日本のアルカトラズ? | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥

   
   
世間一般に、”佐渡”という秘境の孤島(?)には、
歴史的に見ても昔から暗いイメージがある。
その事実は現代に生きる人間の眼では、
実際に誰も見てはいない。それでも、
江戸時代に流刑地とされていた場所であることは、
幾つかの観光名所にも、その痕跡が確かにある。
もうその時代に生きた人間はいないと云っても、
事実は事実だから否定しようがないけど、
現実、この島に生きる人々の生活意識の中には、
そんな影は微塵もない。
同じ38度線にある北朝鮮の日本人拉致問題を巡り、
一時はまた、外側の目から見て、
あまりイイ印象が持たれない部分も無きにしもあらず…だった。
帰って来たあの家族そのものは
”朝鮮戦争の犠牲者”として大変なことは大変だ。
ただ、他の帰国者も含め、今になってすべての人が
何をどこまで歓迎しているかどうかには疑問がある。
そもそも、あの拉致問題、拉致事件、拉致疑惑というものは、
そのことだけに捉われてどうのこうのという問題以前に、
1950年当時のソビエトの”意地のなすり合い”による
朝鮮戦争の問題を洗っていかなければならない・と俺は思う。
なぜあの半島が、今もって38度線で分断されたままなのか?
そのことに疑問を持ち、また教育(特に文部科学省配下の義務教育)の中で、
しっかりとした認識を国民に持たせなければ、誰にとっても他人事でしかない。
ヒロシマ・ナガサキの後始末 がどうとか、
ヴェトナムやフォークランドでの当時のアメリカやイギリスのやり方、
湾岸戦争やコソボでの化学兵器の使われ方がどうだったとか、
イラン・イラクが宗教的な対立でどうしたとか、
どっかの国の核実験がどうのと、
そういうことも確かに、”お勉強”は大事かも知れないが、
日本人が、そうした各紛争や内戦等において、
何をどこまで参戦して来た事実があるか?
そういう隠されている問題についても、
日本の教育がもっとしっかりしないと、
拉致問題も拉致問題のまま、
永遠に解決されて行かないかも知れない。
その犠牲者が生きているうちは、
佐渡ばかりでなく、新潟県内や他の地域でも、
問題意識を持った人々の存在が目に見える証拠としてあっても、
果たして、次の次の世代においては、
誰が何をどこまで覚えていられるのか?
 
これは、島流しの歴史を持っていながら、
その刑の重さや罪人達が存在した事実を
既に誰も覚えてはいない意識と同様に、
人間の歴史の中で忘れ去られ、消えてゆく…んじゃねぇのかと思う。
俺はな。
 
さて、その”佐渡”という島は、
昨年(2004年)春より島全体が”佐渡市”となった。
俺がここへ移り住んでから早、4年目に突入する。
妻の実家が、この佐渡という島国の中心部にあって、
都会暮しに慣れた俺にとってはともかく、名目上は
「自分の子供の生活環境を考えて…」
ということで、俺も日本のアルカトラズに流された…(?)
こういう云い方も、元からの島民の人々には失礼かも知れないが、
正直なところ、この佐渡に住んでみるまでは、
俺自身も、”そんな馬鹿げた見解”でしかなかった。
今は全然ちがうけどな。

・・・・俺は罪人ではないし 何の反逆者でも冒涜者でもない。
かつて、自己の中に確かに存在した”自殺願望”という犯罪意識もない。
時々、そういう過去の想いが脳裏をヨギルことはあっても、
それは俺自身じゃないと思っている。
この話は別のページで詳しく書き記して来たが、
http://ameblo.jp/badlife/entry-10003291427.html
実際に、佐渡へ移り住んでからは、ほぼハッキリと区別がついている。
 
2002年の7月に引っ越して来た当初、
俺はすぐに、3千石近くの酒蔵を持つ酒造会社へ就職した。
”真野鶴”という銘柄の日本酒を造っている、
今年、創業112年を迎える老舗の地酒屋。・・・・㈱

