インテルマック上でOS9を動かす(1) | 祝12周年!「お宝広告館」は「東京広告なび」へ

インテルマック上でOS9を動かす(1)

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フリーウェアのSheepshaver(シープシェーバー)で、OS9が動く!!

OS9 on intel Mac
写真は、intelMacでOS9.0.4を動かした様子


昨日のブログの最後の方で、Sheepshaverというフリーソフトを入れて、インテルマックでOS9を動かす方法があると紹介しました。比較的安定しているのですが、一番気になるのはグラフィックデザインの実用にどこまで耐えうるのか、という事。ネットで検索しても、DTP使用にディープに触れたブログは見つからなかったので、いまから使い込んでアップして行こうと思います。

何でこんなすごい物が、それほど世間では話題にならないのかなぁ、と思っていたんですが、一般的にはOS9.0.4のパッケージ版を持ってる人なんてそうそういないんでしょうね、きっと。

OS9.0.4 CD-ROM
これが、今は亡きOS9.0.4パッケージ版


と思っていたら、今月号のMacFan(2008年3月号)の85ページで、1ページまるまるSheepshaverの記事が組んでありました。

MacFan 2008年3月号

【OSの起動はめちゃめちゃ早い】
OSの起動はめちゃめちゃ早いです。ビックリ。

【ファインダーの動きはまったり】
しかし、ファインダーの操作は何だかまったり。フォルダを開くのにワンクッションあります。何だかVNCで遠隔操作している感覚に似ています。Sheepshaverを使ってOS9を起動した上で、オールドマックをリモートVNCで接続すると、OS9のウィンドウが2個開くという面白い現象になります。

OS9 on intel Mac
写真はintelMac上で、SheepShaverでOS9起動ウィンドウと、VNC上でPPC8500の遠隔操作ウィンドウを、同時に開いた様子。



【アプリケーションの起動もめちゃめちゃ早い】
ファインダーはまったりですが、アプリケーションを開いてしまうと、普通にサクサク動きます。

【フルスクリーンモードにすると、まんまOS9のマシンみたい】
なんだけど、重すぎる。。。。

【HDDは一個当たり最大2GBしか使えない】←すいません、違ってました。
ディスクコピーの“読み/書き可能”モードで作成したイメージファイルをマウントして使うのですが、Disk Copyが最大2GBのボリュームしか作成できないためです。ただし、Sheepshaver上ではボリュームを何個でもマウントできるので、HDDをOS用、アプリ用、データ用と分ければ特に問題はないかと思います。

あくまでもSheepshaverは、OS9のアプリで作業するだけの環境と考えて、作ったデータはOSX側に移動しておけばいいかと思います(OSXファイル共有の項参照↓)。
OS9 DiskCopy6.3.3

※その後、別のサイトでdmgファイルが使えるとの情報を発見。OSXのディスクユーティリティーで作成出来るイメージファイルの上限まで使えるのかもしれません。ディスクユーティリティーはTB単位のイメージファイルも作成できるようですね。

【OSは9.0.4まで対応】 
OS9.0.4まで対応
カーボンアプリケーションは使えません。
というわけなので、以下のソフトは起動できませんでした。

●イラストレーター10 … 動きません(ノДT)
●フォトショップ7 … 動きません(ノДT)
起動すると、このマシンには対応してませんというようなメッセージが出ます。

しかし、DTP業界で標準のイラレ8は動きます。

イラストレーター8 … 動きます o(^▽^)o
フォトショップ6 … 動きます o(^▽^)o
Extensis Suitcase9 … 動きます o(^▽^)o
この3つがあれば、DTPは問題なさそうです。

●オフィス2001 … 動きません (ノДT)
●オフィス98 … 動きません (ノДT)
マイクロソフト系は、アプリを起動した瞬間にSheepshaverが落ちました。

