データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.5 | Peanuts & Crackerjack

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Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!




使用している用語についての詳細はこちら → 【 用語集 ( Acronyms, Abbreviations & Jargons ) 】


記録的な暑さの続いた真夏の日々も

9月の声を聞くと共にこちらも記録的な、と言っていい
集中的な豪雨の数々によってようやく終わりを告げ

徐々にではありますが秋の涼しさを
肌で感じるようになったこの頃、

ライオンズもその120ゲームを消化し終えるなど

いよいよNPBのレギュラーシーズンも
最終的な順位が確定してくる、そしてそしてシーズンの終了が目の前に迫ってくる
緊迫の最終盤のゲームの数々を迎えることとなりました。

ということでいつもどおり、定期的に利用している手法を用いて
シーズン5/6消化時点での救援陣の成績を客観的なデータで振りかえると共に
またそのデータの推移をグラフを用いて示していき

前回の分析では非常に危険な兆候、いや兆候を通り越して
非常に危険な成績
となっていたライオンズ救援陣の成績が

果たしてその後9/7終了時点までにどのように推移したのか
そしてそうであるならばその要因はどこに大きく求められるべきかについて

今回も注意深く観察していければと思います。


( ※参照 : 2011年シーズン → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣 vol.4 & RECAP 】
        2012年シーズン → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.6 (FINAL) & RECAP 】
        2013年シーズン、24ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.1 】
        2013年シーズン、48ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.2 】
        2013年シーズン、72ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.3 】
        2013年シーズン、96ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.4 】


【 パ・リーグの各球団および平均データとの比較 】


まずはいつもどおり、パ・リーグ5球団の成績とまたライオンズを含んだリーグ平均の成績、
そしてライオンズ全体・ライオンズ先発陣・ライオンズ救援陣の成績を
ひとつの表の中に様々な指標を使って表示し

その後グラフで 2011年シーズンの最終実績、2012年シーズンの最終実績、
そして2013年シーズンの24ゲーム消化時点、48ゲーム消化時点、
72ゲーム消化時点、96ゲーム消化時点、最後に120ゲーム消化時点の順で

その推移を追っていきながら様々に分析していければと思います。

  ※なお、ライオンズ以外の他チームおよびリーグ平均のデータは
   えるてんさんがプロ野球 ヌルデータ置き場にて集計なさったものを利用させていただきました。

   この場を借りて改めて心より御礼申し上げます。


それではまず初めに9/7終了時点(=ライオンズ120ゲーム終了時点)での
各チーム、及びライオンズ先発陣/救援陣のデータを表にてご覧いただきたいと思います。

$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907Stats

そして続いて、視覚的にわかりやすく観ていただくために
それぞれの部分のデータの推移を
折れ線グラフ
にて観ていただきながら

最後にまとめて、多少分析を施していければと思います。


$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907InningsPitched

$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907WHIP

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907AVGPeanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907BABIP

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907IsoDPeanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907W%

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907IsoPPeanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907HR%

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907K%Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907FIP


