水城せとなさんの『同棲愛』6巻です。

5巻では、セックスに走る登場人物たちに
不快感すら感じてた那義ですが、
この巻はそれはなく。

いえ、やはり幸せじゃないセックスをしてますが
それよりも精神的なダメージが
より強くなってる登場人物たちです。

みんな、
何かが足りなくて、
どこかが欠けていて、
それが歪みになってしまってる気がします。

かなりの鬱展開で、
読んでるこっちも気鬱になります。


これまでのレビュはコチラ

同棲愛1        


同棲愛6 著者:水城せとな
リブレ出版SBBC BLコミック 2010年7月
★★★★
同棲愛 6 (スーパービーボーイコミックス)/水城 せとな
¥780
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◆あらすじ(コミック裏表紙)
馬堀と薫が付き合っていると知った椿は、それ以来薫と上手く話せなくなっていた。そして薫は、椿に対するイライラを、露骨に馬堀にぶつけるようになる。 一方、千里は趣味であるカメラがきっかけで写真へのめり込む。置き去りにされた光太郎は、自分が千里にとって不要になってしまうのかという不安から過食になってしまい…。 僕たちの関係は、初めから壊れていたのか――!? 
誰かに救われたい。だけど弱みが見せられない…。椿、光太郎の叫び、薫の屈折、千里の残酷、そして報われない馬堀。 新装版第6巻! ◆



馬堀と薫の関係も
光太郎と千里の関係も
壊れ始めてます。


千里が色弱であることを告げられた光太郎は
[千里の視界はどういう風に見えてるのか]
を尋ねますが、
それに対する千里の答えは
[自分以外の人がどう見えてるのか知らないのに
どう違うのかなんて説明できない]
というもの。

なんか深いセリフだなぁと。
これは色弱というのと関係なく
誰しもに言えることなのでは。

自分が見るもの受け止めるもの
それが全てではないのは
わかってるけど
他の人にはどう見えてるのかまでは
わからない。

さらに言えば。
自分が思う自分自身と
人が自分をどう見てるのか
その違いなんてわからない。
って、これはちょっと穿ちすぎかな?www

でもね、光太郎も千里も
見えてきてしまったみたい。
自分たちの関係が虚構ではないかと。

すれ違ってしまったのか
最初から違っていたのか、
わからないけれど。

あらすじには[千里の残酷]とありますが
どうだろう?
この二人の関係において
光太郎の自覚したものを思えば
光太郎もまた残酷なのでは?


そして馬堀と薫。
このカプには、椿と、そしてヒロが関わっています。

薫は自分の心の不安定さを
馬堀にぶつけてしまい、
馬堀はそれを承知で受け止めようとする。

だからなのかな。
リバってます。薫がSなプレイを仕掛け、
それに甘んじてる馬堀。
愛されたいがゆえなのか…。

でもヒロにツッコまれてます。
馬堀の愛は自己陶酔だと。

うん、確かにそうなのかも。
愛し方が間違っているのか

愛そのものが違うのか。

椿に対する気持ちを自覚した薫に
最後のひとかけらまで尽くした馬堀が
空を見上げるシーン、切ないです。

終盤、馬堀と光太郎が再会してます。


愛されたいと願うこと。
それは誰もが持つものだろうけど。
[愛されること]と[愛すること]
そのどちらが欠けても
心は満たされないのではないかと思います…。


この6巻は、ビブロス版の8巻と9巻だそうです。
ということは次巻で完結なのかな?

とてもハッピーエンドに向かうとは
思えないんだけど、
どうなんだろう?

ハッピーでもアンハッピーでも
きっと何かしらのものが心に残るのでは
と期待しております。


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