「13」しろもん「唯一」16:10~16:35「05」

最終参戦:2023/3/19:『渋谷悠春:ライブ愛尽きない筆者のツイート群

この1年前の参戦時だったかどうかは忘れたが、未だに良く憶えている。白担当の乃上と、青担当の藍乃をそれぞれサイリウムを灯した、男性2人組のファンの姿を。別に筆者が知り合っているわけでもないし、ましてや話し掛けるなどしたわけでもない。しかし、アイドルプロデュースまでをもいろいろと考える筆者だからこそ、つい、フロアに居て今後の現場の在り方の核となるような、またはモデルケースとなるような者を見ると、どうしても内心ガッツポーズをしてしまうものだ。この様子で動員が増えていけば、きっとしろもんもアイマイなどのようにライブアイドルの中堅的な存在にまで伸し上がれるに違いないと。

しかし今日、乃上は既に卒業しており、彼女以外も何人か卒業してメンバーは減り、今や平均的な構成人数である5名での活動である。他のライズプロ所属アイドルと比べた際のしろもんの強さとしては、小柄ながらもショーケースの如くステージに多く並び偶像崇拝的なステージ展開をするもの、だと筆者個人としては描いていたのだが、それが通用するのはコロナ禍でかつ平穏無事なライブや現場が求められていた時代に限られた話だろう。今や既に明け、ライブ現場ならではの活気、楽しみ方というのが求められつつも、一方で知名度高いイベントにまで視野を広げれば過激なファンによる無法地帯化など、良い塩梅で戦うというのがなかなか難しい時代になっている。序盤の観賞では、そんな葛藤をも抱きながら観ていた。

しかし、冷静になって考えてみれば、そもそも今回の対バン、全体的に動員が致命的なほどに少ないイベントであって、理由はシンプルに冒頭述べた通り競合イベントの多さである。そして、同ライズプロ所属のFES☆TIVEはというと、肉フェスへの出演であった。大盛況だったのだが、昔であればファン層が同じで動員を取り合う形であったが、それが今や既に無く、多様的にプロデュース展開できているというのが、事務所として本当に成長したものだと、我を忘れて感動してしまうものだ。

などと書けば、何故称賛に位置付けなかったのかといえば、唯一、他アイドルの出番時にフロアを意味無く歩き回って、専ヲタ含め応援の集中を削ぐような振る舞いが1名、見受けられたためである。なかなかに厳しい評価観点かもしれないが、いくら広い会場とはいえ、良くない行為だと感じる。そんな理由で、夢想は崩壊し、物販回収を断念したわけであった。

 

 

 

「14」フューチャーサイダー「殻」16:35~17:00「06」

最終参戦:2022/11/12:『白纏礼峙:励む者には敬意を以て臨んで:転

物販2「青」本多あおい「サインあり2shot」1.5K

ライブパフォーマンスは普通に良かった。こちらも前述の遥か彼方同様に、与えられた歌やダンスを卒なくこなしていた印象だ。ただやはり、統一衣装というのも影響しているのか、どこか親近感という点では物足りないように感じ得てしまった。かといって、アニメなどにも描かれ得るような完璧なアイドルを求めるのも非人間的極まりないだろう。などと考えると、我々はあまりにも、高望みし過ぎてしまっていないだろうか。いいじゃないか。不器用なぐらいが丁度良い。それに、そもそもの話、フロアがスッカスカな状況でのライブだ。モチベーションを上げろという方が難しいだろう。

その様子というのは、物販でも同様であった。これが本当にXなどのSNSで浮上率高いアイドルの物販なのか、と思ってしまうほどに、皆が物販スペースに綺麗に収まるだけで、手隙の最中でフライヤー配りに励む様子も無い。もっとも、動線の都合であることやそもそもスペースが狭いことなども勘案すべきなのだが、では果たして、何故川崎クラブチッタという広い会場への出演を今回決めたのだろうか。今回の出演を以て、アイドルとしてプロデュースする少女たちに果たして何を学んでほしかったのか。

そう考えてみれば、アイドルがファンに対して、いやそれ以前に客に対して、他のイベントを差し置いてまでわざわざ来てくれたにも関わらず他人行儀なのは、そもそも運営がアイドルに対してそのような態度だからではないだろうか。年頃の少女たちというのは、身近な大人を見て育つものだ。なんだか、人生レベルで今後をひどく心配してしまうものだ。

 

 

 

「15」さよならステイチューン「変わらない笑顔」17:00~17:25「05」

最終参戦:2022/5/14:『有楽雨後:ハイレベルな戦いの末に:昼

打って変わって、こちらは非常に素晴らしい現場であって、チャイダーの見事な地蔵現場もまあ、あれはあれで令和な時代を象徴するような平和主義兼観賞特化現場などと著せるのだろうが、筆者個人としては、依然として、熱く燃えるような活気溢れる現場が好きだ。にも関わらず、肉フェスやバチュコリなどに参戦しなかったのは、会場の広さに対して動員が多過ぎることが予想できたのと、ライブアイドルの中でも割と知名度が高いアイドルなので、昨今賑わせている事件含め、ヲタクの質、民度という点で信用ならないと考えたからだ。あまりにも保守的な行動選択な気がしなくもないが、昨年は本当に痛い目を見た。あれを繰り返すぐらいなら、ライブ参戦を避けるだけじゃ済まない、もはやアイドル界の将来を憂いてこの世に留まり続けることすら疑問を持ってしまう。だからこそ筆者は、あれほどに風俗に狂って、自分自身との対峙、そして葛藤を避けたのであった。

