データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.4 | Peanuts & Crackerjack

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使用している用語についての詳細はこちら → 【 用語集 ( Acronyms, Abbreviations & Jargons ) 】


はじめに、まずはお詫びから。

この記事【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.4 】
ライオンズが2013年シーズンの96ゲームを消化した時点でのデータであり

本来であれば8/12(月)に上梓する予定のものでありましたが

その8/12にamebloの画像upload機能が不調であり
予定通り書き上げることができなかったこと、

またその後もちょうどお盆近辺の煩雑さにかまけて
もう既にライオンズが108ゲームを消化するに至った今日まで
ずるずると延期していたことを深くお詫びいたします。


さて、それでは早速ですが灼熱の蒸し暑い西武ドームを始めとして
真夏の厳しい戦いが続く8月の真っただ中にいるライオンズの

シーズン2/3消化時点でのディフェンス面での成績を
いつもどおり、定期的に利用している手法を用いて
客観的なデータで振りかえっていきましょう。


( ※参照 : 2011年シーズン → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣 vol.4 & RECAP 】
        2012年シーズン → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.6 (FINAL) & RECAP 】
        2013年シーズン、24ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.1 】
        2013年シーズン、48ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.2 】
        2013年シーズン、72ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.3 】


【 パ・リーグの各球団および平均データとの比較 】


まずはいつもどおり、パ・リーグ5球団の成績とまたライオンズを含んだリーグ平均の成績、
そしてライオンズ全体・ライオンズ先発陣・ライオンズ救援陣の成績を
ひとつの表の中に様々な指標を使って表示し

その後グラフで 2011年シーズンの最終実績、2012年シーズンの最終実績、
そして2013年シーズンの24ゲーム消化時点、48ゲーム消化時点、
72ゲーム終了時点、最後に96ゲーム終了時点の順で

その推移を追っていきながら様々に分析していければと思います。

  ※なお、ライオンズ以外の他チームおよびリーグ平均のデータは
   えるてんさんがプロ野球 ヌルデータ置き場にて集計なさったものを利用させていただきました。

   この場を借りて改めて心より御礼申し上げます。


それではまず初めに8/8終了時点(=ライオンズ96ゲーム終了時点)での
各チーム、及びライオンズ先発陣/救援陣のデータを表にてご覧いただきたいと思います。

$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808Stats

そして続いて、視覚的にわかりやすく観ていただくために
それぞれの部分のデータの推移を
折れ線グラフ
にて観ていただきながら

最後にまとめて、多少分析を施していければと思います。

$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808IP

$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808WHIP

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808AVGPeanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808BABIP

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808IsoDPeanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808W%

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808IsoPPeanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808HR%

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808K%Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808FIP


