ピンクリボン月間4 8/2 ザンクトガレン国際乳癌コンセンサス会議2019(3/20-23) | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

先の『児相問題』の記事
で書いた通り、

私は6年前、娘が小6の時に発生した
『児相問題』被害
で、ステージ3Cまで乳癌を放置した
(せざるを得なかった)のですが、

(冤罪』で、強制力で、大切な子どもを
   拉致~そんな酷いことになるなどと知らず、
    想像できずに別理由の説明で預けると言って
    しまったことは一生悔やまれる~
   人権侵害施設に監禁され続けて、
    中学受験を壊滅的に破壊され、
   ご自分達の非を誤魔化す正当化までし
   訂正しない、為したことへの何の責任も
   取らないために、さらに3年後、
   警察からの思い込みによる、
   100%冤罪、違法民事介入、
   延々と人権侵害、親権侵害、ハラスメント
   を受け続け高校受験どころか高校進学
   ~中高一貫校ではあったので普通に進学は出来た、
    そんなことまで~や生活、人生、心、
   全て全て壊滅的に破壊され尽くされた、
   被害者です)
  
娘が私立中に通い始め(中1)、
仕事も収束してから、
検査に行き、初期治療を開始しました。

(手術&術後で1ヶ月休職しましたが、
  術前化学療法=抗がん剤、術後の
  放射線治療~毎日25日間通わなくちゃ
  ならない、お弁当を作って娘を送り出した
  後、朝一番で治療してもらい、仕事に
  直行していました~
  術後の分子標的薬ハーセプチン治療
  ~フレックスで仕事を早く切り上げ、
     夕方治療してもらっていました、
     血液検査は前の週の土曜午前に済ませ
     ていました、
  自費診療の免疫細胞療法は別院で
  ハーセプチン治療の翌土曜日の午前に
  してもらい、
  という治療生活を術後約1年続け…)



乳癌治療前の乳癌の状態(ステージ3C)と
術前化学療法
 (FEC×4→ドセタキセル+ハーセプチン ×4)
後の画像で、抗がん剤効果がビジュアルに
分かる画像などを再掲しました。

掲載したMRI画像だけではリンパ節転移の
拡がりが見えにくいですが、
腫瘤の大きさ、しこり形成していた
腋窩リンパ節転移(3A相当)、
皮膚も危なかった(3B相当)のは見てとれ、
それが術前化学療法で小さくなったり
消えているのが見てとれるかと思います。

乳癌初期治療については、
「1乳癌治療(私の場合)」テーマ内に
記事を格納しています。


西洋医学の三大治療の集学的治療
 (抗がん剤+手術+放射線)のおかげで
そして、(広義の)抗がん剤の中でも、
新しいタイプの分子標的薬、
抗HER2ヒト化モノクローナル抗体
ハーセプチンのおかげも大きかった
のだと思います、


私は今のところ、乳癌で死ぬこともなく、

国の制度と、
それを悪運用する、本来、公僕たるべき、
しかし短絡的かつ傲慢な人々によって
人為的に引き起こされた、
とんでもなく理不尽な『児相問題』
という、『冤罪』で被った被害で、
命まで奪われることにはならずに済み、
  (逆に言えば、それ以外は、壊滅的に
   破壊され尽くしました😢😢😢
   そのくらい、されたことは酷い😢😢😢)

生きています。


受診後は主治医も病院も検査を急いで
いただいて、

乳癌告知、おまけに乳癌の中では
予後は厳しいサブタイプである告知
に打ちのめされたり迷ったりしている
時間的余裕もなく、
即、治療を開始したわけですが、


乳癌治療については、
制度も仕組みも、
運用する人々、医療者も整っていた
  (民間の総合病院ですが。
   私が恵まれていた、のかもしれませんが、
   乳癌であれば、同質に近い治療を、
   全国民が保険診療として受けることが
   できるはずです)


だから、
ステージ3Cという状態からの治療しても、
今、こうして生きていられる、

そういう『おかげ様』
も大きかったのだと思います。

(勿論、医療の不確実性、治療が効く、
  効かない、は神の領域なのだけど…)


人間は、専門家の医師であっても、
神様ではないのだから、

どんな治療が患者を救えるか、
最も患者にとってよい結果を出せそうか、
それを、専門を極めている先生方が
集まって、議論して、
一定のコンセンサスを形成して
それを診療ガイドラインとして、

