【英国王室】エリザベス女王＆フィリップ殿下　ドイツ訪問で共に...（殿下子供時代写真集付き）

2015年6月26日、4日間のドイツ訪問最終日。ドイツ北部にあるナチスのベルゲン・ベルゼン強制収容所跡を訪れ、犠牲者を悼み夫妻でともに花を手向けました。また2人の解放者と同様に2人の生存者に会う前にアンネフランクの墓などを訪れました。

二人そろって献花をするのはとても珍しいのではないでしょうか。

Queen ElizabethⅡand Prince Philip,Duke of　Edinburgh lay a wreath at the inscription wall during their visit of the concentration camp memorial at Bergen-Belsen on June 26 2015 in Lohheide, Germany.
The Queen and The Duke of Edinburgh viewed the grave of Anne Frank, before they met two survivors of the camp and as well as two liberators.
This is the final day of a four day state visit, which is their first to germany since 2004.

2004年にはじめてドイツを訪問して2度目の公式訪問のエリザベス女王。実はとてもドイツに縁の深いお二人だけれども、敵国として、王家として生きた89歳と94歳のご夫婦...歴史と二人の思いを感じます。

女王の配偶者として決して女王より前に出ない殿下。

華美でない仕立ての良いスーツやファッションは賞賛され、一度も批判の対象となったことがないそうです。

空港で。慢性的なひどい腰痛があるというエリザベス女王。

花束を落とされてしまったのでしょうか。女王に（臣下より頭を垂れさせるわけにはいかない）と94歳の殿下が拾ってくれます。側近さん...何してるのっ('_')

英国とドイツは国同志では戦争で敵国として対立していましたが、エリザベス女王の祖父ジョージ5世とドイツ皇帝ヴィルヘルム2世はいとこ同士。

というのもジョージ5世の祖父アルバート（ヴィクトリア女王夫）は、ドイツのザクセン＝コーブルク＝ゴータ家出身。ヴィクトリア女王はアルバートといとこ同士。

その前も後もドイツと婚姻を繰り返していたため、現英国王室もドイツの血が濃いといわれています。

（ヴィクトリア女王の父はイギリス・ハノーヴァー朝第3代国王ジョージ3世の第四王子であるケント公エドワードの。ハノーヴァー家はドイツの邦国ハノーファー王国の君主の家柄で、旧イギリス王家ステュアート家と縁戚関係があり。母はヴィクトリア(ザクセン＝コーブルク＝ザールフェルト公国）の公フランツの娘）ヴィクトリアは生誕時王位継承権第5位でした。

ジョージ5世は1914年の第一次世界大戦の開戦に伴い、イギリスとドイツは戦火を交えることとなり祖父アルバートは、ドイツのザクセン＝コーブルク＝ゴータ家出身だったことから、ジョージ5世夫妻とその子女達は、ザクセン＝コーブルク＝ゴータ家（サクス＝コバーグ＝ゴータ家）の王子・王女並びにザクセン公夫妻の称号を有していましたが、ジョージ5世は、国民の反独感情を考慮して、1917年7月17日に、ドイツ由来だったサクス＝コバーグ＝ゴータ家の家名を、居城に因んでウィンザー家と改称することを宣言。

なおフィリップ殿下もドイツの家系（ヴィクトリア女王の王女がドイツにお嫁入りしたため。またロシア王家直系でもあり、デンマーク・ギリシャ王家に生まれました）。

（フィリップ殿下とご一家）

ロシア革命で両親ともに近しいニコライ2世一家が殺され、自身もクーデターで処刑対象となり英国王ジョージ5世の船で亡命。両親から離れイギリス王女アリスの長女として、ウィンザー城で生まれた祖母ヴィクトリアと軍人の叔父の元で育てられる。

年の離れた姉4人はドイツにお嫁入りしたため、フィリップ殿下は家族ながら姉と敵として離れて生きることに。母プリンセス・アリスは亡命した夫であるギリシャ王子、ドイツにお嫁入りした娘、英国で軍人となった息子フィリップと離れてひとり困窮しながらギリシャで命を懸けナチスから人をかばい、国民のため赤十字活動にいそしみました。

戦後は修道女となり、息子がドイツの家系ということで批判される中エリザベス王女（当時）と婚約した際もひっそりと息子夫婦に迷惑をかけないようにしていました。

運命の巡り会わせで王家が滅亡していく時代。亡命の王子が世界でも力を誇る国家の配偶者に。

ご機嫌麗しい殿下