【夕顔42-2】「て」の識別☆
源氏物語イラスト解釈です
勉強がんばってますか?
では今日も行ってみましょう~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
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今回の源氏物語
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御前駆の松明ほのかにて、いと忍びて出でたまふ。半蔀は下ろしてけり。
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔42のイラスト訳はこちら
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥していた見舞いに、源氏は五条まで出かけます。家の門が開くのを待つ間、夕顔の花が咲く隣家に目をとめます。その花を一房取ってくるよう従者に命じると、その家の女童が、香をたきしめた扇を、花を載せるためにと差し出します。その後、乳母を見舞い、帰り際ふと扇に目をやると、光源氏の正体を察しているような、趣深い和歌が書かれていました。
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☆ 古文でよく出る「て」の識別 ☆
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御前駆の松明ほのかにAて、いと忍びBて出でたまふ。半蔀は下ろしCてけり。
問)傍線部ABCの用法の組み合わせとして最も適当なものを選べ。
1.A 格助詞の一部 B 接続助詞 C 完了の助動詞
2.A 接続助詞 B 接続助詞 C 完了の助動詞
3.A 格助詞の一部 B 格助詞 C 完了の助動詞
4.A 接続助詞 B 完了の助動詞 C 格助詞
5.A 格助詞の一部 B 完了の助動詞 C 格助詞
「て」という語の中では、
現在用いるのと同じ、接続助詞の「て」が、
古文でよく登場します。
しかし、今回出てきたような完了の助動詞は、
大学入試では「て」の識別として頻繁に問われるので
出てきたものから確認しておきましょう♪
(▰˘◡˘▰)
未然形の「て」は、
「てむ」「てまし」「てば」ぐらいしか出てきません。
連用形の「て」は、
「てけり」「てき」「てけむ」などのつながりで判別します。
傍線Cは、「―てけり」という形なので、
見ただけでこの「て」は、
完了の助動詞「つ」の連用形
と判別できます。
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
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☆ 古文でよく出る「にて」の識別 ☆
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傍線Aは、「―にて」という形です。
ヽ(*'0'*)ツ
【にて】
【格助詞】
①【場所・時間・年齢】~で
②【資格・状態】~として、~で
③【手段・方法】~によって、~で
④【原因・理由】~ことで、~によって、~ために
⑤【材料】~で、~によって
【に-て】
【連語:断定の助動詞+接続助詞】
…~であって、~で
【に-て】
【連語:完了の助動詞+接続助詞】
…~しまっていて
(『全訳古語例解辞典』(小学館)より)
この3つが、手元の辞書に載っていますが、
今回の傍線Aは、さらにその直前まで見てください。
ヽ(*'0'*)ツ
御前駆の松明ほのかにAて、…
【ほのかなり】
【形容動詞:ナリ活用】
①わずかに見える様子。うっすらとしている。ぼんやりとしている
②(音などが)わずかに聞こえる様子。かすかである
(『全訳古語例解辞典』(小学館)より)
この「ほのか」という形容動詞の語幹が前にあることで、
傍線A直前の「に」は、
ナリ活用形容動詞「ほのかなり」連用形の活用語尾
だと分かります。
ならば、傍線Aの「て」は、
格助詞「にて」の一部ではなく、
単純接続の助動詞「て」
ということですね!
解答……2