昭和プロレスその1~鉄の爪 | ジジイが来たりて愚痴を吹く

ジジイが来たりて愚痴を吹く

人生還暦を超えていよいよロスタイムに入りました。
いろいろ過去をふりかえりながら未来を描きたい
#MIOつくし #FC草津26期生

◆プロレスNo.1:鉄の爪

 
てことで一旦ボクシングはお休みして
次はプロレスを語らせてもらおう
(なんだ、その上から目線は)
 
「アイアンクロ―」という映画を観に行きました。
主人公は二男ケビン。プロレスラーのおとっつあん
の期待を一心に受けるも三男の方がええなあ、
と心替わりされしかし兄貴として落ち込むもなく
一家を支えなあかん、と弟たちを立てるが
おとっつあんの期待は兄弟全員に
早よ世界チャンピオンになれ!と過度の
プレッシャーがそのうち失望へと変わり
立て続けに悲劇が起こる。
 
ま、息子たちに凄さは感じませんでしたが
このおとっつあんこそ常に観客を恐怖のどん底に
陥れるオーラ満載のレスラー
フリッツフォンエリック。
技といえば蹴る、殴る、たたく、蹴落とす
の単調なものばかり。しかし
観客が固唾を飲んでいつこれが爆発するかを待つ
鉄の爪アイアンクロー!
単純な技です。相手の額を鷲掴みするだけなんで。
 
だいたい来日が1週間ぐらいしか呼べない超大物。
羽田到着の記者会見で
「ババのタイトルはもらった」と大見得をきり
馬場の試合に背広で乱入しボコボコにする。
煽りの試合で猪木を赤子扱いし
タイトル戦では1本目馬場が16文キックで先制
だがホッとした馬場のスキをつき
必殺のアイアンクロー!
「止めに入っている沖レフェリーの手が赤く
 染まってまいりました」
で、2本目はエリックの反則負け
3本目は両者リングアウト
てのが来日のたび繰り返されます。
しかしその恐怖の右手だけで
会場全体が興奮の坩堝に落ちる。
その手をブロックするだけで場内に歓声が響く
こんなレスラーはそうはいません。
ピカピカの小学一年生からすれば
ガイジンというのは悪魔に匹敵するのである。
しかも掴んだだけで流血。マジで
爪で顔に傷つけていると思ってましたよ。
さらに場外に落ちた馬場をエプロンから
リング内に右手一本で引きづりだすって
どんな握力やねん!
エリックが来日するというニュースのたびに
夜も眠れない日が続きます。
 
まあ、大人になればプロレスとは
かくありなん、なんですが
馬場しか流血させない、というのも
興行として計算されつくしており感服します。
馬場は動くだけで絵になる。
エリックは掴むだけで絵になる。
両者全盛期を見れて幸せでした。