オレがたくさん出会ってきた勇者の中でも、最大級の石を運ぶ者であり、もっとも深く魂がつながった戦友を紹介しよう。
佐藤さんは幼い頃から父親に暴力を受け、中学からケンカに明け暮れる日々を送った。
東京大田区はもちろん、川崎や横浜まで、ことごとく刃向かってくる不良たちをつぶし、中二で2000人の不良を従える太田連合総長となる。
しかし年下の彼女に出会い、高校卒業とともに悪の世界から足を洗う。
つつましい同棲生活のなかで結婚資金をたくわえ、普通の幸せを手に入れようとした目前に佐藤さんの一生を変える事件が起こった。
その日22歳の佐藤さんは高圧ケーブルの測定をしていた。
突然、ドーンという爆発音が耳を裂き火だるまになって五メートルも吹き飛ばされる。
ありえない上司のミスだった。
全身が黒焦げになり、血まみれになってころがる。
救命センターに運び込まれ、自分でも助からないのがわかった。
「婚約者にありがとうと言いたいので麻酔を待ってください」
佐藤さんは医師に告げる。
「自分で言いなさい、必ずきみを助けるから！」
そう約束してくれた医師は不眠不休で治療にあたってくれた。
しかしまるでその命を佐藤さんに託すかのように過労から駅のホームで倒れて亡くなった。
まる1ヶ月間意識を失った佐藤さんは奇跡的に命をとりとめる。
目をさますと、芋虫のように包帯で巻かれた体になっていた。
顔も指も溶け、激痛にのたうちまわる。
20歳の婚約者は献身的に介護してくれる。
醜い体になっても愛しつづけてくれる彼女に感謝していたが、一生自分の面倒は看させられないとわざとひどい言葉で追い返す。
「だから親切の押し売りはもうこりごりなんだよ
おまえの顔を見てるとムカつくからもう見舞いにくるな！」
翌日彼女は一枚の紙を差し出した。
彼女のところだけ記入され朱印を押した婚姻届けだった。
やっと心を鬼にして愛する人に別れを告げた佐藤さんは孤独だった。
上司を恨み、運命を呪い、自暴自棄になっているところへ、16歳でやけどを負った古市さんが運びこまれてきたのだ。
古市さんが動かない手にスプーンをテープで巻きつけて自分で食べようと努力する姿に佐藤さんは驚く。
もと二〇〇〇人のワルを束ねる大田連合二代目総長だった佐藤さんに闘争本能がよみがえり、ふたりは競って回復への道を歩みだした。
古市さんがぽそりと言う。
「やけどをしてよかったって思える人生にしようね」
そんなのむりに決まってるだろ！ と言いかけた言葉を佐藤さんはやっとのことでのみこんだ。
「ああ、そうしよう」
やっと病院の戦いがすみ、退院したと思ったら、世間の冷たい壁が立ちふさがっていた。
醜い顔で人に不快な思いをさせないようサングラスやマスクで顔を隠していても、電車の中では陰口を言われ、銀行でお金をおろそうとすると警備員が飛んでくる。
つねに好奇の目にさらされ、罵声と嘲笑を浴びせられる。
佐藤さんは古市さんに誘われ、AKIRAライブにやってくる。
世間の価値観をひっくり返すような歌に衝撃を受け、涙が止まらなくなる。
東北の被災地にかよおうとするオレの運転手をかってで、いっしょに年間50本もの東北ボランティアライブをまわる。
オレたちの住む栃木県から道路も整備されていない東北を運転が得意な佐藤さんがオレを会場まで運び、セッティングを手伝ってくれたあとは、そっと柱の陰に隠れる。
ある日オレはこんなむちゃぶりをした。
「みんなの前で自分に起こったできごとを語ってください。
佐藤さんは上司のミスで事故にあい、東北の人は理不尽な津波によって被災しました。
彼らの気持ちをいちばんわかるのは佐藤さんです！」
火傷以来人目を避けていた佐藤さんは何度も断ったが、それでも勇気をもってステージにあがった。
「僕は上司のミスによって全身の55%に火傷を負い、生死の境をさまよいました。
医師の判断のおかげで両手と両足が残り、こうしてAKIRAさんを東北に車で連れてくることができます。
運命とは過酷なものです。
しかし僕もみなさんも命だけは救われました。
その命をつかって自分にできることをしましょう。
その手で目の前で苦しんでいる人にできることをしましょう」
会場は号泣しはじめ、かけつけた人々が佐藤さんの溶けた指先をぎゅっとにぎって握手する。
「佐藤さんは不自由な体で何十時間も運転してるのに、私は運命を嘆くばかりでなにをやってたんだ。
幸い私は五体満足で生きている。
明日から私も人の役に立つよう生きてみるよ！」
