最近、ふと階段横の壁に目をやると、うっすらと細いひび割れが入っているのに気づきました。
場所は、塗り壁と階段との取り合い部分。いわゆる素材が異なるところの接点です。
最初に気づいたとき、「あ、やっぱり出てきたな」と思いました。
でも、それがイヤな気持ちになるかというと、全くそんなことはありません。
というのも、塗り壁には経年変化がつきもの。
特に、木造住宅で階段のように動きやすい部分と接しているところでは、どうしてもひびが入りやすくなります。
もちろん施工時にきちんと処理されていても、季節による湿度の変化、木の伸縮、建物のごく自然な動き…。
そういったものの積み重ねで、年月とともに少しずつ表情が変わっていくのが塗り壁の面白さでもあるんですよね。
私はこの変化を、**「不具合」ではなく「味」**として楽しんでいます。
決してクレームをつけたいわけではないし、「これも家と一緒に歳を重ねている証なんだな」と、むしろ愛着がわくくらい。
塗り壁のこういう性質って、家に「時間」という要素が加わっていく感じがして、とても好きです。
新築のときは真っ白で均一だった壁が、数年経つと、少しずつひびや色のムラ、光のあたり方で生まれる陰影を帯びてくる。
それはまるで、人の表情にしわが刻まれていくように、その家らしさが育っていく過程なのかもしれません。
もちろん、大きな構造的な問題があれば別ですが、今回のような軽いひび割れ程度なら、**「ああ、うちもそろそろ風格が出てき
たな」**くらいの気持ちで受け止めています。
住まいって、ただの器ではなくて、日々の暮らしが積み重なっていく場所。
だからこそ、完璧で傷ひとつない状態を保つよりも、変化を受け入れて、その家らしさを楽しむ心の余裕があると、もっと心地よく暮らせる気がします。
今日も、ほんの少しだけ深まった家の表情に、そっと目を向けながら。
これからも、この家と一緒に、ゆっくり時を重ねていこうと思います。








