データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.3 | Peanuts & Crackerjack

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使用している用語についての詳細はこちら → 【 用語集 ( Acronyms, Abbreviations & Jargons ) 】


交流戦も終わり、リーグ内での対戦が始まったかと思えば
すぐそこにオールスター・ゲームが迫ってくるこの時期、

日本全国各地で一挙に梅雨明けが宣言されていく中で
いよいよ灼熱の蒸し暑い夏がその本番を迎える季節となりました。

ライオンズも紆余曲折、浮き沈みを経験しながら既に76ゲームを消化、
その長い長いシーズンのようやく折り返し地点を過ぎましたので

いつもどおり、定期的に利用している手法を用いて
シーズン1/2消化時点での救援陣の成績を客観的なデータで振りかえると共に
またそのデータの推移をグラフを用いて示していき

前回の分析では総括として

全体としてはまだまだリーグ平均付近に留まっているため
今後の更なるリリーフ陣の再構成および改善に期待したいということ、

但し四死球数についてだけはすでにリーグ最低数クラスの
非常に物足りない成績を記録していますから
こちらは早急に改善が必要である
ということ

この2点を挙げましたが

果たしてその後7/3終了時点までにその成績はどのように推移したのか
そしてそうであるならばその要因はどこに大きく求められるべきかについて

今回も注意深く観察していければと思います。

( ※参照 : 2011年シーズン → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣 vol.4 & RECAP 】
        2012年シーズン → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.6 (FINAL) & RECAP 】
        2013年シーズン、24ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.1 】
        2013年シーズン、48ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2013 vol.2 】


【 パ・リーグの各球団および平均データとの比較 】


まずはいつもどおり、パ・リーグ5球団の成績とまたライオンズを含んだリーグ平均の成績、
そしてライオンズ全体・ライオンズ先発陣・ライオンズ救援陣の成績を
ひとつの表の中に様々な指標を使って表示し

その後グラフで 2011年シーズンの最終実績、2012年シーズンの最終実績、
そして2013年シーズンの24ゲーム消化時点、48ゲーム消化時点、
そして72ゲーム終了時点の順で

その推移を追っていきながら様々に分析していければと思います。

  ※なお、ライオンズ以外の他チームおよびリーグ平均のデータは
   えるてんさんがプロ野球 ヌルデータ置き場にて集計なさったものを利用させていただきました。

   この場を借りて改めて心より御礼申し上げます。

それではまず初めに7/3終了時点(=ライオンズ72ゲーム終了時点)での
各チーム、及びライオンズ先発陣/救援陣のデータを表にてご覧いただきたいと思います。

$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703Stats

そして続いて、視覚的にわかりやすく観ていただくために
今回からは一気に、それぞれの部分のデータの推移を
折れ線グラフ
にて観ていただきながら

最後にまとめて、多少分析を施していければと思います。

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703InningsPitched Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703WHIP

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703AVG Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703BABIP

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703IsoD Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703W%

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703IsoP Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703HR%

Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703K% Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703FIP

