今日の話はトルコのイスタンブールに飛びます。イスタンブールにはここ2年で3度も行きました。というのも(安いので)よく使うアエロフロート・ロシア航空の日本帰国便は、シリアのダマスカスやレバノンのベイルート発、イランのテヘラン発だと現地深夜発、モスクワのトランジットで12時間以上待たなきゃならないなんですが、イスタンブールなら毎日2往復飛んでいるので現地昼発の便を選ぶことができ、滞在時間をちょいと長くできるからなんですね。まあ、アジアの西の果てイスタンブールまで行かなければならないので、それと天秤にかけて選ぶんですけど。
イスタンブールといえばビザンティン帝国、そしてオスマン帝国の首都として見どころ満載、いつもどこを見るか迷うほどです。人々が着るものも、振る舞いもヨルダンやシリアとは全く違ます。旅の終わりに、ガラタ橋近くの波止場で右の写真のような光景を見ると、それまで旅してきたイスラーム世界がふっと遠のくものです(でもお兄さんの提げる袋はヨルダンでも見慣れたものでした)
イスタンブールの路面電車
イスタンブールの電車といえば、ブルーモスクで知られるスルタン・アフメット・ジャーミィの横を通る右の電車。「トラムヴァイ」と呼ばれる路面電車で、アタチュルク国際空港からハフィフ・メトロと呼ばれるミニ地下鉄で市内に向かうとき、ゼイティンブルヌZEYTİNBURNUという駅でこのトラムヴァイに乗り換えると、乗換えも歩かずに済み、しかもグランバザールやスルタン・アフメット、ガラタ橋など主要な観光スポット&ホテル街に直行できるとあってとっても便利です。
イスタンブールの軌道系交通機関はイスタンブール・トランスポート公社İstanbul Ulaşım A.S.が運営しています。HPはこちら
メトロ、トラムヴァイ、フニキュラ(ロープウェイ)の時刻表はこちら これを書いている時点では、冬ダイヤが表示されています。
トラムヴァイの終電
トラムヴァイはゼイティンブルヌ発が始発5:20(日曜は6:00)からで、7:00~19:30は5分間隔(日曜は6分間隔)、最終は終点カバタシュKABATAŞ行きが23:25、エミノニュEMİNÖNÜ止まりが23:35、グランバザール入口のベヤズットBeyazıt止まりが0:05発となっています。数年前よりちょっとだけ終電が遅くなったようですね。
アジア側から着いて気になるのは、ハイダルパシャからフェリーで渡ったカラキョイKARAKÖYからベヤズット方面への終電車。これは0:12とかなり遅くなっています。私が2008年6月にぎりぎりハイダルパシャ発23:50の最終フェリーに乗ったときでも、余裕で乗継げました。
余談ですが、2009年10月にハイダルパシャ23:45に到着したときは、フェリーが冬ダイヤになっていて最終が出て行った後でした。
仕方なく港沿いをカドゥキョイKadıköyまで歩き、運賃2倍の深夜市内バスでボスポラス海峡を渡ってタクスィムへ、そこからタクシーでチェンベルリタシュÇemberlitaşの安宿まで行きました。これでもタクスィム~チェンベルリタシュのタクシー代が深夜でも15TL、安宿が2008年の8ユーロからさらに値下がりして6ユーロだったので、カドゥキョイの安ホテルに40~50TLで泊るよりは安くつきました。運転手に聞くと、この深夜バスは朝5時まで運行しているとのこと。さすがイスタンブールですな。
ちなみに私の定宿はコーディアル・ハウスです。室内もバスルームも清潔で、静かな雰囲気なので気に入っています。キャパシティが大きいのでこんな深夜の飛び込みでも予約なしで泊れますし、他の安宿のように坂を上り下りすることもないですし。今は歩き方にも非掲載なので、日本人は少ないですね。チェンベルリタシュの電停から歩いて3分ほどです。
カドゥキョイのノスタルジック・トラムヴァイNostaljik Tramvay
カドゥキョイといえば、アジア側にありながら、おしゃれなブティクがならぶショッピング街として、最近注目のスポット。古くはカルケドンと呼ばれ、イエス・キリストは神性と人性の両方を混合して備えているという、いわゆる両性説を採択し、単性論を採っていたアレクサンドリア教会などを斥けたカルケドン公会議(451年)の舞台となったことでも知られています。
このおしゃれな街には、中心街を一周する環状線に写真のような古い路面電車が走っています。アジア側の路面電車は1966年を最後にいったん廃止されたのですが、近年になって復古調の車両とともに新しく敷き直されたわけです。
おしゃれな買い物客に囲まれて石畳を走る赤い電車を見ていると、ああ、ここはもうヨーロッパだなあと思ってしまいます。
TCDDの近郊電車
旅行者にはほとんど使われていませんが、トルコ国鉄TCDDも近郊電車を走らせています。ヨーロッパ側がスィルケジSirkeci(TCDDではイスタンブールと表記することが多い)~ハルカルHalkalı間28.3km、アジア側がハイダルパシャHaydarpaşa~ゲブゼGebze間44.2kmで、どちらも6両編成の通勤型車両です。写真の上がヨーロッパ側にしかいない古い車両で、まるっこい顔が印象的です。下の車両はヨーロッパ側にもアジア側にも走っているほか、アンカラ近郊電車も今まではこれが主流でした(2009年12月から順次韓国ヒュンダイとの合弁企業の新型車両に置き換わりはじめています)
運行はヨーロッパ側が5:30~0:15で夜間30分おき、それ以外は15~20分間隔で運転しています。
アジア側の列車ダイヤは、ハイダルパシャ発基準で5:00~0:10で夜間30分おき、それ以外は10~20分おき。詳しい時刻は以下のTCDDの公式HPからPDFでダウンロードできます。便利な世の中ですね。
スィルケジ発
ハルカル発
ハイダルパシャ発
ゲブゼ発
カドゥキョイの町を見たあと、ぶらぶらと1kmほど東に歩いてソユトリュチェシメSöğutlüçeşme駅からハイダルパシャまで乗ってみましたが、ハイダルパシャの近郊電車専用ホームがやたら狭くて、みんなドアが開いている隣の電車を渡って駅に出て行ったのが印象的でした。