【夕顔21-2】仏教がらみの教養問題☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔21-2】仏教がらみの教養問題☆

源氏物語イラスト解釈ですラブラブ

 

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今回の源氏物語

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「…命長くて、なほ位高くなど見なしたまへ。さてこそ、九品の上にも、障りなく生まれたまはめ。この世にすこし恨み残るは、悪ろきわざとなむ聞く」など、涙ぐみてのたまふ。

   上矢印

訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔21のイラスト訳はこちら

 

 

 

では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥して尼になったため、源氏は五条まで見舞いに出かけます。その家の門が開くのを待つ間、光源氏は夕顔の花が咲く、わびしいたたずまいの隣家に目をとめます。その花を一房取ってくるよう従者に命じると、その隣家から女童が出てきて、これに花を載せて持って行くようにと、香をたきしめた扇を差し出しました。それから、尼となった大弐の乳母を見舞います。

 

「空蝉」の巻 をはじめから読む⇒

『源氏物語』の登場人物はこちら⇒

『源氏物語』の目次一覧はこちら⇒

 

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☆ 仏教絡みの大学入試対応問題 ☆ 

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『源氏物語』において、もっとも難しいのは、

人物関係古典常識的な言葉和歌フレーズの多さです。

((((((ノ゚⊿゚)ノ

 

 

今回は、「九品の上」というのが

注釈要の仏教用語です。。。

(ㆁωㆁ*)

 

 

センター古文などでは、

注釈がついてスルーという場合が多いんですが

 

難関私大や、国公2次では、

次のような問題が出てくることもあるんですのよ~!

ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 サゲサゲ↓  サゲサゲ↓

「…命長くて、なほ位高くなど見なしたまへ。さてこそ、九品の上にも、障りなく生まれたまはめ。この世にすこし恨み残るは、悪ろきわざとなむ聞く」など、涙ぐみてのたまふ。


問)傍線部の理由として最も適当なものを次の中から選べ。

1.長生きをして、乳飲み子である光源氏の出世する姿を見届けることができたら、何の未練もなく心置きなく往生に旅立てるだろうから。

2.光源氏が本当に位が高くなるかどうか分からない、不条理な世の中なので、長生きすればするほど、恨みが残ってしまうだろうから。

3.惟光の主人である光源氏が出世すれば、自分の子の惟光も現世で優遇されるだろうし、来世に恨みを残さなくて済むだろうから。

4.長生きをして、この世に未練が多くなってしまったら、いくら出世したとしても、心置きなく極楽往生に旅立てることが難しくなるであろうから。

5.光源氏が、自分の子である惟光の出世を手助けしてくれるという確信さえ持てれば、心残りなく、死出の道に旅立てるはずであろうから。

  

 

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☆ 「九品の上」 とは ☆ 

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「九品」とは、

「くほん」または「ここのしな」

と読みます。

 

 

九品 【くほん/ここのしな
【名詞】
①浄土教で、極楽浄土に往生する者が生前の罪業・修行の程度の差によって受ける、九等の階位。上品(じようぼん)・中品(ちゆうぼん)・下品(げぼん)に三分され、さらに、それぞれが上生(じようしよう)・中生(ちゆうしよう)・下生(げしよう)に分けられ、上品上生・中品中生・下品下生などと呼ぶ
②「九品浄土」の略 

九品浄土 【くほんじやうど
【名詞】
…極楽浄土
 
  *『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より

 

 

「九品」「上」ってことは…

 

極楽往生の際に与えられる位のなかで

最上位ってことですね!

(。+・`ω・´)ッ

 

 

 

では、どうすれば、

極楽往生の最上階級につけるというのか?

|д・)チラッ

 

 

 

今回は、傍線部直前の

「命長くて、なほ位高くなど見なしたまへ」

が、理由部分です。

 

 

長くて、なほ位高くなど見なしたまへ

訳)寿命長くして、さらに位高くなる姿など見届けて下さい

 

 

光源氏の出世する姿を見届けたら、

なぜ極楽往生で最上位につけるのかは

書かれていませんが…

 

((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃

 

 

1.長生きをして、乳飲み子である光源氏の出世する姿を見届けることができたら、何の未練もなく心置きなく往生に旅立てるだろうから。

2.光源氏が本当に位が高くなるかどうか分からない、不条理な世の中(△)なので、長生きすればするほど、恨みが残ってしまう(△)だろうから。

3.惟光の主人である光源氏が出世すれば、自分の子の惟光も現世で優遇されるだろう(△)し、来世に恨みを残さなくて済むだろうから。

4.長生きをして、この世に未練が多くなってしまったら、いくら出世したとしても(△)、心置きなく極楽往生に旅立てることが難しくなるであろうから。

5.光源氏が、自分の子である惟光の出世を手助けしてくれるという確信(△)さえ持てれば、心残りなく、死出の道に旅立てるはずであろうから。

  

 

 

直前、直後の文脈をしっかり読むこと。

そして、文脈上不自然な選択肢を省くこと。

 

これだけで、選択肢の基本問題はいけそうですね♪

(ノ´▽`)ノ ⌒

 

 

さらに。

光源氏と大弐の乳母(尼君)との関係☆

 (※光源氏の乳母が尼君で、従者惟光はこの乳母の実子)

 

 

当時の乳母との関係、主従関係のあり方☆

 (※当時の乳母や従者はひたすら主人の出世を願っていた)

 

 

   上矢印

こういう古典常識も、

選択肢を裏付ける基礎知識としたいですね♪

♥-(´ε`● )

 

 

 

 

 

解答…

 

 

 

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