そこの観光売店に配属された。
酒が好きな俺であっても、
日本酒というものが、これほどまでに”奥が深い”
ということは何も知らない”トオシロ”だったが、
「カネ貰ったら素人じゃねぇんだよ」
がモットーの俺は、仕事となれば中途半端にはやっていられない。
とにかく、佐渡中の地酒( 真野鶴 以外の銘柄も一通り)を
ほとんど全部 呑み比べて、
佐渡の地酒のエキスパートになることを目標に頑張った。
(…単に 呑みまくった)

以来、どこか行くのに”土産”といえば酒。

実家に帰る時も一升瓶をぶら下げて、

贈り物も全部、酒。

それなりにカネはかかるが

都会ではほとんど手に入らないシロモノを どの人も喜ぶ。

酒ばかりでなく、佐渡では佐渡でしかつくれないモノがある。

で、
仕事中も試飲の酒を色々と味わってみて、
気づいたのは、
米から酒を造る、米で造った”酒”というモノは、
”神が人間に許可した製造物のひとつ”だった・・・
という”神聖な事実”の認識だった。
しかも佐渡には、その全盛期、14軒もの酒造蔵があったうち、
現在もまだ、6件も蔵元がある。
この広大な自然界、地球上から見ると、なんとも狭い範囲の一つの島の中に
日本酒という神聖な飲み物を造る蔵 が、未だ6軒もある。
世界的にも稀な、こんな土地()が、どうして、
”過去に流刑地であった”という歴史上の小さな問題。
たったそれだけのことで、(以前の俺も含め)
世間に暗いイメージを持たれることにとどまっているのか?
やはり、日本の戦後教育のうち、
特に歴史教育が悪い。
例えば、テレビの時代劇にあることなんて作り事、騙り事に過ぎないし、
学校の教科書にあることがすべての事実ではない。
本来の自分の眼を攪乱してくるような情報に偏る生き方、
その常識は、もうこの時代には合わない。 (…全国統一学力テストもな)
たとえ自分の先祖に、無実の罪で”島流し”にあった者がいたとしても、
それは、今この世に生きている自分自身ではない。
また、現実に生きることから逃げて、逃げようとする者ほど、
自分自身の心を”腕に刺青を入れるような格好”にしているに過ぎない。
   
アホなテレビ番組が主張率UPのために内容を面白おかしくして
”ある霊能者のオバサン”は、この島へ渡って来れなかったかも知れないないが、
そんなペテンか八卦ババアのような憑依体質の連中には、
勝手なことを言わせて、やらせておけばいい
し、
そんな奴等は、この島には絶対に渡ってこなくてもいい。
くたばって当然、世の中の為だ。
冬場の旨い酒や魚をお召し上がりになる資格もないし、
魚沼と並ぶ日本の味、”佐渡のコシヒカリ ”を喰う資格もない。
必要なのは、
そういう見掛け倒しの情報に捉われた意識・認識ではなく、
対、自然界”の有り難味、
人間としてどこまで自然と共に生きることを大切にしてるかどうか…。
そういうことだ。
江戸時代のたかだか二百年にも満たない一時の人間の歴史が、
島全体を覆うほどの邪気に包まれてるなんて考え方が、
幼稚、アホ、浅はか、肉体と心のバランスの崩れ、人として恥、
人類意識の衰退を進める愚か者の何者でもない。
まぁ、そんなクタバリ損ないのコ汚い連中の話はともかく、
”佐渡”という土地は、今も昔もそういう場所ではない。
確かに、本土から渡ってくるには手間と時間と費用が掛かる。
そういう面では、俺も例の船会社に、
「おまえら独占企業がそんなにエライのかよ
と唸りたい部分もちょっとは あるけど、
それはそれで、さっきのような”おかしな連中”が、やたらと足を踏み入れ、
余計におかしくしてしまうようなことに ならないよう、
一躍かってる部分(…バリアーになってるところもある・かも知れない。
ただ、”サドガシマ”という呼び方は誰が言い始めたのか?
地元では観光事業に携わる者以外は、
そんな呼び方をする者はいない。
人口7万人弱の島民のほとんどが自分の住む場所を「佐渡」と呼ぶ。
そういう言葉ひとつにしても、
佐渡のイメージは内側と外側では、まったく違う。
その上、酒は旨い。
だから当然、米も旨い。水はきれい。
魚はスーパー売ってる物でも一年中、”朝とれたて”の物が多い。
烏賊の刺身なんて、みんな透き通ってる。
アワビなんてゾウリの大きさはザラだ。
野菜も果物も自家栽培してる家屋の方が多い。
ビルなんて5階建て以上はない。(コンビニはセーブオンが5軒しかない)
今後の自然界が、5階建て以上の建物をことごとく粉砕、崩壊させる世の中になっても
佐渡にそんな災害被害は起りえない・と思う。(5階建て以上のビルなんてほとんどないし
なぜなら、この島に住む人間は、まだ、
世の中の教育がどうあろうと、未だ、
自然に適った、四季の移り変わりに伴って 自分達の生活を営んでる人間が多い。
そういう意味でも、大気・地質・水質などの汚染は、本土に比べれば、
人間の生きる場所としては、まだまだ安全な方…かも知れない。
ただ、価値観ていうもんは一人一人が違うと思うから、
例えば「島の活性化のために…」と考える人達もいて、
俺自身も、そういうことに関心がない訳でもない。
確かに、島民に若者が少ない分、佐渡の農業や漁業も、
今の高齢者世代で終ってしまいそうな心配が…ある部分もある。 …かなりある。
かといって、島から出て行った人や
出て行きたい人を引き止めるつもりもない。
 
