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嘘の数だけ線を引こう

嘘とか付いてますけど本当の事だけ書きます。言いたくない、書きたくない事は黙秘ということで。

6人部屋の6人目でした。自分と同じ網膜剥離が2人、角膜移植が2人、そして果物の名前がついているものの、考えただけでオシッコちびっちゃう事になるちょっと怖い病気の人、そして自分の6人。

自分のベッドは入り口から入って左の一番奥。自分としては最良の場所でした。スミッコが好きですから。

正直に言おう。この時点では未だ自分が失明している事実が理解できてませんでした。何故に自分はここに?ありえない事ですが、でっかいドッキリにかかっている気分でした。


しかし、数日後自らの手で失明の事実を調べる方法を考えつき、実践してビビリあがりました。

「ホントに失明している~~~」ってね。

どうやったか、やり方は簡単。まず目の前で両手の一指し指をくっつける。古くは、いなかっぺ大将のドボチテの指、最近は指と指の間にソーセージでしょうか。これも古いかな?ゲッツ!の指でも良いや(これまた古いか)。

その状態から目線を動かさず両手のみ上下させるのです。

すると、自分の場合上に動かしていったら右は見えるのに左が消えました。何度やっても上に持っていくと左が消える。そう、自分の失明は部分的なもので、視野の外側、見えているけど見てない部分が失明していたのです。

ここで「ホントに失明している~~」になったわけです。

ビビリました慌てましたゾッとしました。

もっともこれは入院から数日たってから気付いた事なので実際はもう少し先の話。


入院といっても、約一ヶ月の間の3週間はくっちゃ寝の日々でした。しかし、これが生き地獄。何故かと言うと、それは・・・


続く。

さて、右腕は使えなくなったので、続きはどうなるのかと思ったら、普通に左腕に点滴されました。

「おいおい、左腕はもう使っちゃったから使えなくて右腕になったんじゃないの?」

などとツッコミ入れられるわけもなく、なされるままになってました。

今なら言える「手の甲が残ってます!」と。


実はこの話とは別に、ジンマシンになった事があります。なんか、飲んだ薬がいけなかったらしいのですが、全身が腫れました。腫れたと言ってもまん丸パンパンになったのではなく、でっかいミミズ腫れというか、特撮ヒーローのプロテクターの様に装甲つけた感じに腫れました。何言ってるんだか分かんないな。

当日の用事は抜けられませんでしたが、次の日は朝一で病院です。

病院では原因自体は分からないものの、変わった事したのが薬を飲んだ事だけだったので、それが原因だろうという事になりました。

原因が分からないのに注射による治療です。今だと疑問符が渦巻く展開ですが、当時はなんとも思わなかった。何に対応した注射だったんだろう?


それはそうと、自分は注射が苦手です。好きな人なんているんでしょうか?ガマンは平気で出来ます。そういう意味では平気です。歯医者の注射はお尻の下に手をしいておきます。恐怖の臨界で手が出ないようにはします。普通に腕に注射する時は直視しませんが、とりあえず平気で受けます。

しかし、意思とは別に肉体は勝手にギブUPしてしまうようです。


なにを言ってるかというと、治療の注射してる時は当然の様に座ってますが、終わって「ありがとうございました」と言いつつ立ち上がったら膝からくだけました。自分でも「えーーーっ!」ですよ。まぁ、すぐ立ち直って帰りましたけど。軽い貧血みたいな感じでしょうか。心は平静を装っていても肉体が耐えられなかったようです。


さて次の日。もう一回注射です。自分としては何もないつもりでしたが、看護婦さんは前日の事覚えていらして、ベッドに寝かされての注射になりました。はっきり言って恥ずかしい!注射して倒れるといけないから予めベッドで寝かされるんだもん。諦めて注射されようとしたら、追い討ち。なんと、血管が細くなって注射出来ないらしい。どんなビビリだ我が肉体。なので、生まれて初めて手の甲に注射ですよ。そっちの方がよっぽど怖いわ!!


左腕で点滴再開ですが、そんな事より気になったのは右腕。腫れあがった右肘内側、どーなるんだろ?と。

「あー、体内に吸収されるから大丈夫ですよ♪」と言われましたが、そういうもんかもしれないけど、なんかなー。

そしてそのまま担架で運ばれて入院です。初日だけでなんかうんざりです。



続く。



とりあえず処置室で寝てました。ボーッとして点滴うけてましたよ。眠いけど眠れないというか、意識がはっきりしないというか、そんな感じです。


そして放置されました。点滴うけてるだけだから問題ないんですが、意識も朦朧としてたし。

すると、なんかドキドキしてきた。いや、ドックンドックンしてきた。何だろう?そう思いつつノンキなのはやっぱり頭がはっきりしないからか。

しかもおかしい。鼓動を打っているのは胸ではなくて右腕だ。なんだろう?さすがに変なのでヒョイと頭だけ持ち上げて腕を見てみた。全身で起き上がらなかったのは点滴してるから。それ位は考えが回ったらしい。


するとどうでしょう、右腕の点滴してる部分がボッコン膨らんでいた。

声にこそ出しませんでしたが「なんだこりゃー!」でしたよ。

明らかに異常事態。呆けた頭でもそれは分かる。

なので、隣にいるであろうお医者様か看護婦さんに聞こえるように大きな声で叫びましたよ。

せーの!「かーんごーふさーん!」

はい、気持ちだけ大声でまったく声出てませんでした。

普通サイズの文字で書いたら「は~んほ~ふは~ん」そんな感じ。舌もまわってなかったんでしょうね。


その声が届いたのか、偶然見回りに来てくれたのか看護婦さんが入ってきました。当然右腕の事うったえました。

すると「あー、血管貫通しちゃったねー♪」軽い感じで言われちゃった。

当人としては「ギョ!」なっただけで、なんの安心にもならなかった。当たり前だー!



続く。