「刺すダニ」と「アレルギーの原因になるダニ」は種類が違う | 子肌育Blog アトピーに負けない生活。

子肌育Blog アトピーに負けない生活。

子どものアトピー性皮膚炎治療、スキンケアなどについての正しい知識を、わかりやすくまとめています。

「刺すダニ」と「アレルギーの原因になるダニ」は種類が違う


こんにちは。橋本です。


「ダニに刺されたあとがあるから、アレルギーに気をつけなくちゃ」


これは間違いではないんですが、人を刺すダニと、アレルギーの原因になりやすいダニは、それぞれ違った種類のダニです。


習性や特徴も違います。


ヤケヒョウヒダニ


ダニの種類


ダニは、世界に約2万種いるのではないか、といわれるほど種類がたくさんあります。


その中で、家に増えやすいダニをわけると、だいたい次の4種類になります。


チリダニ(ヒョウヒダニ)

ツメダニ

イエダニ

コナダニ


このほかにも、「ヒゼンダニ」といって、人の皮膚に寄生してかゆみをもたらす、「疥癬(かいせん)」という病気の原因になるダニなんかもいます。


「疥癬」は、アトピーと症状がそっくりです。


診断を間違えて重症化したり、家族にも寄生が広がることがあるので、注意が必要です。


チリダニは大きなアトピー悪化リスク


さて、話を戻して。


4種類のダニの中で、いちばんアトピーに関わりが深いのが、チリダニ(ヒョウヒダニ)。


ぜんそくの原因にもなります。


一般的な家屋に住み着くダニのほとんどが、チリダニだといわれています。


チリダニの中でも、アレルギーをおこす原因とされているのが、


ヤケヒョウヒダニ

コナヒョウヒダニ


おもにこの2種類。肉眼では見えません。


ダニそのものだけでなく、死骸、糞、脱皮した抜けがらなどが、アレルゲンになります。


ハウスダストにアレルギー反応が出る場合も、このチリダニが原因になっているケースが多いです。


また、チリダニが、人を刺すことはありません。


チリダニ以外はOKなの?


「じゃあ、ほかのダニは、いても大丈夫。刺されたりしても、アトピーには関係ないよね」


と思ってしまいますが、そうでもありません。


人を刺す「ツメダニ」「イエダニ」は、短い針のような器官で、皮膚を刺します。


この器官から、ダニの体液がわずかに、人の皮膚内に残ることで、人によっては強いかゆみが出ます。


蚊に刺されて、かゆくなるのと、理屈は同じですね。


ただ違うのは、蚊だとすぐにかゆみがおさまりまるのに対して、ダニに刺されると1~2日たって、じわじわ強いかゆみが出るケースがあること。


人によっては、湿疹ができたり、刺されたのをきっかけにアトピーの症状が悪化することもあります。


そして、ツメダニは、チリダニもエサにします。


つまり、ツメダニに刺されるということは、そのエサになり、アレルギーの原因にもなるチリダニも増えている可能性もあるってことですね。


刺さないダニ、「チリダニ(ヒョウヒダニ)」が大きなアトピーの悪化因子なのは間違いないですが、「それ以外のダニは大丈夫か」というと、そうでもないわけです。


しかし、アトピーの悪化原因になりやすいチリダニを減らすために日々、コツコツ掃除することが、すべてのダニを減らすことにもつながることもまた、間違いありません。


参考記事:
「ダニを増やさないようにする」をイメージでつかむ


関連記事:

「見ない」お医者さん

治療の成果をみるタイミング「3-4-3」

カビはアトピーの悪化リスクのひとつ