このとき佐藤さんは、はじめて自分の過去が肯定できた。
ああ、自分がくぐった地獄が今、人々に希望を与えてる！
脳裏にあの言葉がよみがえる。
「やけどをしてよかったと思える人生にしよう」
古市さんと約束した未来に佐藤さんは立っていたのだ。
以来すべてのAKIRAライブで佐藤さんはステージに立ち、自分のオペラをやり、たくさんの人に生きる勇気を与えてきた。
オレが末期の胃がん、リンパ節7カ所転移で余命宣告されたとき、何度も佐藤さんの存在に励まされたことか。
オレがガンから復活し、またいっしょにライブをまわりはじめたころ、さらなる試練が佐藤さんに降りかかってきた。
火傷が原因である皮膚ガンだ。
オレは神様に罵声をあびせかける。
「いいかげんにしろ！ 人の超えられない苦しみをやっとのことで乗り越え、たくさんの人を救ってきた佐藤さんにおまえはさらなる試練を与えようとするのか！」
佐藤さんは電車で嘲笑を浴びながらも東京の治療院に通い、極寒の福井で自然療養し、それでもガンは悪化していった。
岐阜から医療相談士の紅が毎週介護に栃木へ通ってくれ、その無条件の愛には感謝の言葉さえ見つからない。
現在佐藤さんの皮膚ガンは背骨にも転移し、足の出血もいつ起こるかわからない。
そのような状況で医師と看護士につきそわれ、5日後10月30日(日)さいたま市でおこなわれるライブにくるというのだ。
起き上がれない体を車椅子にのせるリハビリを必死でおこなっている。
もちろん3時間の全ライブはいられないかもしれないが、佐藤さんはふたたびステージに立ち、大切なメッセージをみんなに伝えようとしている。
全国からさいたま市にかけつけ、目の前の佐藤さんに祈ってくれ。
誠司とお母さん
もはやガンが治る治らないなんて、この勇者には関係ない。
自分の命を削ってまであなたにメッセージを届けるのが勇者も使命だということをこの男は貫き通す。
佐藤さんが全身全霊で伝える言葉をあなたも全身全霊で受け取ってくれ。
10月30日(日)さいたま市にてライヴ
「AKIRA LIVE フレンズ」inさいたま市プラザノース
【開催日】2016年 10月30日（日）
【場所】 埼玉県さいたま市北区宮原町１丁目８５２番地１ さいたま市プラザノース １F大ホール
【交通】 JR宇都宮線：土呂駅徒歩１５分 埼玉新都市交通ニューシャトル：加茂宮駅徒歩５分 駐車場有り：当日は混み合いますのでなるべく公共交通機関をご利用下さい。
【時間】 14:00 受付開始 14:30 会場 15:00 開演 18:00 終了（予定）
【チケット】自由席 ３歳以下無料 事前予約 大人２５００円 ４歳〜小学生１５００円 当日券 大人３０００円 ４歳〜小学生２０００円
【チケット購入方法】 ※メール予約：fenderusaks+1030akira@gmail.com 担当：シノハラあて
上記メールアドレスに必要事項を記入してメールしてください。代金当日支払いご希望のかたは「当日支払い希望」とコメントください。
金額と振込口座を３日以内にご返信いたします。 メール受信後、１週間以内にお振込ください。振込手数料はご負担下さい。 ご入金の確認ができ次第、予約完了となります。
必要事項 ①お名前（複数の場合は代表者のお名前） ②人数 （大人、４歳〜小学生、３歳以下、それぞれの人数） ③ご連絡先（TEL番号） ④振込人口座の名義（ご入金確認のため必ず） ⑤コーラスクワイヤー希望の場合はクワイヤー希望と記載 その場合、代表者はクワイヤー希望の名前にしてください。
※店頭予約：下記店舗で事前ご予約が可能です。店員さんにお声がけ下さい。
★カフェレストラン「バオバブ」 TEL 048-855-8021 〒338-0811 さいたま市桜区白鍬２６９３
★手作り工房「つどい屋」自然食品店 TEL 048-780-2148 〒331-0805 さいたま市北区盆栽町７９光ビル１F
なんとガンと闘っている勇者佐藤誠司さんか病院から医師と看護師を伴ってかけつけてくれます！
佐藤さんに会いに全国からきてください。
そしていっしょに祈ってください。
【特別企画 AKIRA&TAEKOと歌う一般参加コーラスクワイヤー！】
今回、友情出演のTAEKO GLORYがボイストレーニングをおこない 名曲ウレシパモシリ他をアレンジ。コーラスクワイヤー参加者が AKIRAさんとステージで熱唱します。お楽しみに！！
主催:シノハラ カズヨシ
