『最初の人間』(2011) | アディクトリポート

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最初の人間
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-はんる
明後日12/15(土)から、岩波ホールほか、全国順次ロードショー

9月頃、試写にて鑑賞。

以下、他サイトより内容を転載。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-おもれ

「異邦人」「反抗的人間」などで知られるノーベル文学賞作家アルベール・カミュの遺稿で、没後30年以上を経て発見され、未完のまま1994年に出版された「最初の人間」を映画化。
監督はイタリアの名匠ジャンニ・アメリオ。
1957年夏、年老いた母を訪ねて故郷のアルジェリアに戻った40代の小説家コルムリは、フランスから独立を求めるアルジェリア人と政府の間に戦火が広がっていた1910年代に過ごした少年時代を回想する。
親戚や恩師、そして懸命に働き、一家を支えた若き日の母。
地中海を臨む美しい大地で、自らの生い立ちを振り返り、フランスとアルジェリアの和解のためにできることを模索していたコルムリの追憶の旅を描く。


感想は、ビミョー。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-swsw

つまらなくはない。
退屈せず、アクビも出なかった。
展開が明解で、筋を見失うこともなく、
内容に興味関心も失わずに、最後まで見続けた。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-みじょ

しかし…。

鑑賞後に、何の感想も感慨も浮かばない。
味のない料理を食べた感じ。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-がふぇ

カミュの著作は読んだこともないが、本作に盛り込まれた具体的な内容から判断すると、文学者としての才能は確かにあると思う。

思う…けどなあ。

そもそも「文学」とか「小説」の概念が間違ってるんじゃないかって気がするんだけど、昨今の作家よりは数億倍ましだとは思います。

この件については、また日を改めて。

ところで、かつてカミュも受賞したノーベル文学賞といえば、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-swew

今年2012年、中国の作家、莫言(ばく・げん/モー・イエン)氏が受賞したのは、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-genn
選考委員に、莫氏に近しい人物がいたためだったり、
2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波(りゅう・ぎょうは/リュウ・シャオボー)氏が、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-sasa
中国政府にとって都合の悪い存在だったことの埋め合わせ的に、「体制に都合の良い莫氏が選ばれたのでは」疑惑がささやかれ、
2009年にノーベル文学賞を受賞したヘルタ・ミュラーが、その受賞を批判した(2012/11/25に報道) こともあり、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-se

授賞式前の6日に、ストックホルムで記者会見した莫氏に、国家政権転覆扇動罪で服役中の劉氏についての質問が集中した。
だが莫氏はこの手の質問に終始キレ気味で、最後まで自分の立場を明確にしなかった

あたかも事前に自分の受賞を知っていて、「しめしめ」と思っていたら、
「おかしいだろ!」と世論が当然騒ぎ立て始め、
「授賞式を迎えてしまえばこっちのもの」と、
どうにかやり過ごそうと必死なように。

「文学は政治と無関係だからこそ素晴らしい」という主旨の発言もしたようだが、
全てのすぐれた(まともな)作品(小説・ドラマ・映画)は、政治的な側面を持ち合わせているものである。

くしくもカミュの『最後の人間』がそうであるように。

で、私が危惧するのは、候補者が枯渇気味で、それでも莫氏が受賞したおかげで今年はめでたく回避された、村上春樹の受賞が、ますます現実味を帯びて来てしまったことである。

来年受賞でもしようもんなら、莫氏と別の意味で、ノーベル賞の権威はいよいよ地に堕ちる。

こうしたことについても、またおいおいと。