クラリスワークス2 … 動きます o(^▽^)o
クラリスワークス4 … 動きます o(^▽^)o
オフィス代わりにクラリスをどうぞ(笑)。

●AppleWorks 6 … 動きません (ノДT)
アップルワークス6はカーボンアプリなので動きませんでした。

Mac書道 … 動きます(爆) o(^▽^)o
ATOK14 … 動きます o(^▽^)o
インターネットエクスプローラー5.1.4 … 動きます o(^▽^)o
 コンパネのTCP/IPでIPアドレスを確認すると、何故かどこにも存在しないアドレスになっていて(桁が少ない)
 よくわからないですが(笑)、ネットアクセスは早いです。

【commandキーとマウスクリックが併用できない!?】
イラストレーターの画面拡大縮小とか、ランチャーのアイコンの大・中・小の切り替えの時など、コマンドーを押しながら普通にマウスを押してるのに、何故か機能しません。数時間悩んだ結果、偶然スクロールボールまるごと押したら機能しました!!頻繁に使うから、スクロールボールの消耗が早そうだなぁ。というわけで、“commandキー+クリック”を使う時は、マウスクリックはボールの上から。

【OS9のファイル共有が使えない?】
OS9でファイル共有を設定しても、ずっと共有起動中というメッセージのままで、共有が始まりません。上記のIPアドレスの件と何か関係あるのかなぁ。今後検証を続けていきます。

【OSXの共有フォルダにアクセス出来た!!】
その後、SheepshaverのOS9からOSXの共有フォルダにアクセスする事で解決しました。これも当初はセレクタからOSXのIPアドレスを入力して接続しても風車が回りっぱなしで、結局強制終了するハメになってばかりで諦めていたのですが。しかしネットワークブラウザを起動してメニューから“サーバーに接続する”でOSXのIPアドレスを入力したら普通に接続できました。これはもしかしたらボクの環境だけの固有の現象の可能性もあるので、他のマシンでは普通にセレクタからアクセス出来るかもしれません。

【“Unix Root”機能でマウントすると、OSXのHDDがUNIXフォーマットに化ける】
Sheepshaverの“Unix Root”設定で、OSXのHDDをマウントする機能があるのですが、この機能ではOSXのHDDがUNIXディスクとして認識されてしまいます。OS9側もOSX側もHFS+でフォーマットしてあるにも関わらずです。よくわからないのですが、Sheepshaverが元々UNIX上で開発されたという経緯があるのかも(よくは知りませんが。ていうかOSX自身がUnixでしたね(笑))。このUNIXディスクを経由すると、文字コードが違うためファイル名の日本語が全部化ける上にマック固有のファイルのヘッダが吹っ飛ぶので、マック上で開けないファイルになってしまいます(Windousを経由した時と同じ現象です)。StuffItで圧縮したファイルなら大丈夫かと思いますが、毎回ファイルを移動するたびに圧縮・解凍を繰り返すのは非常に手間です。というわけで、ボクらのような一般人には“Unix Root”機能は無用の長物です。

【OSXのテキストファイルをOS9で開くと文字が化ける】
文字コードの関係で、OSXのテキストファイルをOS9で開くと、中国語のような読めない文字が出てきます。オフィスのワードで開くと、文字コードを変換できるのですが、Sheepshaverではオフィスが動きません。タダで簡単に解決できる方法としては、OSXのフリーソフト“OpenOffice.org”でテキストファイルを開いて、以下の手順で文字コードを変換してください。

●メニューバーの“名前を付けて保存(A)...”を選ぶ。
●ファイルの種類(T):で“符号化テキスト(.txt)”を選ぶ。
●ASCIIフィルタオプションのウインドウが開いたら、メニューのかなり下の方から、
 “日本語(Apple Machintsh)”を選ぶ。
これで、OS9で普通に開けるテキストファイルが出来ました。OSXのメールをテキスト保存して、OS9で開きたい時などに活用しています。

