今日から本題。
今でこそあたりまえに呼ぶ、
「ウルトラQ」
「ウルトラマン」
「ウルトラセブン」
だが、
そもそもは3タイトルとも、ウルトラを冠するものではなかった。
「ウルトラQ」の仮タイトルは「UNBALANCE」(アンバランス)で、
「Q」全28本中、
「マンモスフラワー」
制作第1話。第4話として、1966年1月23日に放送。
「悪魔ッ子」
制作第2話。第25話として、1966年6月19日に放送。
※資料による制作ナンバーと脚本表紙の番号は異なります。
「変身」
制作第3話。第22話として、1966年5月29日に放送。
「あけてくれ!」
これが問題の制作第4話。
当初は第20話として1966年5月15日の放映を予定していたが、同年4月末頃、「怪獣が出ないうえにストーリーが難解」という理由で本放送を見送ることが決まり、初回再放送時の1967年12月14日に第24話として初めて陽の目を見たため、「新24話」とも呼ばれている。
このため撮影から放送まで、実に3年が経過していた。
本放送時の24話は、「ゴーガの像」
※資料による制作ナンバーと脚本表紙の番号は異なります。
「宇宙からの贈りもの」
制作第5話。第3話として、1966年1月16日に放送。
ちなみに私が初めてテレビで見た「ウルトラQ」がこの回で、当時4歳なために、「海水がこの事件を解決してくれるでしょう」という石坂浩二のナレーションが理解できず、次週にナメゴンが出て来なくて「?」だった。
「鳥を見た」
制作第6話。第12話として、1966年3月20日に放送。
の6本は、この仮タイトル時期(昭和39・1964年9月~12月頃)に制作された。
その後、TBSの意向で怪獣をメインにした「ウルトラQ」に路線変更、
タイトルの提案者は、TBSの栫井巍(かこい・たかし)。
オリンピックの大技をウルトラCと呼んだので、Cを?(クエスチョン)のQに変えた。
こうして、制作開始から2年も経過してようやく放送された「ウルトラQ」は、ほとんどの放送回で視聴率30%台に乗る大人気番組となった。
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音楽の一部は、「Q」の音楽担当、宮内国郎が手がけた東宝映画「ガス人間第一号」からの流用。
↑5:21あたりから。
今でこそ松竹の印象が強いウルトラシリーズだが、当初は東宝と、スタッフ、キャストの大半が共通だった。
ところで、没になった「UNBALANCE」のタイトルは、後年に「恐怖劇場アンバランス」として再生する。
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こちらも「ウルトラQ」に匹敵する難産な作品で、当初はゴールデンタイムでの放送を想定して1969年7月から制作を開始し、翌70年3月までに制作は終了していた。
しかし、過激な題材と描写のために「スポンサーが付きにくい」などの理由でお蔵入りになってしまい、結局、放送されたのは制作開始から3年以上経過した1973年だった。
と言うところまでで、つづく。