軟X線と硬X線の半価層 | 衛生管理者・エックス線作業主任者・危険物取扱者の合格率約90%の試験対策ブログ

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今回は、エックス線作業主任者試験の解説で『軟X線と硬X線の半価層』についてです。


それに関する問題では、次のような選択肢が出題されます。


「軟エックス線の場合は、硬エックス線の場合より、半価層の値が大きい。」


この選択肢は、誤っている記述です。


この記述は、軟エックス線(読み:なんエックスせん)と、硬エックス線(読み:こうエックスせん)の半価層の違いを問うものです。


まず、選択肢にある「軟エックス線」と「硬エックス線」についてみていきましょう。


軟エックス線とは、エネルギーの小さいエックス線のことです。


エネルギーの小さいエックス線は、物体を通り抜ける力が弱いという特徴があります。
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 
(これメッチャ重要です!)


一方、硬エックス線とは、エネルギーの大きいエックス線のことです。


エネルギーの大きいエックス線は、物体を通り抜ける力が強いという特徴があります。
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 
(これメッチャ重要です!)


次に、選択肢にある「半価層」についてみていきましょう。


半価層とは、エックス線を物体に照射したとき、物体を通り抜けるエックス線の量が、半分になるときの厚さのことです。


例えば、10mSvのエックス線を、厚さ5mmの鉄板に照射したとします。


その鉄板を通り抜けたエックス線強度が、最初に比べ半分の強度の5mSvになっていたとき、鉄板の厚さ5mmが半価層になります。


ちなみに、mSvはミリシーベルトと読み、放射線の強度を表す単位です。


では、軟エックス線と硬エックス線を、それぞれ鉄板に照射した場合を考えてみましょう。


まず、10mSvの軟エックス線を、鉄板に照射した場合です。


軟エックス線は、物体を通り抜ける力が弱いため、厚さ3mmの鉄板で、最初の半分の強度の5mSvになるとしましょう。


この場合、鉄板の厚さ3mmが半価層になります。


次に、10mSvの硬エックス線を、鉄板に照射した場合です。


硬エックス線は、物体を通り抜ける力が強いため、厚さ7mmの鉄板で、最初の半分の強度の5mSvになるとしましょう。


この場合、鉄板の厚さ7mmが半価層になります。


以上の例をまとめますと、軟エックス線の場合は、半価層の値が3mmで、硬エックス線の場合は、半価層の値が7mmとなります。


このように物体を通り抜ける力が強い、硬エックス線の方が、軟エックス線よりも半価層の値は大きくなります。
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 
(これメッチャ重要です!)


ここで、今回の選択肢に戻りましょう。


すると、「軟エックス線の場合は、硬エックス線の場合より、半価層の値が大きい。」という選択肢は、誤っていることがわかります。


先ほど見たように、硬エックス線の方が、軟エックス線よりも半価層の値は大きくなりました。


したがって、「硬エックス線の場合は、軟エックス線の場合より、半価層の値が大きい。」という選択肢であれば、正しいことがわかります。


軟エックス線と硬エックス線の特徴は大切です。


覚えておきましょう。


>>関連記事
■単一エネルギーで細い線束のエックス線による半価層への影響
■半価層と1/10価層の関係


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●【目次】[X線]エックス線の管理
●【目次】[X線]関係法令
●【目次】[X線]エックス線の測定
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