【夕顔70-2】光源氏の空蝉に対する複雑な思い☆
源氏物語イラスト解釈です
では今日も行ってみましょう~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
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今回の源氏物語
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いとほしきに、「つれなき心はねたけれど、人のためは、あはれ」と思しなさる。
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔70のイラスト訳はこちら
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母の見舞いに行ったところ、夕顔の咲く隣家の女性と和歌のやり取りをします。
一方、同じく身分のさほど高くない空蝉のことも心に残っており、また、空蝉の身代わりに抱いた軒端荻のことも引っかかっています。空蝉の気持ちを見定めてから…と思っている間に、夫である伊予介が帰国してきました。
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☆ 光源氏の空蝉に対する複雑な思い ☆
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いとほしきに、「つれなき心はねたけれど、人のためは、あはれ」と思しなさる。
問)傍線部とあるが、この時の光源氏の心情として最も適当なものを選べ。
1.空蝉のつれない態度は恨めしいけれど、それも伊予介という夫のためだったと思うと、なおいっそう心が惹かれていく。
2.自分に冷淡だった空蝉はしゃくにさわるけれど、この伊予介という夫のためには、尊敬すべき態度であったと思うようになった。
3.空蝉の冷たさは伊予介のせいであったと思っていたが、彼もその不遇を受けていたということが分かり、同情している。
4.自分と空蝉の不倫を責めるわけでもなく、空蝉のために心を尽くしている伊予介に対し、特別な感慨を抱いている。
5.空蝉との浮気がいつ露呈してしまうか分からない状況で、伊予介に対し、心穏やかでなく不安に陥っている。
先日、30年ぶりの新記録となる、
公式戦29連勝を果たした14歳の藤井聡太棋士。
その達成の記者会見の席で、
「単独1位になれたのは自分でも特別な感慨というか今までとは違った喜びがあると感じています」
感慨――!?
!!щ(゜Д゜щ)
そんな言葉が、14歳の口から出るなんて…
(;゚;∀;゚;)
…選択肢を作っていて、
ふと、それを思い出しました。
「あはれ」という古語は、
この「感慨」というイメージがぴったりなのかも知れません。
【あはれなり】
【形容動詞:ナリ活用】
①しみじみとした感じだ。趣深く感じる
②しみじみと心打たれる。すばらしい
③どうしようもなく悲しい。
④もの寂しく、心惹かれる
⑤かわいそうだ。気の毒だ
⑥しみじみかわいい。いとしい
⑦尊くありがたい
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
プラスイメージにも、マイナスイメージにもなる、
文脈判断を要する重要古語ですが、
古文読解問題では、
こういう判断しにくい単語解釈は後まわしにして、
それ以前の文脈との整合性から、
選択肢を吟味すべきですね。
1.空蝉のつれない態度は恨めしいけれど、それも伊予介という夫のためだったと思うと、なおいっそう(△)心が惹かれていく。
2.自分に冷淡だった空蝉はしゃくにさわるけれど、この伊予介という夫のためには、尊敬すべき態度であったと思うようになった。
3.空蝉の冷たさは伊予介のせいであったと思っていたが、彼もその不遇を受けていた(△)ということが分かり、同情している。
4.自分と空蝉の不倫を責めるわけでもなく、空蝉のために心を尽くしている伊予介(△)に対し、特別な感慨を抱いている。
5.空蝉との浮気がいつ露呈してしまうか分からない状況で、伊予介に対し、心穏やかでなく不安に陥って(△)いる。
選択肢5のみが、
「あはれ」の語義とズレていますが、
他の1~4は、
「あはれ」で判断することはできませんね。
正解……2