日本経済に組み込まれている低賃金外国人労働制度、技能実習生は常識はずれの愚行 | ずるずると道・郷・話を愛でる

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房総半島から栃木県北部を中心として、
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このコラージュは、ゴルゴの痛快なアクションでごまかされてしまうが、女性側をしてやったり!という話ではなく、全然話が噛み合ってない、という問題があったりする。

 

技能実習生の問題は国内では、じつはちょこちょこ報道されていたし、それに気がついていた人もそれなりに多くいたことであろう。しかし、それが常態化し日常風景となってしまっていてその存在を疑うことを忘れてしまっていた人も多いのではないだろうか。もちろん、それは当たり前で、富裕層である自分が今のままで生活を謳歌できればそれでいいという自分本意な考え方の人よりは幾分マシではあるが、それを止められていないことに対しては、何らかの罪の意識が必要かもしれない。要するに、まずいことをしているという意識を持って、なんとかそれを止めなければならないという考えにまで消化する必要がある。

 

 

 

それほどこの制度は日本社会の暗部であり、恥部である。そのことを、ついに米国が指摘したという話である。米国に対してはもちろん突っ込みどころが多い国家ではあるが、日本の技能実習者制度に関しては、実は申し開きができないぐらいの人や労働の扱いであることは否定しようがない。それによって農業が立ち行かない、言うのであれば、それを是正することをしないと、政府が見て見ぬ振りをしている現代の奴隷制度はそのまま定着し続け、日本経済そのものの信頼も健全さも失っていくことになる。なにも問題がないつもりにしておくには時間がかかり過ぎであるということである。

 

そもそもこの制度を使わければやっていけない農業の状況とはどういう状況か。まともに労働してまともに賃金を払わない社会というのは、そもそも持続可能な社会ではありえない。基本的に自分の国のことは自分たちでなんとかするというのが、都市国家ではなく、大きな規模を持つ国家の基本的な姿勢である。それができないとなれば、到達するべき状況にまで至っていないという意味で、途上国という扱いになるべきだろう。

 

日本は、G7と言われる旧西側先進国クラブの一員ということになっているが、この技能実習生制度が日本経済の中である程度の存在感を示してしまっていることは、上記の考察から考えても、G7似中にいるべきではない存在だろう。貧乏な外国人をその供給元の発展途上国のエージェント企業と結託して労働奴隷として使用しているということである。しかも、使う側も労働者側の弱い地位を意識して酷い扱いをしていることも横行している。そんなところからの逃亡者から、愚連隊のような組織すら出来上がって、一部の都市において治安を乱すことに一役買っていたりするのである。これはどう考えても持続可能な社会を構成する要素としては失格であり、有害なものとなっているということである。

 

この問題は、農家や中小企業などが労働基準法の基準すら無視できる技能実習生に依存して創業しているという状況であり、労働に対する対価が低すぎる状況で常態化していることである。それを是正するには、政府がまず動くしか無いだろう。要するに、そのような産業に対して補助金を出していくということである。こと農業に関しては、食料の自給率の問題もあり各国は基本的に保護をしている。日本においては、敗戦後の占領政策の続きで、アメリカの農業政策に組み込まれた形で農業を放棄するような政策を与党が取り続けてきた、ということもある。その慣習は、すでに無意味なものであり、米国が指摘するぐらいなので、それを仕切り直すことができるチャンスでもある。

 

当然米国の既得権益側からの妨害も多くありうるこの話について、そのチャンスを活かせるかどうかは、日本経済をまともにしたいかどうかという医師が政治家にできるかどうか、それを支援する国民にあるかどうかにかかっている、ということだけは確かだろう。