質の高い治療を多くの患者に提供して
下さっている、

乳癌は、それが最も整っている癌腫
なんじゃないかな、と感じます。


私の主治医は、
術前化学療法を強く推奨することと、
その化学療法の内容の根拠として、
「ザンクトガレンのコンセンサス
に基づいて」とも明言していました。
 (その時は、ザンクトガレンコンセンサス
  会議など知りませんでしたが、検索キー
  ワードは教えていただけたということで ^^;)


乳癌治療の国際的なコンセンサス会議
2年に一度ザンクトガレンで開催されて
いることを以前も書いたかと思います。


乳癌治療は、
勿論、個々人の癌に合わせて治療を決めて
治療をしてもらうのだけど、


その時点の医学で判明している癌の特徴に
応じて、その時点で利用可能な治療法の
中から、治療法をどう選んで患者に適応
したらよいかについて、

患者を、癌の特徴に応じてグルーピング
したうえで、
判断基準や方針、ガイドラインを決めて

各国の乳癌専門の臨床医の先生方は、
その方針に沿って、個々の乳癌患者の
治療をしていて、

新薬の開発など、乳癌治療も刻々と
進歩しているので、

2年に一度、
各国の権威ある乳癌の専門医の先生方が
集まって、
そういった新しい研究・開発、臨床試験の
結果を議論し、

治療の方針、ガイドラインを見直し、
新たにコンセンサスを形成する

そういう会議のようです。


今年の3/20~23に開催され、
8/2に記事も出ていますので

だいぶ経ってしまいましたが
ご紹介、共有させていただきます。

Estimating the benefits of therapy for early-stage breast cancer: the St. Gallen International Consensus Guidelines for the primary therapy of early breast cancer 2019




■腋窩リンパ節郭清省略の可能性

・乳房切除後に腋窩領域への放射線治療が
    が予定されている場合、
    また、
    腫瘍径5cm以上で乳房温存手術受け、
    全乳房への放射線照射が予定されている
    場合、

    センチネルリンパ節転移1-2個であれば
     腋窩リンパ節郭清の省略は可能。


■術前化学療法

ステージ2−3,HER2 陽性、トリネガでは
    術前薬物療法が推奨される。

   ー 術前薬物療法により腋窩リンパ節郭清
       省略可能例を増やせる。

  ー  HER2 陽性、トリネガでは、
       術前薬物療法により、長期予後を期待
       できる個別化医療が可能となる。
       下矢印
       non-pCRへの術後化学療法の追加の流れ


●ER+陽性の術後補助療法

・多くの場合、全身化学療法は回避できる
   だろう。

● HER2陽性、トリネガの術後補助療法

ステージ2-3HER2陽性では
    ハーセプチンにパージェタを追加すべき。

・術前薬物療法でpCRとならなかった
    HER2陽性の場合、カドサイラ
    術後補助療法を追加すべき。

・術前薬物療法でpCRとならなかった
    トリネガの場合、術後にゼローダの
    追加を考慮すべき。


●ER陽性閉経後乳がん症例では
    bisphosphonate を標準的全身療法と
   すべき。


■2017年からの臨床研究の進歩

● ER陽性  (進行/転移・再発)

  ・SOLAR-1 study
     PIK3CA変異有のER陽性進行乳がんに
     PI3K阻害薬 alpelisib が PFS改善

 ・Palbociclib(イブランス)、ribociclib、
    abemaciclib(ベージニオ)などの
    CDK4/6阻害剤が、ER陽性進行乳がんの
    一次、二次治療でPFS改善

●ER陽性  (アジュバンド)

・アロマターゼ阻害剤による5年以上の
    アジュバント療法は、わずかではあるが
    有意な臨床的利益をもたらす一方で、
    相応の不利益を伴う。

TAILORx trial で、
    21-gene recurrence score 11-25の
    ER陽性/リンパ節転移陰性乳がん例では
    ホルモン療法に化学療法を追加する
    意義がないことが明らかに。

●  HER2陽性   (進行/転移・再発)

・抗HER2抗体薬物複合体DS-8201
    高奏効率、その効果はHER2 1+ や2+例
    でも認められる。

NALA study  HER2陽性進行再発乳がんで
    lapatinib + capecitabine 
    (タイケルブ+ゼローダ) と比較して
    neratinib + capecitabine がPFS改善 

KATE2 (randomized phase 2 study) 
    PD-L1発現HER2陽性進行乳がんで、        
    ハーセプチンに抗PD-L1抗体 atezolizumab 
    テセントリクを追加するとPFS改善 

