。


これまでのレビュはコチラ

新宿退屈男~欲望の法則~&~快楽の祭典~
新宿退屈男~愛欲の交叉~
隷属の闇  (スピンオフ作品)


花の破片(かけら) 著者:愁堂れな イラスト:奈良千春
ラヴァーズ文庫 BL小説 2010年7月
★★★
花の破片(かけら9) (ラヴァーズ文庫)/愁堂 れな
¥620
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◆あらすじ(文庫裏表紙)
「自分の運命は変わった…。誰よりも大切だったはずの親友を裏切ったあの夜から……」。 新宿東署・刑事課長の田崎礼は、麻薬取締官の竜野真紀を裏切ってしまった。結果、真紀は香港マフィアに拉致され、1年経った今でも行方不明のままである。深い後悔の念から田崎は、たった一人で真紀を救うため、香港に乗り込むことを決意するが、突然現れた盲目の、元軍人だという妖しい男に妨害され……。 嘘、疑惑、嫉妬、愛。懸命に隠してきた男の想いが、今明かされる…。 ◆


高校時代からの親友だった田崎と真紀。
真紀にとって田崎は『唯一の友 』
でも、田崎にとっての真紀は『唯一無二の存在』

真紀の『唯一無二』になりたいと切望するも
真紀には誰より大切な弟・友紀がいて…。

『唯一無二』になりたいという願う自分の感情の意味とは
おそらく友情を超えたもの。。。


そういった田崎の感情が冒頭に綴られてます。

その想いがあるからこそ、
彼を裏切るわけはないはずなんだけど。

田崎、とても苦しんでます。
でも、自分の裏切りの決着は自分でつけるべく
悲壮な覚悟で真紀を救い出そうとしてます。

田崎もまた嵌められてたんですよ。
福島代議士と、警視庁上層部の北原に。

結構痛いです。
田崎は福島と北原に陵辱されてます。
それは真紀の一件以降ずっと続いています。

でも、真紀を助ける方法をみつけるため
過酷な責めに甘んじる田崎。

その田崎の前に現れるのが
盲目のアメリカ人・ジェイクです。

犬の散歩を通して
ジェイクとの和やかな時間が
田崎の心に何かしらの変化をもたらしてもいるようで…。

終盤は、田崎を苦しめているものが
一挙に解決していきます。

ハッピーエンドといえますね。



奈良さんのイラスト、いいですねー!
表紙絵もいいけど、口絵がさらにイイ!
奈良さんのセンスが冴えてる!

挿絵、ちょっとコミカルなものもあったりw
P.129の姫井の頭の日の丸に吹いた(*≧m≦*)ププッ
Hシーンはやっぱりエロく(o ̄ー ̄o) ムフフ

ラストの田崎と真紀の後姿の挿絵、好きです。


本編の『新宿退屈男』は来年だそうです。

楽しみ♪



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