こんにちは。

集患増患アドバイザー&医療コンサルタントの 佐藤歓生(サトウヨシオ) です。


先日あるサイトにこんな記事が乗りました。


--------------------------

「盗んだバイク」はダメ 教育委、悪影響ある歌詞を変更へ

千葉県駒野市教育委員会は15日、反社会的なメッセージが込められていると判断した楽曲について、一部歌詞を改変して教えていく教育方針を決めた。市内の小中高校すべてが対象で、授業内で取り上げる際は、「平和で友好的な、社会の模範になる歌詞」に変更して指導するという。

山田教育委員長は、「昨今、反社会的な歌に影響された児童の犯罪が多発している」と理由を説明。「清廉潔白な思想を植え付けていくことが教育の基本理念。悪影響のある歌は教えられない」と語った。

駒野市では先月、中学校の窓ガラスを割ったとして補導された中学生が、犯行理由を「歌に影響された」などと話す事例が発生。教育委員会が学習指導要領で扱うすべての楽曲を点検したところ、一部楽曲の歌詞に「反社会性」が含まれるとして対応を検討していた。

その結果、「盗んだバイクで走りだす」といった歌詞は「お小遣い貯めて買った自転車でツーリング」、「夜の校舎窓ガラス壊して回った」は「昼の公会堂高齢者にあいさつして回った」などにそれぞれ言い換える。著作権に触れる可能性もあるが、教育委では教育目的を理由に歌詞変更の正当性を主張していくという。この教育方針は、新しい歌詞が完成する二学期から本格的に開始する予定。

Jポップに詳しい東京蟹術大学の笠本龍一教授のコメント
「改変された歌詞の味気なさは、すぐに味が無くなるキシリトールガム並みだ。影響されて事件を起こすのは本人の問題であって、牙を抜かれた、何のメッセージも訴えかけるものも無い歌詞は心に響かないのではないか」

--------------------------


この記事を見た多くの人たちは反発します。

「この教育委員会はやりすぎだ」とか「著作権を侵害している可能性がある」とか、駒野市の教育委員会を非難するコメントが相次いで書き込まれます。

でもね、これ、嘘なんです。

この記事が書かれたのは、虚報タイムスという嘘のニュースを流すサイト。

確かに、今は虚報タイムスというサイト名が大きく表示されていますが、この記事が出た先月下旬時点では、サイト名が本当にちっちゃくしか表示されてませんでした。

でも、だからと言って騙された人が悪くないということにはなりません。

完全にこれは、ネットリテラシーの問題。

$集患増患アドバイザー佐藤歓生のブログ-attachment00.jpg

ある個人が勝手に騙されているだけなら別にいいんです。

でも、今はTwitterやFacebookによって、一つの情報が簡単に拡散してしまいます。

そうすると、嘘の情報が一人歩きしてしまい、収拾がつかなくなります。


その例が、東日本大震災の際に数多く出回ったデマ。

「東京湾のコンビナートで爆発があって、有害物質の雨が降るから外出は避けるように」

とか

「自衛隊が個人からの救援物資を受け付けています」

とか…

マスコミが報道できるキャパシティ以上の災害が起こると、デマは出回りやすくなります。

それに、これまた厄介なのですが、人のために伝えてあげなきゃ…という、「善意」の気持ちが、デマ拡散の背景にあるのも事実です。

人のためを想うことは大切ですが、嘘の情報を流して現場をパニックに陥れる可能性もあるので、情報の信憑性の確認には、十分過ぎるほど注意する必要があります。


昔から災害時にデマが出回ることはありました。

が、それはあくまでも口伝で人から人への伝達がほとんど。

今は、リアルに人と向かい合っていなくても、メールやソーシャルメディアを使って、情報がどんどん拡散していきます。

だからこそ、情報を受ける側のネットリテラシーが求められるのです。



前述した歌詞変更の記事の場合、まず千葉県駒野市というのは存在しません。

それに最後のコメントを書いている笠本龍一教授(これは坂本龍一のパロディかと…)の所属が、東京藝術大学ではなく、東京蟹術大学になっています。

かにじゅつって…(笑)


何かおかしいな…と思ったら、すぐにググってみるのも大切です。

そして、不確かな情報は他人に流さないこと。

ソーシャルメディアの発達で、誰もが情報発信できるようになりました。

ネットは玉石混淆。

正確な情報も不確かな情報も存在しています。

何が正確で、何が間違っているのか。

見極めることが重要です。

ちょっと前までは、マスメディアだけが情報発信することが出来ました。

マスコミは、たまに間違った情報を流すこともありますが、基本的に必ず裏付けを取ります。

誤った情報を流して社会を混乱させてはいけないという、情報発信者としての矜恃があるから。


それが、今では誰もが情報発信できるようになりました。

でも、情報発信者としてのプライドを、プロでもない人間に求めることは出来ません。

であるならば、情報を受ける側のネットリテラシー能力を磨いていくほかはないのです。

もう過去には戻れないのですから…


最後までお読みいただきありがとうございました。