【夕顔12-2】シク活用形容詞の語幹?用法 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔12-2】シク活用形容詞の語幹?用法

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ

 

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今回の源氏物語

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「口惜しの花の契りや。一房折りて参れ」

とのたまへば、この押し上げたる門に入りて折る。

   上矢印

訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔12のイラスト訳はこちら

 

 

 

では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥して尼になったため、源氏は五条まで見舞いに出かけます。その時、ふと源氏は、わびしいたたずまいの隣家の白い花に目を向けました。

 

「空蝉」の巻 をはじめから読む⇒

『源氏物語』の登場人物はこちら⇒

『源氏物語』の目次一覧はこちら⇒

 

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大学入試の「形容詞」問題は… ☆

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用言の中でも、動詞や形容動詞に比べ、

形容詞の活用は、入試にあまり出てこないので、

けっこうないがしろにしがちですよね^^;

 

 

ですが、その形容詞のなかでも、

こういった用法は、よく出てくるんですよ~

ヽ(●´Д`●)ノ ~

  サゲサゲ↓  サゲサゲ↓

口惜しの花の契りや。一房折りて参れ」

とのたまへば、この押し上げたる門に入りて折る。

問)傍線部の説明として適当なものをすべて選べ。

1.「口惜しの」の「の」は連体修飾格の格助詞であるが、「花の」の「の」は主格の格助詞である。

2.「口惜しの」の「の」は同格の格助詞であるが、「花の」の「の」は連体修飾格の格助詞である。

3.「口惜し」というシク活用形容詞の語幹に格助詞「の」がついて、連体修飾語となっている。

4.「口惜し」というク活用形容詞の終止形に格助詞「の」がついて、連用修飾語となっている。

5.文末の「や」は、感動を表す終助詞である。

6.文末の「や」は、反語を表す係助詞である。

   

 

「すべて選べ」という問題形式は、

センター古文では、今まで出てくることはありませんでしたが、

 

2020年新テストの提案問題なんかで

よく見かけますよね~!

(*。◇。)ハッ!

 

 

メンドくさいからって避けてないでチュー

 

来年度の私大入試でも

出てくる可能性 大アリですよ~!

─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

 

 

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シク活用形容詞の語幹(?)用法 ☆

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形容詞の語幹用法には、

次の4つがあります。

 

① 感動用法
  …語幹で言い切って感動を表す。
   上に「あな」などの感動詞がくることが多い。


② 連体修飾用法
  …格助詞「の」を伴って連体修飾語となる。
   (※今回のイラスト訳の用法)


③ 「―を―み」の原因用法
  …接尾語「み」を伴って原因・理由を表す。
   「(―を)…み」の形で、「(―が)…ので」と訳す。和歌中に用いられる。


④ 接尾語で品詞が変わる場合
  …接尾語「―げ」「―さ」「―み」がついて名詞となったり、
   「―がる」がついて動詞となったりする。

 

 

ところで…ライン

 

 

シク活用形容詞「口惜し」語幹「口惜(くちを)」☆

 

「口惜しの花の契りや」ではなく、

「口惜の花の契りや」じゃないの?

 

滝汗 滝汗 滝汗

 

 

 

 

口惜し 【くちをし】
【形容詞:シク活用】
①残念だ。がっかりする
②不本意だ。不満だ。はがゆい 

③なさけない。つまらない。感心しない
   
  *学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より

   

 

 

…これ…

 

語幹がどうとかいうよりも、

日本語の感覚として押さえたほうがよいのかも…

(ㆁωㆁ*)

 

 

 

現代でも、①の用法はよく使います。

 

「きたな(汚)っ!」とか――

「悔(くや)しっ!(。>0<。)」とか――

 

 

ほらほら~てへぺろ

「悔し!」とか「嬉し!」とか言っても、

「悔(くや)!」「嬉(うれ)!」なんて言いませんよねぇ~!

─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

 

 

 

 

1.「口惜しの」の「の」は連体修飾格の格助詞であるが、「花の」の「の」は主格の格助詞(×)である。

2.「口惜しの」の「の」は同格の格助詞(×)であるが、「花の」の「の」は連体修飾格の格助詞である。

3.「口惜し」というシク活用形容詞の語幹に格助詞「の」がついて、連体修飾語となっている。

4.「口惜し」というク活用形容詞の終止形(×)に格助詞「の」がついて、連用修飾語(×)となっている。

5.文末の「や」は、感動を表す終助詞である。

6.文末の「や」は、反語を表す係助詞(×)である。

   

 

 

 

 

解答…3・5 

 

 

 

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