PANACEA (Phase 2 study) 
    trastuzumab 耐性HER2陽性進行乳がんで
    ハーセプチンに抗PD-1抗体 pembrolizumab 
    キイトルーダを追加すると抗腫瘍効果


●  HER2陽性   (アジュバンド)

KATHERINE study 
   ハーセプチン ベースの術前薬物療法で
   pCRが得られなかった症例に対して、
   術後 ハーセプチンに代わりカドサイラ
   投与で、DFSとOS改善

ShortHer trial 、 PERSEPHONE trial 
   術後ハーセプチン6ヶ月投与の成績は
   ほぼ12ヶ月投与に相当するが同等でない

     下矢印
      ハーセプチンは1年 

・NSABP B-47 は、HER2 1+あるいは
    2+でFISH陰性乳がんでは
    術後ハーセプチンは予後を改善しない

APHINITY trial
    術後ハーセプチンにパージェタ追加
    再発リスクが低下、
    特にリンパ節転移陽性例や高ステージ例
    でその効果が顕著

● トリネガ   (進行/転移・再発)

Impassion130 trial 
   PD−L1陽性のトリネガ乳がんで、
   抗PD-L1抗体 atezolizumab テセントリク
  と nab-paclitaxel の併用がPFSを改善、
  OSも改善する可能性。

・IMMU132
   抗Trop-2抗体とイリノテカンの活性代謝
   産物SN-38を結合させた、抗LIV1 抗体と
   微小管重合阻害剤 monomethyl auristatin E
   を結合させたSGNLIV1は、
   治療抵抗性進行トリネガ乳がんで
   高奏効率。

●トリネガ  (アジュバンド) 

CREATE-X study 
    術前化学療法でpCRしなかったトリネガ
     乳がんへの、術後ゼローダの追加で
     DFSが改善。

・メタ解析で dose-dense 化学療法は
    再発を減らし、OSが改善。

・トリネガ乳がんの術前薬物療法に、
    抗PD-L1抗体 durvalumab または
    抗PD-1抗体 pembrolizumab キイトルーダ
    を追加することで pCR 率が向上。


● アジュバンドのレジメン

・Docetaxel / cyclophosphamide (TC) と
   アンスラサイクリン・ベース・レジメン
   の多数の無作為化比較試験から、
   TCは、特にER陽性、HER2陰性、
   低リスクトリネガ乳がんでは
   アンスラサイクリン・ベース・レジメンの
   代替となり得ることが示された。

・COX-2阻害剤のcelecoxibは乳がん再発を
    減らさないことが、
    無作為比較試験により示された。

・術後化学療法と術前化学療法に関する
   メタ解析から、遠隔転移とOSに差はないが
   術前化学療法で局所再発リスクが増加する
   ことが示された。

● バイオマーカー

Tumor infiltrating lymphocytes (TILs) は
    術前後化学療法を受けたトリネガ乳癌で
    予後因子であることが示された。

● 腋窩リンパ節郭清

ACOSOG Z11 trial の長期解析により、
   1-2個のセンチネルリンパ節転移陽性例では
   腋窩リンパ節郭清は局所再発やOSを
    改善しないことが示された。

●遺伝性乳癌

・BRCA変異陽性の進行乳がんで
    PARP阻害剤 olaparib リムパーザおよび
    talazoparib は、標準化学療法より 
   PFSを延長、QOLに優れることが示された。

・cfDNA によりBRCA1または2の遺伝子変異
    が確認された場合、プラチナ製剤や
     PARP阻害剤に耐性の可能性。

・現在の遺伝子検査アルゴリズムでは、
    多くの遺伝子変異例を見逃す可能性。

・BRCA変異陽性乳がんに対する
    PARP阻害剤 talazoparib 単剤による
    術前治療は、一定の臨床的有用性を示す。

● 放射線療法

・ RAPID trial 
    低リスク乳がんに対して、
    加速乳房部分照射法 accelerated partial 
    breast irradiation (APBI) の
    乳房内再発コントロール成績は
    全乳房照射と同等だが、
    整容性に劣ることが示された。

・ER陽性/低リスク (recurrence score18未満) 
   の乳房部分切除例を対象とする乳房照射の
   有効性を検討した試験のメタ解析により、
   乳房照射省略は局所再発のリスク因子では
   あるが、OSには影響しないことが
   示された。

● 非浸潤癌DCIS

・DCISが外科切除によって浸潤性乳がんへ
   アップステージされるリスクは
   特にグレードに依存している。
   低リスク集団でのアップステージ率は
   5-20%。