残念ではありますが、一言で言って
8月の灼熱の暑さの中でのゲームの数々において

ライオンズ救援陣の成績は奪三振を除きどの要素を見ていっても非常に物足りなく
結果非常に物足りない、惨憺たる成績を残すことにつながった
と評価できます。


"勝負”のシーズン終盤戦を迎え、どのチームも

現在自チームよりの成績の良いチームを追いかけるために
多少無理をしてでも目の前の1勝にこだわる中で

先発投手を早め早めの判断で降板させ
その後のイニングを救援陣の継投で繋いでいきながら

なんとか僅差の得失点差を維持しつつ
このゲームの勝利を掴む"機会"を残し維持しようとする
中で

ライオンズもその例にもれず
更に救援陣の分担するイニング数が増えてきたものの


まずは前回の分析でも述べたような

まだまだ試行錯誤の中で
頭角を現し実績を積んでいく選手たちを見出していく段階が長引き

役割の安定した、“信頼”の繋がっていく救援陣が
まだまだ再構成の真っただ中にあり安定していない状態が
シーズン最終盤を迎えるこの時期に至っても続いていること


前回分析時よりも更に大きく悪化した
その被BABIPの成績
に顕著に表れており


続いて、相も変わらずに10%を大きく超えてくる
非常に物足りない、リーグ最低水準の四死球率で留まる
中で


最後に、この1/6期間で急激に悪化したのが
被本塁打率やそして被IsoPの成績である
ことから

被本塁打数そして被長打数が
急激に増加した
ことが観て取れますから


つまりは与四死球で余計な出塁を数多く奪われ
加えて数多くの被安打で塁上に数多くの走者を賑わせ

その上で一発長打で大量失点を喫するという
最悪のシナリオ
がクッキリと浮かび上がってきます。


実は、ライオンズ先発陣もリーグ最低水準の
非常に物足りない被本塁打率、そして被長打率(被IsoP)を記録
していますが

それでもリーグ最高水準の、素晴らしい四死球率を残し
更には被BABIPも非常に優秀な部類
ですから

どうしようもなく大量失点を繰り返すことはなく
そこまで大きな問題となることなく済んできている
といえますから

もちろんライオンズ先発陣・救援陣ともに

“今後じっくりと取り組んでいく課題として”
被本塁打数を中心とした被長打数の削減が挙げられる
ものの


ライオンズリリーフ陣の最大の課題は、そして
現在の"崩壊"といってもよいその惨状の直接の原因

まずは第一に、この救援陣の投球がそして奪うアウトの一つひとつが
非常に重要となってくるこのシーズン終盤
になっても

信頼できるブルペン陣の戦力再構築が間に合わずに
未だに試行錯誤や頻繁な戦力入れ替えを試し続けていること


そしてそれに加えて第二に、いつまでたっても改善されない
非常に物足りない成績で高留まる四死球数


この2点に集約できると観察できます。


このシーズン最終盤に至って
ここでライオンズの長年の、そして最大の課題の一つである
リリーフ陣がその弱点を白日のもとに晒してしまった
ことは

今2013年シーズンのライオンズにとって
これ以上ないと言ってよい非常に大きな痛手であると言わざるをえませんが

それでも、これが疑いようもなく
ライオンズの直面している厳しい現実である
ということは
冷静に、真正面から受け止めなくてはならないものです。

シーズンは決して終わったわけではなく
これからまだあと1/6 - つまり24ゲームが
ライオンズの選手たちを、そして私たちを待っています。

順調に、思うように勝利を積み重ねていくことが非常に困難
そして今後も何度も何度も、非常に厳しい敗戦の数々を
積み重ねていくことが大いに予測できます


それでもライオンズは、そしてベースボール・ゲームは
今後も永きにわたって脈々と続いていくもの
ですから

来シーズン以降の為に、そしてそこまでいかなくとも
明日のゲームでの登板の為に、そして次の打者との勝負でアウトを奪うために

今シーズン最後のアウトを奪うその瞬間まで

“信頼できる”救援陣を再構築していくこと、そして
穴のあいた先発ローテーション枠をやりくりしていくことへの

首脳陣の、そして各投手個々人の模索や試行錯誤、そして挑戦を
是非是非魅せ続けていってほしい
と願います。


それでは最後に今2013年シーズン、120ゲーム(シーズンの5/6)消化時点の
ライオンズ投手陣の生データおよび

そのライオンズ投手陣の分担イニングをそのまま9イニングに凝縮した
“モデルの試合”を構築しそれぞれの安打数、四死球数などの本数、個数を表示したデータ、

そして先発陣と救援陣の残してきた成績を比較しやすくするために
どちらも9イニングを先発陣だけ、もしくは救援陣だけで担当したと仮定した場合の
それぞれの安打数、四死球数などの平均本数、個数を表示したデータを表示し

今シーズン終了時点ではいくつかの改善点や
その兆しが見えてきていることを心より願いつつ

今回はこのあたりにして終了したいと思います。


$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130907RawData