THE ZUTAZUTAZのライブに来た事のある人へ | THE ZUTAZUTAZのブログ

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あたたかくてパンク。それだけ。HP▶︎http://thezutazutaz.comチケット予約コチラからどうぞlabel▶︎武蔵野RECORDS



んちゃー!!!
THE ZUTAZUTAZの天才ヴォーカリスト
ファインディング虎だよー!!!

人気連載中の「透明文字で描く赤裸々ブログ」を毎日チェックしてくれてるかなー?

今日は久しぶりに黒い文字で
ある日の出来事を執筆しようと思う。


約束そのものは至って普通だった。
「ミーティングを14:00〜」。



だけれど 頭が痛いし熱があるぞ。

そんな寝覚め。


プライベートでもオートバイを乗りこなすバンド、それがTHE ZUTAZUTAZ。


コイツを僕の身体ごと、鋭いスピードで待ち合わせ場所までかっ飛ばす。


途中でベースを担いだくにおさんの背中が見えた。右折レーンで信号待ちをしてるみたい。




彼の猫背はオートバイのタンクの丸みに似ている。バイクと音楽が大好きな人。

挨拶と今日の天気の話を
青信号になるまで軽くした。
そのまま一緒に待ち合わせ場所まで向かった。


先についていたのはスタッフのエンジン。



コイツはいつも集合時間より早めに来てる。
遠征の時、運転をしてくれたり、ライブ中のコントに使う小道具なんかを作ってくれる奴だ。



タバコを吸いながら待ってるとギターを担いだ原がやってきた。



コイツはエンジンと対照的に、基本いつも待ち合わせに遅れる奴だ。
遠征の時レンタカーを借りてきてくれるのだが、時間通りに迎えに来た事がないので僕は、
迎えに来ると指定された時間に起きて、準備をし、紅茶までキメ込む。


少し申し訳なさそうに遅れてやってきたのがスネアドラムを持ったかずあきと、


その後ろに乗り、背負ったキーボードが座高を超えているまつくん。
かずあきの愛車、不死鳥のカブと呼ばれる90ccボアアップのリトルカブに2人乗りでやってきた。


THE ZUTAZUTAZの全員が揃った。

予定より20分ほど遅れてミーティングが始まった。




これからの話をしていた。

自分達が、幸せの中に立っている来年の話を。


未来の話をするのはいいことだ。

日常が大変な時こそ、
夢は力強くいてくれるから。



本当に“バンド”って乗りものは船だと思う。(オートバイじゃないよ。)

明日さえ見えない雨雲に包まれ
荒波の中で夢を見る。

とても正気の沙汰じゃない。

正気になっちゃいけない職業なんだ。


小一時間ほど経つと、僕は熱のせいか頭が溶けそうになって、視界がぐにゃぐにゃになって耳もあまり聞こえなくなって、眠りそうなのか、気絶しそうなのか、妙な感覚だった。

ドンっ…!!


船が何かに衝突した。

みんな無事かー?!

見渡すとスタッフのエンジンの持ち場に穴が開いていた。

「これ以上支えきれません。」




THE ZUTAZUTAZのライブに
来たことのある みんなごめんな、

エンジンやめちゃった。


彼の持ち場は、度重なる衝撃に決壊寸前だったみたいだ。

「いいよ。」

と言った俺たちは、悔しさと悲しさと寂しさと少しだけの怒りと。
よくわからない感情を抱えたまま、
正しい道だけが皮肉にも鮮明に見えていた。

“このまま続けていく必要はない”と。


「では、今日を以って辞めさせて頂きます。
お世話になりました。。」

と深々頭を下げた。

僕は
「遠くのライブハウスまで
いつも運転してくれてありがとう。
色んなものを作ってくれてありがとう。
映像を撮ってくれてありがとう。
そうそう、荷物をギッシリ トランクに積んでくれてありがとう。今までありがとう。」

と感謝したあとに

「テトリスやって積み方勉強しとくわー」

って笑いを誘ったっけ。

目に涙を溜めて、誰もそれを零しはしなかった。

「手伝うことはもうないけど
売れてくれることをこれからも願っています。」

そうだよな。

どんな時も運命は共にあったよな。







スタッフ・エンジンとゆう名の
助け船が無くても
THE ZUTAZUTAZの冒険は続きます。


人は突然居なくなるもの  ってのは
こうゆうことなんだな。

誰の身にも起こりうることだ。

明日さえ見えない雨雲に覆われ
荒波の中を生きるのは
何もバンドだけじゃないんだなってことに気づく。

あなただって そうなんだよな。

ライブで会えるってこと、
互いの命が焦げる匂いが漂う場所…

最高に有難いものだ。


降りたきゃ誰だって、いつだって降りればいい。
僕らの掲げた自由が 窮屈じゃない事、分かっていてくれてるだろ?
THE ZUTAZUTAZに関わり合った人には特に、
自分の好きなことに没頭していてほしい。

だけどライブにもしも
またあなたが来たのなら、
命のすべてで迎えいれるよ。
あなたの中のロックン・ロール。

マイクロフォンの中  ピカピカに磨いた爆薬忍ばせて俺は待ってるよ。



THE ZUTAZUTAZ 虎児谷直樹

※ネットから自分達の写真拾いました。
撮ってくれた人よ、感謝する。