【夕顔8-3】古文単語「切懸だつ物」とは☆
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はホボホボ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
知らなければイメージの湧かない古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
切懸だつ物に、いと青やかなる葛の心地よげに這ひかかれるに、白き花ぞ、おのれひとり笑みの眉開けたる。
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今回出てきた古文単語
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■【切懸(きりかけ)】…目隠しのための板塀の一種
■【―だつ】…~のようになる。~めく
■【に】…場所の格助詞
■【いと】…とても
■【青やかなる】…ナリ活用形容動詞「青やかなり」の連体形
■【葛(かづら)】…つる草の総称
■【の】…主格の格助詞
■【心地よげに】…ナリ活用形容動詞「心地よげなり」の連用形
※【心地よげなり】…気分がよさそうだ。満足そうだ
■【這ひかかれ】…ラ行四段動詞「這ひかかる」の已然形
■【る】…存続の助動詞「り」の連体形
■【に】…場所の格助詞
■【白き花】…白い花。ここでは夕顔のこと
■【ぞ】…強意の係助詞
■【おのれ】…自分
■【笑みの眉(まゆ)開く】…花のつぼみが開く
■【開け】…カ行四段動詞「開く」の已然形
■【たる】…存続の助動詞「たり」の連体形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 今回の古文単語 「切懸だつ物」 ☆
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「~だつ」という語は、
「~」とよく似た状態を表す接尾語です。
「~のようになる」などと訳します。
ですが、
「切懸」が何か分からなければ、
全くイメージが湧きませんよね;;
(;゚;∀;゚;)
【名詞】
…目隠しのための板塀の一種。柱に横板をよろい戸のように打ちつけて張ったもの
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
こういうのは、センター試験レベルなら、
おそらく注釈で説明されているでしょうが…
てか、よろい戸って何…?
ヽ((◎д◎ ))ゝ
説明があっても、試験本番では緊張して
まったくイメージが湧かなかったりするんですよね~;
( ゚ ▽ ゚ ;)
なので、
こういう機会に、いろんな知識をイメージとともに入れていくことも、古文鍛錬のひとつだと思います。
「鎧戸(よろいど)」とは、デジタル大辞泉によると、
小幅の横板を傾斜をもたせて並べた鎧板を取り付けてある戸
と書かれています。
鎧板って何…?!
ヽ((◎д◎ ))ゝ
まあこんな感じで深みにハマっていくので…
要するに…
木製の仕切り戸と理解しておきましょう。
ヽ(*'0'*)ツ
「切懸だつ物」とは、
木製の仕切り戸のような所
というイメージ☆
そこに、かわいらしい夕顔の白い花が一輪、
ほほえみを浮かべるように咲いているんですね!
イメージ湧きました?
(*・ ェ ・*)ノ
切懸だつ物に、いと青やかなる葛の心地よげに這ひかかれるに、白き花ぞ、おのれひとり笑みの眉開けたる。
● 過去記事リンク
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