● Supportive Care

・Oxybutinin (ポラキス) は乳がんサバイバー
    のホットフラッシュを低減させる。

・Duloxetine (サインバルタ) はアロマターゼ
    阻害剤関連の骨格筋/関節痛を低減させる。

・鍼治療はアロマターゼ阻害剤関連関節痛を
    低減させる。

体重減少を目的とした生活スタイルへの
    介入は乳がん再発に影響しない。

・アジュバント化学療法、
   特にアンスラサイクリンを含まない
   レジメンで、頭皮冷却は脱毛を軽減させる
   ことが前向き試験により示された。


■術前薬物療法後の腋窩制御

●治療前に画像上
    腋窩リンパ節転移なしの場合

▼術前治療後に画像上
    腋窩リンパ節転移なしの場合

  ・センチネルリンパ節生検で
      リンパ節転移なしの場合 
    ー  腋窩リンパ節郭清や腋窩照射は不要
    ー  領域リンパ節照射は不要

   ・センチネルリンパ節生検で
       リンパ節転移ありの場合 
       ー  腋窩リンパ節郭清または腋窩照射
       ー  その他リスク因子があれば
             領域リンパ節照射を検討

●治療前に画像上
    腋窩リンパ節転移ありの場合

▼術前治療後に画像上 
     腋窩リンパ節転移なしの場合

    ・センチネルリンパ節生検で
         リンパ節転移なしの場合
      ー  腋窩照射を考慮
   ー  その他リスク因子があれば
               領域リンパ節照射を検討

      ・センチネルリンパ節生検で
          リンパ節転移ありの場合
   ー  腋窩リンパ節郭清または
               腋窩照射が必要
  ー   領域リンパ節照射が必要

▼術前治療後に画像上
    腋窩リンパ節転移ありの場合

   ・腋窩リンパ節郭清 で
       リンパ節転移なしの場合
        ー その他リスク因子があれば
              領域リンパ節照射を検討

    ・腋窩リンパ節郭清 で
       リンパ節転移ありの場合
  ー  領域リンパ節照射が必要

     ※腋窩リンパ節郭清したら腋窩照射は
       しない


■HER2陽性またはトリネガの治療

●ステージ 1

▼T1a
 ・HER2陽性:
     タキサン+ハーセプチン  (case by  cace)
 ・TNBC:化学療法 (case by  cace)

▼T1b
 ・HER2陽性:タキサン+ハーセプチン
 ・TNBC:TC

▼T1c
 ・HER2陽性:タキサン+ハーセプチン
 ・TNBC:AC + タキサン

●ステージ2~3  術前治療を推奨

▼HER2陽性
    AC → 
    タキサン +ハーセプチン  (± パージェタ) 
   または
    タキサン+ ハーセプチン(± パージェタ) 

※pN2ではNeratinibを追加。
   ER陽性ではパージェタを追加しない。

▼TNBC:術前治療を推奨
    AC → タキサン± プラチナ製剤

●術前薬物療法後に浸潤がん残存の場合
・HER2陽性:カドサイラを追加
・TNBC:ゼローダを追加


■ホルモン陽性、HER2陰性の治療

●ステージ 1

▼T1ab
 ・卵巣機能抑制治療:なし
 ・内分泌療法:アロマターゼ阻害剤 (AI) 
        またはタモキシフェン (TAM) を5年
 ・化学療法:なし

▼T1c
 ・卵巣機能抑制治療:なし
 ・内分泌療法:AIまたはTAMを5年
 ・化学療法:個別に判断

●ステージ2

▼リンパ節転移なし
 ・卵巣機能抑制治療:高リスク
         (腫瘍径大、35歳以下、高グレード、
           遺伝子検査で高リスク) では
        卵巣機能抑制治療+AIまたはTAM
 ・内分泌療法:AIが望ましく、
        5年以上の投与が望ましい
 ・化学療法:個別に判断

▼リンパ節転移陽性
 ・卵巣機能抑制治療 : 
         AIまたはTAMとの併用で実施
 ・内分泌療法:5年以上
 ・化学療法:個別に判断

●ステージ3
 ・卵巣機能抑制治療 : 
        AIまたはTAMとの併用で実施
 ・内分泌療法:5年以上
 ・化学療法:必要

*化学療法を個別に判断する場合は、
     T因子、N因子、組織型、リンパ管侵襲、
    グレード、増殖活性、
    ホルモン受容体の定量評価、遺伝子検査、
    患者の希望で個別に決定


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