「ベムラー」から「ウルトラマン」へ(シリーズ成立2)/ 遅れてきたウル伝〈その2〉 | アディクトリポート

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これの続きで、

シリーズ第2弾のタイトルが、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kuusou
「ウルトラマン」に落ち着くまで。

「ウルトラQ」の次回作だから、すんなり「ウルトラマン」になったわけではなく、当初の企画題名は、「科学特捜隊ベムラー」
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-のうえい

謎の怪獣ベムラーが主役で、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ichi
渡辺明によるデザインは、ウルトラマンとはほど遠く、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-420
日活の大巨獣ガッパ(1967)に似ている。
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-paga

尻尾の有無を除けば、偶然とは思えぬほどに、外形の特徴がことごとく一致する。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-newhikki
右はエクスプラスのフィギュア
それもそのはず、『ガッパ』の特撮美術監督も、渡辺明だった。

このデザインにはしかし、「ヒーローが烏(カラス)天狗ってどうよ」と懐疑的な意見が多く、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-tenngu
烏天狗をモチーフにしたことが広言されているヒーローは、
↓『超電磁マシーン ボルテスV(ファイブ)』(1977年6月4日~1978年3月25日)で、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-るて
聖悠紀の初期デザインから、すでにそう意図されていた。


ベムラーのデザインは、成田亨が練り直す。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-とおる

依然としてウルトラマン最終形とは
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ぜんしん
大きな隔たりがあり、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-せぶん
結果的には、ウルトラセブンの方に共通点(肩から肘までの、蛇腹状の甲冑)が見いだせる。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-じゅわ

タイトル案は「科学特捜隊レッドマン」に変更。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-domann

レッドマンというヒーロー名は、何度か使い回されて、
↓結局ここに落ち着く
が、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-33
それよりも、「ベムラー」時と同様、タイトルに「科学特捜隊」が冠されていることに注目。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-びーとる

「ウルトラQ」が従来の怪獣ものと決定的に異なったのは、それまで映画でしか見られなかった怪獣が、テレビで毎週見られるようになったこと。

それには、毎週代わる代わる怪獣が出現する仕組み(前提、建前、設定)が必要だったので、初期タイトル「UNBALANCE」が示している、自然界のバランスが崩れて、怪獣が頻繁に出現するようになった、という設定があって、劇中でも石坂浩二のナレーションで語られる

この設定、つまり怪獣が週1ペースで登場するのが当たり前の世界の延長では、人間が対怪獣組織を編成して、退治にあたるはず
----というのが、
*まずは「科学特捜隊」という防衛チームが存在し、
*それでも対処できない時に助けてくれる助っ人ヒーローが「ベムラー」や「レッドマン」
----という二段構えの設定とタイトルに行き着き、
本タイトル「ウルトラマン」に落ち着いた時には、科学特捜隊は除外されたが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-youyaku
先ほどの二重構造のなごりは、「ウルトラマンの歌」にも残っている


対怪獣専属の防衛チーム抜きで、怪獣とヒーロー(だけ)が毎週戦うテレビ番組なら、「ウルトラマン」本放映開始より13日早い1966年7月4日に、「マグマ大使」がフジテレビで始まっていた
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-dokoga
マグマ大使」について、詳しくはこちらで。


↓こちらは超貴重なパイロット版。

ロケットの金色の外殻が割れて、人間の素顔がのぞくという、冗談かパロディのような映像は、実際に当初に予定されていたもの。本番で変更されて、ホントによかった!

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というわけで、ようやく「ウルトラQ」の次回作タイトルが「ウルトラマン」に行き着いたところまでで、続く。