ライオンズ先発陣が
遂に2%を超える被本塁打率を記録するに至るなど
特に本塁打を中心とした長打を数多く浴び


9イニング中に占める消化イニングも
低下の兆しを見せていく
中で

どれだけ信頼できるリリーフ陣が構築されているかが
チームにとって非常に重要な要素
となってきますが

結論から言えば、奪三振率(K%)は非常に優秀な水準で推移
被本塁打率(HR%)も優秀な成績を維持しているものの

四死球率((BB+HBP)%)は相変わらず非常に物足りない水準で留まり

また加えて被BABIPがなかなか落ち着きを見せずに
悪化の一途となっている
ため

WHIP、つまり被出塁数がなかなかそのリーグ平均以下の物足りない成績から
良化していく傾向をみせてくれていない
と評価できます。

被BABIPの安定化のためには

役割の安定した、“信頼”の繋がっていく救援陣を再構成すること

この要素が必要不可欠となってくる
ため

つまりはまだまだ試行錯誤の中で
頭角を現し実績を積んでいく選手たちを見出していく段階が
長引き、続いている
ことが観てとれます。

シーズン途中から頭角を現し
非常に素晴らしい成績を収めていた
増田さんがもがき苦しみ

また今シーズン前半戦においては
クローザーに抜擢され7セーヴを記録した大石さん


速球以外の球種が思うように操れずに
その上ずった半速球を、そしてその後頼らざるを得なくなった速球を
うまく相手打者たちに狙われ続け

なんと今や5.6%という惨憺たる被本塁打率を記録するように
数多く長打を浴び続けていく
ようになっており

更にはランディさんは全般的に好成績を維持しているものの、どうしても
今現時点でも15%を超える非常に物足りない四死球率に留まり

そしてクローザーであるデニスさんが
成績こそ5勝8ホールド5セーヴを残すものの

その一方で10%を超える物足りない四死球率
足を引っ張られるなどして既に6 blown savesを記録するなど

つまりは特に1点リードの最終回の場面といった
“tough save situation”において
未だにそのリードを保ち切れずに同点に追いつかれ


それでもその後攻撃陣が再度援護点を奪い
チームは勝利をおさめるため数多くの自らの勝ち星を拾うものの

肝心のクローザーのしごとである、セーヴ数を稼ぐことについては
なかなか思うように積み重ねていくことに失敗し続けている
など

現状様々に各救援投手たちが苦しんでいることが観てとれますが


最大の原因として挙げられるのはやはり首脳陣が

昨シーズン6番目の先発投手の固定に最後まで頭を悩ませた反省から、

また何とか先発投手として復活してほしいという強い願いと共に
2年続けてリリーフ起用を命じることを徹底して避け続けたこと
から

涌井さんの起用方法について、
先発起用に“賭け”続けたその“執念”にも似た方針
結局その期待を大きく裏切る涌井さんの物足りない投球とともに失敗に終わり

先発投手として起用した涌井さんが
満足に長いイニングを消化できずに早々にマウンドを降り
結局は救援陣に長いイニングを消化していくことを強いる
ものの

その救援陣も出たり入ったりする涌井さんを欠いた中で
信頼できる、役割の固定したメンバー構成ではなく
バタバタの中でどうしようもなく大量失点を繰り返す
という

結果的に先発陣も、そして救援陣も
渦中の涌井さんを中心に、バタバタと引っ張られ落ち着かずに

そのしわ寄せが他の投手たちに、そして
攻撃陣を含めたチーム全体に波及していくという
目を覆わんばかりの悪循環である
と観察できます。

もちろん、私がここで言いたいのは

首脳陣の、ある意味“賭け”といってもいい執念の
涌井さんの先発起用にこだわった方針“それ自体”

誤りであった、ということでは決してありません。

先発投手が最少失点にまとめ続けながら
長いイニングを安定して消化していくことこそ

チームのディフェンスを安定的に支える
最大の要素である
ことに異論はなく

第一義的には涌井さんが首脳陣の期待通り、願い通りに
先発投手として安定してその素晴らしい投球を魅せ続けていきながら
継続して長いイニングを消化し続けていくことができれば


それが素直に先発投手・涌井さんに対して早々に見切りをつけ
リリーフ投手として、クローザーとして起用し
空いた先発6番手を試行錯誤の中で探していくシナリオ
と比較しても

それが最も望ましいシナリオであったことは疑いの余地はないもので

そのシナリオにしがみついた首脳陣の方針“自体”が
初めから、根本から間違っていたとするのは
それこそ“結果論”にしか過ぎない
と言えます。

ただ、それでも“結果として”その、ライオンズのディフェンスにとっての
“ベスト・シナリオ”に辛抱強く拘り続けたものの失敗したために

先発陣・救援陣ともに、そしてひいては
守備陣・攻撃陣をも含めたチーム全体に

大きな混乱とドタバタを、そして過度な負担を強いて
成績の悪化を、そして屈辱的な敗戦の数々を強いたこと
については

結果が問われるだけに、首脳陣に
大きな責任が残った
と評価できます。

ただ、その責任については、シーズンが終了した時点で
残ったチームの成績を基準に総合的に判断すべき
であり

今ここで最終判断を、といったものでは決してなく

今現在は、ここからでもこの苦しいチーム構成事情から
いかにして首脳陣が立て直していくかといったその手腕に注目すべき


もう既に、そろそろシーズンも
最終盤を迎える時期が迫ってきて
いますが、それでも

涌井さんを中心にいかにして“信頼できる”救援陣を構築していくか、
そして穴のあいた先発ローテーション枠を如何にしてやりくりしていくか


今後も楽しみに追い続けていければと思います。


それでは最後に今2013年シーズン、96ゲーム(シーズンの2/3)消化時点の
ライオンズ投手陣の生データおよび

そのライオンズ投手陣の分担イニングをそのまま9イニングに凝縮した
“モデルの試合”を構築しそれぞれの安打数、四死球数などの本数、個数を表示したデータ、

そして先発陣と救援陣の残してきた成績を比較しやすくするために
どちらも9イニングを先発陣だけ、もしくは救援陣だけで担当したと仮定した場合の
それぞれの安打数、四死球数などの平均本数、個数を表示したデータを表示し

今回はこのあたりにして終了したいと思います。


$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130808RawData