シーズン1/3終了時点と同じく、9イニング中
7回の1アウトもしくは2アウトからの8個、もしくは7個のアウト


平均して分担してきたライオンズブルペン陣、

WHIPで見る限りそのリーグ最低水準にまでへの悪化が
非常に気がかり
になるところです。

但し、その原因を探るために
各部分の成績をひとつひとつ観ていくならば

もちろん、(BB+HBP)%および被IsoDの成績に表れているように
リーグ最低水準で高止まるその四死球数については

ライオンズ先発陣が非常に優秀な成績を残しているため
そのおかげでライオンズ投手陣全体としては
リーグ最高水準の成績を誇っている
今のうちに

早急に、今後も引き続き最優先で改善していく必要があるものの

シーズン1/3消化時点に比べれば多少ではありますが
良化させてくる
ことに成功していますから

上で挙げた、WHIPの悪化の原因としては不適切であると観て取れます。

それでは続いて、被本塁打に代表される被長打数について
HR%被IsoPの成績を観ていくと

興味深いのは、HR%についてはリーグ最高水準を維持しているのに対し
逆に被IsoPについてはリーグ最低水準へと悪化しているということで

これはつまり、被本塁打は増加していないものの
被二塁打や被三塁打が増加しているということを意味していると観て取れます。

このことは、ライオンズ救援陣の被打率および被BABIPの成績の
いずれもの悪化
とあわせて観れは

結局は、二塁打・三塁打だけに限らず
単打も含めたインフィールドに弾き返された
(本塁打を除く)被安打数の増加
を意味しますから

その根本の原因は、被BABIPの成績にこそ求められると分析できます。

この被BABIPの悪化については、今後救援陣が入れ替えや調整を経て再構成され
ある程度信頼できるメンバーが確立され安定していく
中で

経験的に、シーズンの終了する時位にそのデータが蓄積されていけば
その値はどのチームもほぼ同じ点に収束していくことが広く知られ
ていますので

ちょうど今、高山選手とのトレードで川崎さんが加入したり
逆に渡辺直人さんとのトレードで長田投手が移籍していったりといった

トレードによる選手の入れ替えに象徴されるように

ライオンズがそのブルペンにおいて
若く未だ実績の少ない投手を含め様々な投手に対しその活躍の場、機会を与え

試行錯誤の中で頭角を現し実績を積んでいく選手たちを見出しながら
信頼できるメンバー構成を再構築しようとしていることこそが

現在の、その被BABIPの悪化の最大の原因であろうと推察できます。

ということでこの現在の、被BABIPの成績の悪化に導かれた
WHIPの悪化についてはそこまで慌てる必要はなく

もちろんまだまだ四死球数については
最優先で削減していく必要がある
ものの

それ以外についてはとにかく早く、但しじっくりと腰を据えて
役割の安定した、“信頼”の繋がっていく救援陣を再構成すること
こそ

その成績の良化に繋がっていくと観て取れます。

増田さんが少しずつではありますが頭角を現し始め

ランディさんが復帰し、まだまだ四死球数については改善の余地があるものの
その素晴らしい投球を再度披露し始め

またデニスさんも一時期の高めへの速球一辺倒の苦しい投球から
ある程度改善の兆しを見せ始めるようになりました。

もちろんまだまだ今後も数多くの投手たちの台頭と
そして改善向上とが必要な、発展途上の状態である
ことに間違いはありませんが

一方でその変化が、成長が非常に楽しみであることも
また確かであるといえます。

今ここで私が改めて指摘する必要もないほど
何度も何度も耳にタコができるほど聞きあきたことでしょうが

四死球を奪われていては自らの特長を披露することもできなければ
逆に現在の自分の物足りないところ、そして改善点も見えてきません
から

大胆に言うならば、今シーズンの終了時点で区切った結果がどうなろうとも
それを気に病みすぎて焦ったり、萎縮したりする必要はまったくなく


機会を与えられた投手は、今後もとにかく積極的に大胆にゾーンを攻め続け
自らの持てる最高の投球を、素晴らしさを勝負の中で存分に披露してほしい
ですね。

今後誰がクローザーセットアップ・マンの役割を、そして更には
リリーフ・エースの役割をその掌にガッチリと掴んでいくかといった
信頼のおけるライオンズリリーフ陣の再構成

そしてその中での各投手の成功と失敗との繰り返しの中での
試行錯誤の連続と向上改善と
を楽しみにしつつ

最後に今2013年シーズン、72ゲーム(シーズンの1/2)消化時点の
ライオンズ投手陣の生データおよび

そのライオンズ投手陣の分担イニングをそのまま9イニングに凝縮した
“モデルの試合”を構築しそれぞれの安打数、四死球数などの本数、個数を表示したデータ、

そして先発陣と救援陣の残してきた成績を比較しやすくするために
どちらも9イニングを先発陣だけ、もしくは救援陣だけで担当したと仮定した場合の
それぞれの安打数、四死球数などの平均本数、個数を表示したデータを表示し

次回96ゲーム終了時点ではライオンズの投手陣が、リリーフ陣が

更なる数多くの投手たちの台頭を魅せてくれるとともに
その信頼できる構成の輪郭を示し始めていることを心より願い
ながら

今回はこのあたりにして終了したいと思います。


$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20130703RawData