ライブへと話を移せば、どのメンバーも本当に素晴らしいパフォーマンスだった。所属事務所からすればもはや自明な議論なのかもしれないが、歌もダンスも完成度高く仕上げてきていた。ただそこに、しっかりと人間味を残しているのがいい。そして何より、固定動員の多さに関係無く、フロアで初めて見る人に対してもしっかりとレスを飛ばしていて、会場全体でライブを創るという気持ちが感じられて、凄く良かった。

やっぱりそこに尽きるのだろう。どのヲタクも結局は、そういったライブへの向き合い方というのは自然と見えてくるもので、グループの垣根を越えた推し変までも実現させるのだろう。もちろんブレずに専門的にライブがそうでもないアイドルを推し続ける者も確かに存在するが、対バンを通して他のアイドルを、ライブを目にすれば、愛は揺らいでいくものだ。

SNSを開けば、何故現場が、何故動員が、などと嘆くアイドルが本当に多い。理由はあるだろうが、やはり、ライブを主戦場として生きる者であれば、さよステのようにライブをしっかり積み上げて、創り上げるアイドルのパフォーマンスを見て、学んで、そして気付いてほしいものだ。そう考えてみると、いろんな対バンで招待したくなるあたり、運営思考が抜けない筆者である。

 

 

 

「16」FloreRisa-フロレリーサ-「アイドルとしての生き様」17:25~17:50「05」

最終参戦:2022/11/12:『白纏礼峙:励む者には敬意を以て臨んで:転

物販3「白」涼川しおり「サインあり2shot」2K

elseedからグループ名が変わってしばらく経つが、涼川がリーダーを務めてからもまた、しばらく経つという筆者の認識である。正直なところ、先輩メンバーの卒業により自然と上に立つ存在だからと、抜群のプロポーションを有しておりより知名度を得る存在だからな、理由だけだと誤認識していた。実際には、ライブにひたむきに取り組む姿、そして他グラビアなど含め、一つ一つの仕事に真摯に向き合う姿というのが、学び取るべき存在、リーダーに据えるべき人格者だからなのだと、今回のライブを観て、やっと気付けた筆者であった。嗚呼、この時まで理解が浅かったこと、如何に愚かしい筆者かひどく恥ずかしく思うものだ。それにしても、グラビアで戦えるほどのスタイルを有している者というのは、フォーメーション移動やダンスなど、そうでないメンバー以上に体力の消耗が激しいはずなのだが、彼女は終始、眩しい笑顔であった。アイドルとして務め上げる姿、彼女という存在もまた、さよステ同様に、今を生きるアイドルたちには学び取ってほしい姿である。

本当に感動したので、彼女に関しては今回が初めての回収だったが、良かった。直接感動を伝えられたのは、我ながら良く勇んで行動できたと思うところだ。正直、まったくの外部者が奥まった物販スペースに踏み入って、界隈が仲睦まじい雰囲気の中で、というのは、はるか昔、他のグループとはいえ、筆者も専ヲタとして生きたために、非常に複雑な思いではあったが、トータルでやはり後悔は無い。

蛇足ではあるが、ライブ中、2人の運営の仲良さそうな姿が、とても良かった。若い女性とベテランな男性、バランスが良いだけでなく、互いに尊重し合っている姿というのがまた、運営とアイドルという全体で考えてもやはり、良い循環が生まれていると感じるところだ。もちろん知名度上昇を追い求めるのも大事なことだが、少女たちは、人生を捧げてアイドルを務めるわけだ。卒業後の人生に向けて、アイドルという活動を通して成長の機会を与える、そしてそのためにも環境づくりというのは非常に重要だ。そんな、アイドルを活かす原点が成っているというのがまた、アイドルだけでなく運営もまた、学び取るべき姿なのかもしれない。改めて、感謝申し上げたい。

 

 

 

「17」超常フォーチューン「多様性に生きる」17:55~18:20「06」NEW!!

前述の通り、さよステとフロレリーサで十二分に満喫できた対バン。これでわずか10組の回収と言えど、満足感では十分にチケ代を回収できた。それに、タイテを見る限りでは、終盤はそこまで観たいアイドルは無かった。夕飯も川崎で済ませたいし、これで最後にするか、と思ってフロアに残っていたら、女子ファンを動員できているアイドルじゃないか。衝撃だった。

じゃあ何が強いのか、と思いながらライブを観てみたものの、残念ながら発見には至らなかった。おそらく、トークが上手い、SNSの使い方が上手いなど、いろいろ理由はあるのだろうが、こういったいわゆるバズっているアイドルというのは今の時代そう少ないものではなく、共通項を追うにはどうしても時間を要するものだ。それに、そういったアイドルは多い。単純な物量で時間がかかってしまいそうだが、そもそも、物量などと表現してしまうほどに、既に筆者は、昔のような愚直なドルヲタではないということだろう。そう考えたあたりで、空腹感が強まり、会場を去ったのであった。(4421字)

 

 

 

日時:2024/4/28(日)、11時半~20時

会場:川崎クラブチッタ

タイトル:UP-T FESTIVAL NEXT vol.2

出演組数:21組