現在38歳の俺が、この土地に骨を埋めるかどうかなんて、
そんな先のことは判らないし、考えたくもないが、
俺にとっては、そういう、”憬れの故郷”とか”心の古里”という場所でもない。
自分が自分という人間として生きるべき選択に迫られた末、
ここで人間として素直に、正直に生きることを必要とされた場所。
今の俺にとっては、そういう場所に過ぎない。
また今の時代、この日本国内ばかりじゃなく、
地球上、世界中の至る所で、
そういう場所へ住みたくても住めない、
そういう場所で生きたくても生きられない人間が多くなって来たことも事実だぜ。
   
…俺には、アルカトラズから脱出する必要はない。
.

        

パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
アルカトラズからの脱出
 

 chapter 022 

   
 
   【 追 記 】
 
アルカトラズには、温泉とかスキー場はないけど
佐渡にはあるよ。
 
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■佐渡にはマックも吉野家もないけど

日本全国の吉野家には今、「牛丼はない」ということで、
営業してても あまり客の出入りはないようです。
店は”豚丼”というものをやってるらしいけど、
今の日本の情勢にはオーソドックスに
”カツ丼”
の方がいいかも知れない。
・・・そんなこと云ってるの、俺だけだけど。
2年前だったか、築地の一号店だけが臨時に期間限定で牛丼を再開して
その時だけは凄い行列ができてた。
で、牛肉問題は今現在、
日本国内で発病したヤコブ病患者が どれくらいいるのか?
パニックにならないようにオミットされてる部分、かなりある模様です。
狂牛病感染の牛が見つかっても報道は控えめ。
”スキヤキ”発祥の国では、
スーパーでも牛肉コーナーは未だ縮小されたままです。
苦しんでるのはジャマイカのマック8店舗にいた人だけじゃないようですね。
ちなみに、日本のマックにも少しだけ変化が見られています。
今の日本は少子化で大変な状態なのに
子供向けの”キャラクター戦略”に力を入れすぎてる。
”月満れば即ち欠く”の状態か?

   【 追 記 2 】
 
 
本物の味、いつか 伊丹哲也さん にも飲んでもらいたいけど
それはちょっと おこがましいな。 今はまだ。
 
 
 

 

 真野鶴 「たれ口一番 生」 の味は濃い。

 

 

 


 都会の酒屋では手に入りません。 一部の有名デパートには・・・あるかもな。
 
 正月には 大吟醸の生で”元日初搾り”も出るぞ。
   蔵元限定品でな。

 

 

 

   http://ameblo.jp/badlife/entry-10007185077.html
 日本のアルカトラズ  第二編 December 18, 2005   へ、つづく。