【帚木122-1】いで、あな悲し。かくはた…
【古文】
「…『いで、あな悲し。かくはた思しなりにけるよ』などやうに、あひ知れる人来とぶらひ、ひたすらに憂しとも思ひ離れぬ男、聞きつけて涙落とせば、…」
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(左馬頭の話は続きます)
『いで、あな悲し。
訳)『なんと!まあ悲しいことだ。
かくはた 思しなりにけるよ』などやうに、
訳)いやはやこのように ご決心なさってしまったのだなあ!』などというように、
あひ知れる人来とぶらひ、
訳)互いに知っている人が見舞いに来たり、
ひたすらに憂しとも思ひ離れぬ男、
訳)すっかり嫌だとも諦めていない夫が、
聞きつけて涙落とせば、
訳)それを聞きつけて涙を落とすと、
【古文】
「…『いで、あな悲し。かくはた 思しなりにけるよ』などやうに、あひ知れる人来とぶらひ、ひたすらに憂しとも思ひ離れぬ男、聞きつけて涙落とせば、…」
【訳】
「…『なんと!まあ悲しいことだ。いやはやこのように ご決心なさってしまったのだなあ!』などというように、互いに知っている人が見舞いに来たり、すっかり嫌だとも諦めていない夫が、それを聞きつけて涙を落とすと、。…」
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■【いで】
■【あな】
■【悲し(かなし)】
■【かく】
■【はた】
■【思しなる】
※【思す(おぼす)】
■【に(完了)】
■【ける(詠嘆)】
■【よ】
■【などやう】
※【など(例示)】
※【やうに(例示)】
■【あひ知る】
■【る(完了)】
■【人】
■【来とぶらふ】
■【ひたすら】
■【憂し(うし)】
■【思ひ離る(おもひはなる)】
■【ぬ(打消)】
■【男(おのこ)】
■【已然形+ば】
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