OpenOfficeにはNeoオフィスという派生版があるそうで、しばらくOSXにはNeoオフィスしかなかったそうなのですが、このOpenOfficeのOSX版が最近出来たそうです。OpenOfficeはネイティブに動くのですが、Neoオフィスは別の動作環境が間にはさまっているそうなので、「少し動作が重い」とネットで知りました。どちらかお好きな方を使ってください。

<OSX用オープンオフィス.org 2.3>
OpenOffice.org for Mac OS X (開発途上らしいので、使用は自己責任でお願いします)

【OS9.1以降をインストールすると二度と起動しなくなる】
素のままで9.0.4以降のアップデートをすると、インストールは出来るものの起動したが最後、「このマシンには対応していません」みたいなメッセージが出て、二度と起動できなくなります。イチから再インストールして作り直せばいいのですが、時間もかかるし面倒です。そんな時のために↓

【起動ディスクのイメージファイルはまめにバックアップを】
クラッシュする時は結構簡単にイッキにいっちゃいます。最大2GB程度のイメージファイルなので、マメにコピーしてバックアップしておいても、それぐらいでOSXの大容量HDDは減るもんじゃあるまいし(笑)、ガバッとバックアップお願いします。ちょっとした機能拡張を入れただけで、二度と起動しなくなる事はよくあるので、ホントにマメにバックアップを。

【OS9.2も動かしたい!!】 9.2.1 EnablerKitcubicarea
いわゆるG2マックと呼ばれるG3以前のマックでは、対応OSは9.1までなのでOS9.2は使用できませんでした。しかし、ネットから“9.2.1 EnablerKit”というフリーツールをダウンロードする事により、マシンを騙してOS9.2をインストールして起動する事が可能でした。ボクもオールドマック8500では使っていました。
9.2.1 EnablerKit

Sheepshaverでは試していないので、どなたか試してみませんか。
このツールを使用するには、OS9.1にアップデートしてある事が前提なのですが、Sheepshaverには9.0.4までしかインストールできません。何か方法を考えて9.1を入れれば、このツールで9.2.2までアップデートする事が可能なのですが。。。今度時間がある時に試してみます。

起動ディスクじゃないセカンドディスクに、一気に9.0.4から9.2.2までアップグレードインストールすれば、可能な気がします。
ちなみに、9.1、9.2.1、9.2.2へのアップデータは、現在でもアップルのサイトで無料で入手可能です。

【結局だめだったけど、まだ可能性はある!!】
で、実験してみたら結局ダメでした(笑)。9.0.4から、別ディスクに上記のパッチを施して9.2.2までアップしたのですが、そのディスクでは起動しませんでした。
ただもう一つ方法があります。この“9.2.1 EnablerKit”をダウンロードすると、OS8からOS9.2.1に直接アップデートできる方法を紹介しています。ボクはOS8のパッケージディスクがどこにいってしまったのか所在不明なので試しておりませんが、どなたか試してみませんか。

【総括 ー 楽しく遊ばせていただきました】
というわけで、華々しくシープシェーバーのレビューをお送りしてきましたが、ボク的には正直実用には厳しかった。OSXの共有ディスクにアクセスすると、日本語の文字化けで「そのファイルは見つかりません」とか言われて、見えてるファイルが開けない事が多かった(全ファイル名、フォルダ名を英語にしていれば問題なし)。今からシープシェーバーのために全部を英語に変更するのは結構な労力です。
“ちょっと困った時に便利”くらいの感覚で(例えば昔のメールを参照するのにoutlookを起動したりとかに)使用して行こうかと思います。
OSX用にAdobe CS3を新規購入して、純正対応でグラフィックをやって行こうと思いました。ありがとうOS9、ありがとうシープシェーバー、さようなら銀河鉄道999。
次回、シープシェーバーOS9.2.2対応64ビット版でお会いしましょう!!

【関連ブログ記事】 こちらの記事もどうぞ。







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ありがとうございます!!
女神のDTP

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