【夕顔76-2】主語のない部分の解釈問題②
源氏物語イラスト解釈です
では今日も行ってみましょう~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
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今回の源氏物語
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目とまるべきふし加へなどして、あはれと思しぬべき人のけはひなれば、つれなくねたきものの、忘れがたきに思す。
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔76のイラスト訳はこちら
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母の見舞いに行ったところ、夕顔の咲く隣家の女性と和歌のやり取りをします。
一方、同じく身分のさほど高くない空蝉のことも心に残っており、また、空蝉の身代わりに抱いた軒端荻のことも引っかかっています。空蝉の気持ちを見定めてから…と思っている間に、夫である伊予介が帰国してきました。娘の軒端荻を結婚させ、空蝉を任国へ連れて帰るということでした。
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☆ 主語のない部分の解釈問題 ☆
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目とまるべきふし加へなどして、あはれと思しぬべき人のけはひなれば、つれなくねたきものの、忘れがたきに思す。
問)傍線部の解釈として最も適当なものを選べ。
1.陰ながらずっと空蝉のことを恋しく思い続けているような光源氏の和歌の書きぶり。
2.光源氏のことを愛しいと思っているように情熱をこめてある空蝉の和歌の書きぶり。
3.光源氏に自分のつらい気持ちを悟らせないように気を遣った空蝉の和歌の書きぶり。
4.光源氏が恋しいと思わずにいられないような雰囲気の立ちこめた空蝉の和歌の書きぶり。
5.あまりにみごとな修辞を駆使してありったけの想いを訴えかける光源氏の和歌の書きぶり。
さあ。
前回にひき続き、主語のない傍線部の解釈問題です。
慣れないと、なかなか難しく感じますが、
要は、古文目線☆
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
敬語や、語り手の目線に着目し、
イラスト訳のようにイメージして、
古文を読んでいけば、
そんなに悩まずに解けるんです!
(▰˘◡˘▰)
さて。
今回のポイントは、
尊敬語の「思す」です。
【思す(おぼす)】
【他動詞:サ行四段活用】
…お思いになる(「思ふ」の尊敬)
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
尊敬語は、
動作主、つまり主語に対する敬意表現です。
…ならば。
「あはれ」と「思し」ている人は、
光源氏ですよね!
また、「人のけはひ」とあるのは、
光源氏を「人」とは表現しませんので、
ここでは、空蝉の様子のこと。
直前の文脈から、
文の言葉から読み取れる空蝉の気配をさします。
1.陰ながらずっと空蝉のことを恋しく思い続けているような光源氏の(△「人」とズレ)和歌の書きぶり。
2.光源氏のことを愛しいと思っている(△「思す」とズレ)ように情熱をこめてある空蝉の和歌の書きぶり。
3.光源氏に自分のつらい気持ちを悟らせないように(△「あはれ」とズレ)気を遣った空蝉の和歌の書きぶり。
4.光源氏が恋しいと思わずにいられないような雰囲気の立ちこめた空蝉の和歌の書きぶり。
5.あまりにみごとな修辞を駆使してありったけの想いを訴えかける光源氏の(△「人」とズレ)和歌の書きぶり。
正解…4