とても深いお話でした。
まだ確固たる自己が掴めていない年代の椿と光太郎。
人との出会いと関わりによって見えてくるものがあり
それにより成長していくんですね。
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同棲愛1
同棲愛2 著者:水城せとな
リブレ出版SUPERBBC BLコミック 2010年3月
★★★★
- 同棲愛 2 (リブレコミックス)/水城 せとな
- ¥750
- Amazon.co.jp
◆あらすじ
心がないままに、男性教師にだかれていたことをバラされてしまった杉浦椿は、逃げるように東京へとやってくる。 かりそめの幸福を失い、夜の街を彷徨う椿が出会ったのは 適度に優しく、適度に厳しく、椿を甘やかす二丁目の人気者・馬堀貴文。 彼のくれる、とても楽で、自分のことを好きでいられる時間… だけど、何かが違う。ここは自分のいる場所ではない。 かすかな歪みが、少しずつ椿の前に立ち現れて――!? 彷徨う椿と、愛を信じられない光太郎の邂逅と別離までを収録。 ついに主要メンバーが揃い、運命の歯車が回り出す新装版、第2巻! ◆
男であることを否定され
アイデンティティを見失い、
逃げるようにして家出をしてきた椿は
風子という女性と出会います。
自己卑下の塊だった椿は
自分をフツーの『男』として見てくれた彼女との関わりの中で、
前向きな気持ちが芽生えますが
直後の、あまりにも突然な彼女との別れによって
今までの自分の生き方に気付きます。
そして、馬堀との出会い。
彼と暮らす何気ない日常の中で
変わっていく自分を感じる椿なのです。
なりたい自分になればいいという
包み込むような馬堀の愛情で
心が凪いでいく椿ですが、
いつしかそこに違和感を感じ始めるんです。
自分で自分を閉ざされた世界に押し込めていたような椿は
やっとかつての自分の感情を思い出すんですよ。
『自分が好き』
これって大事なことですよね~。
けっしてナルシスト的な意味合いじゃなく
人が生きていくうえで大事な感情だと思いますもん。
自分が一番自分を好きじゃなかったら
毎日がすごくつらいですもんね~。
そして馬堀から離れた椿は光太郎と出会います。
ずっと自己否定をし続けている光太郎に
椿が言った言葉が良かったです。
『だって自分が好きだもん
自分しか自分のこと
シアワセにできるヤツいないじゃない』
光太郎の心にある罪悪感そのものを
肯定するんですよ~。
誰もが、なにかしらの罪を抱えてるって。
この後、二人は身体を繋げるんだけど
そこに至るまでのお話が
とても美しくて感動的だった。
『セックスは汚い』という光太郎に
『キレイなセックスをしよう』という椿。
互いの体を受け入れあうセックス。
とても崇高で美しかった。。。
終盤、新キャラ・千里が登場して
物語はまたまた展開していくようです。
楽しみ!
マホリンがすごくかわいそうだったけどwww
数々の心に響くセリフがあって
本当に良いお話だと思うのです。
でも、もし東京都の例の条例が可決されてしまったら
こういった作品も読めなくなるのですよね。
1巻では椿も光太郎も中学生だったし
2巻では、二人とも19歳になってますが
これが『非現実青少年』の定義である
外見上18歳未満とされてしまえば
規制対象になるわけです。
本当に必要な条例なのかどうか、はなはだ疑問だ。
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